■システム・ダウン(第259話) 発表1986年7月
評価 ★★★★★
依頼人 リーズ生命保険ルグラン会長
ターゲット リーズ・アメリカ マイケル・ブラッケン社長/ヨーコ・マッキンレー調査部長
報酬 $500,000+死亡生命保険金$2,000,000
今回弾丸発射数 3/ 通算弾丸発射数 1,499
今回殺害人数 3/ 通算殺害人数 1,647
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 89
<ストーリー>
ゴルゴへのコンタクト方法が明らかに!ゴルゴが築き上げたクライアントとの連絡網が何者かによって破壊された。対するゴルゴは・・・
<この一言>
最近・・・変わった事はないか・・・
<もう一言>
引き受けよう・・・ただし、2度と俺のシステムに手を出すな・・・
<解説>
リーズ生命保険アメリカ支社の「マイケル・ブラッケン社長」は、高額契約者の死亡率が高く、保険金の支払いにより収支が悪化していることを懸念、ヨーコ・マッキンレー調査部長に原因分析と対策実行を指示する。
調査の結果、高額契約者の不審な死亡件数は13件あり、1件は事故死、12件は他殺であることが判明。事故死扱いとされたミステリー作家「マッジ・ペンローズ」はゴルゴに殺害されており(第43巻-1『ミステリーの女王』参照)、13件全てがゴルゴによる他殺であることを知ったヨーコは、ゴルゴの活動を封鎖するために、ゴルゴの連絡網を破壊することを思いつく。ヨーコが調べ上げたゴルゴへのコンタクト方法は3種類。
①聾唖の終身刑受刑者「マーカス・モンゴメリー」に手紙を出す(第17巻-1『柩に誓いを』)
→モンゴメリーがラジオ局に「賛美歌13番」をリクエスト
→ゴルゴが新聞に「G13型トラクター買いたし」という3行広告を掲載、連絡先を記す
②ナスダック上場の「ユナイトホライズン土地開発株式会社」の株を買い、暴騰させる
→ゴルゴが新聞に「G13型トラクター買いたし」という3行広告を掲載、連絡先を記す
③ラスベガスの「ウィークエンド」というカジノのオーナーに合い言葉を伝える
→オーナーがスロットマシンでジャックポットを発生させ、新聞記事にする
→ゴルゴが新聞に「G13型トラクター買いたし」という3行広告を掲載、連絡先を記す
ヨーコは「モンゴメリーの保釈活動」「ユナイトホライズンの株式購入」「スロットマシンの不正告発」を行い、ゴルゴのコンタクト・システムを遮断させる。やがてゴルゴはコンタクト・システム妨害を企てているのがリーズ生命保険アメリカ支社と知り、リーズ生命保険会長「ルグラン」を訪ねる。ルグランは、自身の地位を狙うブラッケン社長とヨーコの殺害をゴルゴに依頼しようとしていたのだが、ゴルゴへのコンタクトが成らず焦燥していたのであった。ブラッケンとヨーコがゴルゴのコンタクト網を破壊していたことを聞かされたルグランは、二人の死亡生命保険金の受取人をゴルゴに変更、迷惑料を上乗せすることでゴルゴへの殺害依頼を行う。ゴルゴはこれを受諾、自身のコンタクト・システムを復旧させる。
ゴルゴへのコンタクト方法が明らかになる重要作品。登場人物の過去と現在をつなぐ節目にゴルゴが位置しており、物語に深みを与えている。モンゴメリーの弁護士選任と費用負担をゴルゴが行っていたことが明かされている。しかし、その悪徳弁護士「アレックス・ウェーバー」はリーズ保険の顧問弁護士でもあるのだが、守秘義務違反によりゴルゴの有罪判決を受け死刑を執行されている。また、カジノ「ウィークエンド」のオーナーはゴルゴに狙撃依頼を行って「ウィークエンド」を手に入れたらしい。様々な人間模様が交錯しながらひとつのストーリーを織りなす本作は、名作の一つとして数えられていいだろう。
「あんたが俺を呼んだのは仕事の話か・・・?」というゴルゴの問いに対し、「まさかあんたに保険に勧めてもはいるはずもあるまい!ははは・・・」というリーズ保険会長ルグランの返答は最高だ。生命保険という死亡時に備える商品をゴルゴに提案するとは、かなり大胆な行為である。ルグランもすぐに気付き、「いや、失礼。悪い冗談だった!」と詫びを入れているのが可笑しい。
なお、本作発表時点で明らかにされているゴルゴへのコンタクト方法には、孤児院を営む「エゴータ夫人」に仲介を頼むというものがある(第7巻-4『番号預金口座』)。
ズキューン
ゴルゴ13 (75) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★
>一度ならず自分の車をお釈迦にされているゴルゴ、自動車保険を考えてみてはいかがかと。
確かにゴルゴはクルマをたくさん潰してますね。その派手な事故歴からすると、保険料は相当高いのかも?
>「保険に勧めてもはいるはずもあるまい!」
生命保険に関してはその通りでしょうが、一度ならず自分の車をお釈迦にされているゴルゴ、自動車保険を考えてみてはいかがかと。
『双龍狙撃指令』読んでみました。
古本屋店主の老人、その目つきからして只者では無い雰囲気ですね。少ない登場シーンながら気になるキャラクターでした。
>とある古本屋に入って「ラテン語の聖書を探してる」・・・
うわ!読みたい!!
でも13ページ欠けてるって笑えますね(笑)
>新たなコンタクト手段が出来る際の話も見てみたい
同感です。コンタクトの仲介を行っている人物は年配者が多いので、お亡くなりになった後の補充も必要なはず・・・
私も一言コメントを(笑)
アーリーゴルゴの頃からに比べると、現在のゴルゴへの依頼方法は、各国別・各機関別・特定の個人別と恐らく100はくだらないでしょ!!よくゴルゴ忘れてしまわないものです!(笑)
最近のゴルゴは『バイルス・チェイス』に出ていたように、インターネットでの依頼が多そうですが、原始的な(?)依頼方法の方が楽しめます(笑)
本誌469話『双龍狙撃指令』(単行本未収録、別冊ビッグ172収録)には、依頼人が、日本のとある古本屋に入って「ラテン語の聖書を探してる」
店主「うちには、一番奥の棚の一番上の左側に一冊だけある」
依頼人「この聖書のヨハネ黙示録の13頁が欠けている」
店主「黙示録13頁を取り寄せるか?」
依頼人「そうだ、急いでだ」
このような原始的(?)な依頼方法が出ています
近年になっても今作で紹介されている以外のコンタクト手段が登場していますが、ヨーコが突き止められなかった手段だけでなく、この一件以降増やしたものも当然あるでしょう。
新たなコンタクト手段が出来る際の話も見てみたいと思っています。
>保険の受取人まで勝手に変更
そりゃないな~ってな感じですね・・・
しかし、この作品何度読んでも面白いです
>エゴーダ婦人は世界で唯一、ゴルゴンの過去を知る人物ですね
となると、次はエゴーダ夫人の命が危ない(笑)
だとすると、エゴーダ婦人は世界で唯一、ゴルゴンの過去を知る人物ですね(驚)
>エゴータ婦人も何らかの形で(謎)
ゴルゴはエゴータ婦人に育てられたのかも!新説ですね!!(笑)
ところで、アレックス・ウェーバーは、ゴルゴンから死刑判決を受けたわけですが、“ゴルゴン裁判”で有罪になった場合、有期刑はないのでしょうね(笑)