北の旅人

旅行や、ちょっといい話などを。そして、時には言いたいことを、ひとこと。

「1956」-14歳の心象風景⑨

2009-07-14 10:31:18 | Weblog

<作文>        作文  

                           (N・M)

私の作文を見て、だれも上手だと言ってくれる人は少ないであろう。私は生まれつき作文が大嫌いである。その第一としては、題をなににしたらと言う事。題ぐらい簡単だと言う人がいるかもしれない。私にはその題で終わりまで綴ることは不可能なのである。

 この前、先生から、「作文をかいてきてください」といわれて、どきっと胸がなるような気持ちでした。私は作文を書かなければならないと思いながらも、机に向かった。帳面をひらいて書く。だが、そのたびにこの題はだめだとかきなおした。

私の父兄妹は文を書くのがすきで、五月五日の日にK村の作文の部に一等になったほどです。それなのに、どうして、私だけが作文を嫌いでしょう。 

評 何も下手ではありません。この調子で書けば良いのです。

              ☆         ☆

私も作文と図工が一番苦手だった。特に、400字詰めの原稿用紙を目の前にした時は思案投げ首だった。しかし、高校卒業後は浪人、進学などで家を離れたこと、また将来はマスコミ関係の仕事に就きたいという希望もあって、文章を書けなければ駄目だと思い、家や友達に意識的に手紙や葉書を書いたものだ。また、今のように、電話を気軽にかけられる時代ではなかったので、なお更だった。

書いているうちに、少しずつ文章を書くことが苦痛ではなくなっていった。これが、結構よい練習になったように思う。結局、マスコミの世界には行かなかったが、書くこととは縁が深かったので、必要に迫られて書いているうちに、楽しくさえ思えるようになっていた。中学生の頃のことを思うと、全く皮肉なものだ。



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