ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第65巻-3闇の封印

2007-04-28 18:11:30 | 第061巻~第065巻

■闇の封印(第226話) 発表1984年1月

評価   ★★★★

依頼人  自民党最高顧問 根岸慎三の秘書 飯田

ターゲット 鬼頭 辰五郎

報酬    不明(拘束期間中のキープ料 ¥10,000/秒 = 時給 ¥36,000,000)

今回弾丸発射数      5/ 通算弾丸発射数 1,322

今回殺害人数        5/ 通算殺害人数   1,414

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    79

<ストーリー>
太平洋戦争末期にソ連・スターリンと日本統治を密約したとされる「S-書簡」は存在するのか?国会議事堂・首相官邸には秘密の地下施設が存在するのか・・・

<この一言>
質問に答えてもらおう!

<解説>
太平洋戦争末期、日本の戦後処理をソ連に委ねることを画策した超党派のグループがあった。秘密工作は失敗に終わり事実は闇に葬られていたが、その首魁は自民党の長老として基盤を築いていた。ソ連に日本を売ろうしたその行為は、政治家のアキレス腱となるものであるため封印する必要があった。スターリンと日本統治を密約した「S-書簡」が永田町地下に残存しており、派閥闘争の決着をつけるべく与党政治家達が「S-書簡」を巡って暗闘する。

自民党最大派閥の長「中田丸助」は、首相の座を退いたものの闇将軍として権力を握っていた。政敵「幸田武吉」が戦争末期にソ連と秘密工作をしていたことを明るみに出そうと、永田町の地下鉄工事を進め「S-書簡」の発掘を図る。戦前からの政治裏面史を知り尽くす「鬼頭 辰五郎」が現場に向かい、「S-書簡」を手にしたその刹那、ゴルゴの銃弾が鬼頭を撃ち抜く。ソ連との交渉を主導した「自民党最高顧問 根岸慎三」は中田の動きを阻止すべく、ゴルゴに鬼頭の殺害を依頼したのであった。

本作は、終戦直前の敗戦処理を巡る歴史考察、自民党の派閥闘争、東京地下施設の謎をからめた非常に密度の濃いミステリー作品に仕立てられている。言うまでもなく「中田丸助」は「田中角栄」・「幸田武吉」は「福田赳夫」で、「角福戦争」を描いている。また、皇居・国会議事堂・首相官邸を結ぶ地下道・地下施設が存在するという謎は未だ解明されていないが、「何か」が存在するのは間違いない。

依頼人である自民党長老「根岸慎三の秘書・飯田」は、地下鉄工事の進捗により鬼頭の殺害タイミングを図っていたが、ゴルゴをキープするために期間拘束料を払っている。飯田曰く「キープしておくために、一秒ごとに万札が消えていった・・・」。拘束料は時給換算で¥36,000,000!ゴルゴはこの間、地下施設を下見していたが、本番直前には地下に潜伏し暗闇の中「24時間、場合によっては48時間」待つ必要があった。本作の時間推移からするとゴルゴは1週間程度の業務拘束を受けていたことになり、
拘束料=¥36,000,000/時間 × 24時間 ×7日間 =¥6,048,000,000
約60億円の報酬を受けたことになる。自民党の裏金、恐るべし・・・。
第65巻-1『メジャー・オペレーション』でゴルゴは120時間もの間、蛇の穴に潜っていた。依頼人の飯田は『メジャー・オペレーション』事件でのゴルゴの行動を知っていて、長時間地下に待機する今回のミッションを依頼したのであろうか。

ズキューン

ゴルゴ13 (65) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
管理人さん、こんにちわ。時給36,000,000円とは………... (ペロ)
2007-04-29 08:20:51
管理人さん、こんにちわ。時給36,000,000円とは………一日でいいからその時給で働いてみたいですな~。ところで、以前にも、ゴルゴンに“その時”まで待ってもらう依頼があったような…とすれば、上手く頼めばキープ料はいらないのでは?
返信する
ペロさん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2007-04-30 01:05:25
ペロさん、こんばんは。
>上手く頼めばキープ料はいらないのでは?
そうですよね。日本の政治家は国内の根回しは得意だけど、対外的な交渉はからきしダメ、という典型的な例でしょうか・・・
返信する
賛美歌13番さん、ペロさんこんばんわ、ゴルゴが... (マリヨ神父)
2011-02-06 18:32:56
賛美歌13番さん、ペロさんこんばんわ、ゴルゴが依頼を長期間待った例としては十数年待った『E工作』一年半の『一年半の蝶』一年の『6月3日の死』等がありますが全てキープ料など取っていませんねぇ。流石にキープ料はぼったくりだと判断してゴルゴ利用料金表から削除したのではないでしょうか?(笑)
返信する
マリヨ神父さん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2011-02-11 23:49:43
マリヨ神父さん、こんばんは。
長時間キープの依頼、ゴルゴはどのように管理しているのでしょうか?私なんか仕事上、翌日のアポなども忘れてしまうのですが・・・
返信する
ゴルゴ作品の中で、政治家同士の、ある種の“争い”... (カイ)
2011-08-16 16:50:31
ゴルゴ作品の中で、政治家同士の、ある種の“争い”を描いている今作は気に入っている作品の一つです。

ゴルゴ作品ではないけど、政治家の汚いやり取りを描いている作品で気に入ってる作品があります。
『金環蝕』(きんかんしょく)という小説ならびに同名映画です。

内容は、実際にあったダムの落札をめぐる疑惑を、
“こういう事があったのでは?”
という仮定で描いています。
返信する
カイさん、こんにちは。 (賛美歌13番)
2011-08-21 11:14:16
カイさん、こんにちは。
『金環食』、ウィキで調べました。社会派映画の名作なんですね。これまた興味深い。鹿島という具体名を出しているのがえぐいですね。今日なら架空の社名にしそうですが・・・
返信する
ちなみに、『金環蝕』の原作では、各登場人物が“外... (カイ)
2011-08-21 12:50:47
ちなみに、『金環蝕』の原作では、各登場人物が“外れた”道を往く理由が記されてます。
(いわゆる心情の吐露)
返信する
カイさん、こんばんは。 (讃美歌13番)
2011-08-22 21:59:47
カイさん、こんばんは。
政治家も政治家を利用しようとする企業も、そしてその企業を構成するサラリーマンも、道を外すと元に戻れない、引くに引けない状況に陥りますよね。くわばらくわばら。触らぬ神に祟りなし…
返信する

コメントを投稿