■クラウン夫妻の死(第319話) 発表1992年2月
評価 ★★★
依頼人 アメリカ国防省
ターゲット 火山学者 クラウン夫妻
報酬 $1,000,000
今回弾丸発射数 2/ 通算弾丸発射数 1,749
今回殺害人数 2/ 通算殺害人数 3,906
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 95
<ストーリー>
雲仙普賢岳の噴火により火砕流が発生、フランスの火山学者夫妻が命を失った。夫妻の膝には弾丸状の火砕流片が刺さっていた・・・
<この一言>
それをあんたが心配しなくてもいい・・・
<解説>
1991年6月3日、雲仙普賢岳より大規模な火砕流が発生し多くの人命が失われた。犠牲者の中には世界的な火山学者「クラウン夫妻」も含まれていたが、FTVの「伊東」はクラウン夫妻のに死に疑問を抱く。
調査を進めると、火砕流発生の直前にゴルゴが現場から逃げ去っていたこと、クラウン夫妻の膝には火砕流片が弾丸の様に突き刺さっていたことが判明する。
アメリカ国防省は、フィリピンのアメリカ軍基地撤退を表明していた。デタントが進行し、ソ連の脅威が弱まったアメリカにはフィリピン基地を維持する戦略的根拠も、経済的な余裕もなくなっていた。ピナツボ火山の不安定な状態も基地撤退の理由に挙げていたが、ピナツボ火山の調査していたクラウン夫妻が、ピナツボ火山の噴火は一過性と発表すれば、フィリピンの基地存続派を勢いづけるため、国防省はクラウン夫妻の殺害をゴルゴに依頼したのである。
1991年の大火砕流で火山撮影家として名高いフランスの「クラフト夫妻」が亡くなっており、本作の「クラウン夫妻」はクラフト夫妻にかけたものと思われる。本作の見所は、盟友の銃職人「デイブ・マッカートニー」が登場する冒頭シーンだ。ゴルゴはデイブに火砕流の塊から弾丸を作るように依頼するのだが、デイブとゴルゴの”お約束”とも言えるやりとりが面白い。デイブ・マッカートニーは、第7巻-1『AT PIN-HOLE!』、第39巻-1『軌道上狙撃』、第54巻-2『穀物戦争 蟷螂の斧』、第75巻-1『G線上の狙撃』に続き5回目の登場。ラストのコマにゴルゴ13シリーズが連載されている「ビッグ・コミック」の看板が描かれているのも隠れキャラ的な味がある。
ズキューン
<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>
>シナリオが最初にあり、それに合わせてストーリーを作った
なるほど、なるほど。確かに、フィリピン火山のくだりは、強引ですね。鋭い読みです。
>デイブ・マッカートニーはいいキャラですね
デイブ、大好きです。ゴルゴから「あんた」と呼ばれ、ゴルゴを「あんた」呼べるのは、デイブしかいません。
この作品、私の稚拙な考えでは、「(クラフト夫妻にかけた)クラウン夫妻を、デイブ・マッカートニーが作った火砕流弾丸を用いて殺す」というシナリオが最初にあり、それに合わせてストーリーを作った様に思いました。というのも、基地撤退をしやすくするのに、何も学者を殺さなくても他にいくらでも方法はあるはずですし、あまりにも遠回り過ぎ、ストーリーに無理があります。(そんな遠回しな理由で殺されたクラウン夫妻が可哀相過ぎる!)
ところで、デイブ・マッカートニーはいいキャラですね。ゴルゴンとの付き合いが長いのに、お節介をやき過ぎてゴルゴンにたしなめられるのも憎めない
本日の一句「ゴルゴンに、あんたと呼ばれる、デイブ君」