ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第135巻-3一年半の蝶

2009-05-03 23:53:43 | 第131巻~第135巻

■一年半の蝶(第447話) 発表1999年8月

評価   ★★

依頼人 欧州で十指に入る化学プラントグループの3代目”カール”

ターゲット ”カール”の父(プラントグループ会長)

報酬   不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,397

今回殺害人数       1/ 通算殺害人数   4,687

今回まぐわい回数     2/  通算まぐわい回数   111

<ストーリー>
環境破壊をまき散らす化学プラントグループの会長は熱烈な蝶のコレクター。会長を狙う男がいるとの情報にも関わらず、会長は蝶を追い求める・・・

<この一言>
俺は、カウンセラーじゃあない。父親への”恐怖心”の問題なら、医者に行くことだな・・・

<もう一言>
俺は”狙撃に対しての条件”は受け付けるが・・・が、”依頼そのものに対しての条件”の申し込みは流儀じゃない、他をあたってもらおう・・・

<解説>
欧州で十指に入る化学プラントグループの社長”カール”は、父親である会長の殺害をゴルゴに依頼する。会長は癌に冒されており、残り一年の余命という。しかし、一年を過ぎてもなお、会長が生存していれば、一年半後に会長を殺害して欲しいという。

狙撃条件・依頼条件に難癖をつけるカールに対して、ゴルゴはいらだちを露わにするが、最終的には一年半後の狙撃依頼が成立する。会長が蝶の熱烈なコレクターであることを掴んだゴルゴは、カールの息子”ネロ”を利用する。ネロの乳母”マリア”を籠絡したゴルゴは、ネロに近づき希少種である『アレキサンドラトリバネアゲハ』の人工孵化を依頼する。一年半後、人工孵化に成功した『アレキサンドラトリバネアゲハ』をネロから買い上げたゴルゴは、会長宅内に蝶を放つ。

何者かに命を狙われているとの情報が入った会長であるが、宅内に希少種の蝶が紛れ込んだと知るや、配下の者を宅外に出し、蝶の探索にあたる。宅内に忍び込んだゴルゴは会長を狙撃、依頼を完遂する。

登場人物のいずれもがエキセントリック過ぎること、希少種の蝶、過剰な収集癖、環境破壊、といったテーマがしっかりと連関しておらず、ストーリーとしては散漫な印象を受ける。登場人物の味付けも不十分で、マリアの語る”飛行機事故”とはなんだろうか?想像するに、社交界を飛び回っていたカールの妻は、飛行機事故で死亡、カールは酒浸りとなり、環境保護団体の”リンダ”に籠絡され、実父である会長の殺害をそそのかされたのだろう。この人間関係の描写が不明瞭と思われるのは、私の読解力不足か?
主要登場人物がいずれも性的に籠絡されていることから、本作のテーマ”蝶”は人間を惑わすもののメタファーとして描かれているのだろう。カールにせよ、息子のネロにせよ、この家族の性癖には恐れ入る・・・。
で、一番いい思いをしたのが年増女のマリアだ。ゴルゴに複数回抱かれ、生き延びているのだから。
「二度三度と味わえる女は・・・そうざらにはいない」(第5巻-5『飢餓共和国』)と語ったゴルゴだけに、ゴルゴが同一女性と複数回まぐわうことは非常にレアである。本作のマリアは7人目の例外ケース。
第10巻-4『リオの葬送』マイヤ
第11巻-4『そして死が残った』マリー
第21巻-2『海へ向かうエバ』エバ
第73巻-2『ダイブ to トリポリ』エリザ
第74巻-1『見えない翼』ゾーヤ
第110巻-3『冷血キャサリン』キャサリン
⑦第135巻-3『一年半の蝶』マリア

ズキューン

ゴルゴ13 (135) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
賛美歌13番さんこんにちわ。 (ペロ)
2009-05-05 10:56:02
賛美歌13番さんこんにちわ。
カールの父を殺すために利用したのが、カールの息子というのが皮肉ですね。それはそうとネロはいい役どころですね。蝶の研究ができ、ボーナスを貰い、さらには女も・・・
ところで、ゴルゴンはかなり融通が利きますね。ボディーガードはダメと言いながら、“襲い来る者の排除”はOKですし、1年半後の依頼はダメでも、準備期間を長くすれば依頼を受けてもらえますし。
本日の一句「ゴルゴンは、理屈が通れば、引き受ける?」
返信する
ペロさん、こんにちは。 (賛美歌13番)
2009-05-05 12:36:19
ペロさん、こんにちは。
>ゴルゴンはかなり融通が利きますね
今回のゴルゴは、かなり柔軟な対応をしましたね。カールに対しても、ペロに対しても。やっぱり一番おいしい思いをしたのはペロでしょうか(笑)それとも、マリアでしょうか(苦笑)
返信する
賛美歌13番さんこんにちわ。 (ペロ)
2009-05-05 21:18:42
賛美歌13番さんこんにちわ。
>一番いい思いをしたのはペロ
そうですね。良い思いをしたのは私です(笑)
ネロですね。ご愛嬌
返信する
ペロさん、ごめんなさい! (賛美歌13番)
2009-05-05 21:52:40
ペロさん、ごめんなさい!
ご指摘のとおり、ペロさんではなく”ネロ”です。本当にすみませんorz
お詫びとして、ゴルゴ経由で”最高の女”をペロさんにご紹介できるよう手配いたしました。
返信する
こんばんは、賛美歌13番さん、カムバッカーです。 (カムバッカー)
2009-05-12 22:32:19
こんばんは、賛美歌13番さん、カムバッカーです。

例外の8人目はたぶん我らがクレイン女史になるだろうと思います(゜゜)\(ーー;)

これだけではなんですので。昔、母がプランターでセリを植えていたときに、全部の葉っぱがボロボロになってしまったことがありました。

良く見たら最初は保護色で分からなかったのですが、芋虫が闊歩していました。

図鑑で調べたら、キアゲハの幼虫だそうです。セリを自作する方は気をつけてください。

キアゲハ自体は綺麗な蝶なのですが。

それではまた(^O^)/~
返信する
カムバッカーさん、こんにちは。 (賛美歌13番)
2009-05-13 13:24:56
カムバッカーさん、こんにちは。
>例外の8人目はたぶん我らがクレイン女史
クレイン女史の再登場&ゴルゴとの接触が待ち遠しいです!
返信する
ゴルゴのターゲットとなったカールの父親、普通に... (マリヨ神父)
2011-06-26 08:45:30
ゴルゴのターゲットとなったカールの父親、普通に考えればアレキサンドラトリバネアゲハが、生息地のニューギニアからはるかに遠いベネズエラなんかにいるワケないのに、何かの罠と思わなかったのですかねぇ~!!(笑)
ボディーガードのホイスにしても安易に会長の意見を聞いてしまう!
二人とも、間が抜けていませんか!?(笑)
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マリヨ神父さん、こんにちは。 (賛美歌13番)
2011-07-02 11:57:56
マリヨ神父さん、こんにちは。
出ました!間抜けシリーズ。
ホント、この作品の登場人物はお間抜けさんが多いです。歪んだ世界に入り込んだ錯綜感を狙ったとは思えませんが(笑)
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Unknown (Unknown)
2024-02-14 09:11:24
ネロはカールの息子じゃないだろう
父親が生きているなら莫大な遺産を受け継いだというのはおかしい
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Unknown (Unknown)
2024-02-14 09:14:38
つまり父親も飛行機事故で死んだと考えるのが自然
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