ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第74巻-3西経175度

2007-06-07 21:53:22 | 第071巻~第075巻

■西経175度(第256話) 発表1988年3月

評価   ★★★

依頼人  不明

ターゲット フィジー南太平洋大学 副理事長カセンガド

報酬    不明

今回弾丸発射数      2/ 通算弾丸発射数 1,462

今回殺害人数        2/ 通算殺害人数   1,599

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    88

<ストーリー>
フィジーの英国領脱退に乗じて「フィジー南太平洋大学」を独占しようとする動きが。日付変更線を跨いだゴルゴの秘策とは・・・

<この一言>
帰投してくれ・・・

<解説>
フィジーの英国領離脱に際し、近隣諸国と国連の援助で設立された「南太平洋大学」の取り扱いを巡り各国の思惑が交錯する。副理事長カセンガドは南太平洋大学をフィジーに帰属させようとするが、当大学への出資者はこれを拒むべくゴルゴにカセンガドの殺害を依頼する。大学設立趣旨書の条項に基づき、1988年3月25日までにカセンガドの殺害を実行する必要があった。

ゴルゴは3月26日に日付が変わってもカセンガドを殺害せず、依頼人はゴルゴのミッション失敗に失望する。しかし、ゴルゴは、カセンガドを西経175度におびき寄せ、戦闘機ハリーアーからカセンガドを狙撃。日付変更線を越えた西経175度では3月25日であり、期限内にミッション完遂をさせたのであった。

日付変更線を用いたトリックが面白い。これほど手の込んだ仕掛けを施さず、素直に殺害すればいいものを・・・などと言うのは野暮だろう。本作の隠し味は、ゴルゴの特徴と過去のエピソードに触れている点にある。
<ゴルゴの特徴>
・身長6フィート
・レザーのような眼
・シガリロを愛用
・粗暴犯と違い常にクレバーな仕事をする冷酷な頭脳犯
・世界中のどんな人間もゴルゴ13の仕事を阻止できなかった
<過去エピソード>
「ゴルゴ13が仕事に失敗したのはただ一度、それも不発弾という、偶発的なもののみ」
第15巻-3『アクシデンタル』
「ネオナチの本部まで破壊し得た、あのゴルゴ13が・・・」
第53巻-1『崩壊 第四帝国 狼の巣』

ズキューン

ゴルゴ13 (74) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
賛美歌13番さんこんばんわ。今回のゴルゴンは、... (ペロ)
2007-06-07 22:36:29
賛美歌13番さんこんばんわ。今回のゴルゴンは、随分手の込んだことをしていますね。ズバリ“暗殺に至る展開のマンネリ化防止作戦”と命名させていただきます(笑)
返信する
ペロさん、こんにちは。 (賛美歌13番)
2007-06-08 12:18:36
ペロさん、こんにちは。
>“暗殺に至る展開のマンネリ化防止作戦”
大笑い!ペロさんがおっしゃるように70巻前半は、かなり「マンネリ」感がでてました。74巻くらいから段々と新機軸を取り入れているような感じがします。
返信する
賛美歌13番こんばんは。 (15-34)
2008-10-05 00:22:29
賛美歌13番こんばんは。
この作品については、ファンサイトでしょぼい作品の扱いを受けたり、単行本に収録されていますが解説が短いと、余り評価は高くないようです。
個人的には評価しているのですが。

舞台となっているフィジーはオセアニアで唯一クーデターの話題に事欠かない国ですが、背景としてフィジー系とインド系との民族対立があります。
顔つきからしてカセンガドは前者ですので、南太平洋大学「乗っ取り」の際追い出す仲間には自国のインド系も含まれるであろう。
となるとフィジーに不穏の徴候が再び浮上する事となり、近隣諸国の不安の種となる。
それを避けるために殺害を依頼した・・・と深読みしているのですが。

今回の対決は、スナイパーvsガードマンのパーフェクト同士の対決です。
そのホリーズ・ガードのリーダーについては、前歴は傭兵集団の優秀なリーダーだったのでは・・・と想像したくなります。
(追跡者がやられたので、ホリーズ・ガードは専守防衛策をとった。普通ならゴルゴ13が突入してドンパチでしょうが、ペロさんの言われるようにマンネリ防止作戦でしょうか?)

最後の狙撃シーン、パニック状態(当たり前だけど)のパイロットと呑気な管制官のコントラストもまた印象的です。
*日付変更線をまたぐ国はキリバスがあるが、タラワ⇔クリスマス島では舞台背景にはなりにくいだろう。フィジーを舞台にした点を個人的に高く評価している
返信する
15-34さん、コメントありがとうございます。そして... (賛美歌13番)
2008-10-11 15:14:46
15-34さん、コメントありがとうございます。そして、レスが遅くなりまして申し訳ありません。

鋭い分析に感嘆しました。日付変更線にからむ国の政治動向や、登場人物の背景など、深く掘り下げるといろいろな味わいが出てきますね。日付変更あたりの地理を今一度勉強します。
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