■安全地帯の亡霊(第323話) 発表1992年3月
評価 ★★★
依頼人 ゲオルグ・ギュンター
ターゲット エリッヒ・ラインハルトの頭蓋骨の犬歯
報酬 不明
今回弾丸発射数 1/ 通算弾丸発射数 1,763
今回殺害人数 0/ 通算殺害人数 3,912
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 95
<ストーリー>
ベルリン以外で同一地区が統一分割されていたドイツ「メガラロイガ村」。東西分断の壁が取り壊されることになり・・・
<この一言>
俺への依頼に、修飾はいらない・・・必要な事実が伝わればいい・・・
<もう一言>
掘り出してもらいたくない”過去”と、いうわけか・・・
<解説>
ドイツ「メガラロイガ村」は、ベルリン以外で同一地区が東西分割された村として知られているが、東西ドイツ統合によりメガラロイガ村の壁がとりこわされることになった。
ドイツ連邦議員「エリッヒ・ラインハルト」は、メガラロイガの壁が取り壊されることを知ると、自身の過去が暴かれることを恐れ行動を起こす。旧東ドイツの「ゲオルグ・ギュンター」は、国家保安省「コッホ」の命令でベルリンに潜入しエリッヒ・ラインハルトを殺害、以降ラインハルトに成り代わって連邦議員にまで登り詰める。ベルリン潜入直後より、コッホからギュンターへの連絡は途絶えると、ギュンターは東ドイツのイデオロギーを捨て、ラインハルトとしての人生を歩む。真のラインハルトの死体はメガラロイガ村の壁に埋め込まれていたが、ラインハルトには特殊な虫歯の治療痕があり、壁の取り壊しによりラインハルトの死体が見つかれば、ギュンターが偽ラインハルトであることが発覚してしまう。ギュンターはゴルゴにラインハルトの死体の”歯”の狙撃を依頼する。
壁が取り壊され、ラインハルトの頭蓋骨が顕わになると、ギュンダーは虫歯の治療痕を見つけゴルゴに合図を送る。ゴルゴは頭蓋骨の”犬歯”を狙い撃ち、ギュンダーの依頼を遂行する。
ベルリン以外にも東西分断されていた場所があったとは驚きである。”壁”の崩壊が冷戦の終結を象徴しており、ゴルゴへの依頼も冷戦の後始末に移行しつつある。時代のターニングポイントを暗示している作品だ。
ズキューン
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>ゴルゴヘの依頼も冷戦の後始末に移行しつつある
本作は1992年3月発表ですから、ゴルゴンも“後始末”に駆り出されていた時期かも知れません。2007年秋発表の作品は、某総理の“タイミングをはずした辞任劇”の裏を描いた作品かも知れませんね(笑)本日の一句「死して尚、真実語る、治療跡」
>某総理の“タイミングをはずした辞任劇”の裏を描いた作品
読みたいですね。しかし、政治の世界は摩訶不思議。ゴルゴ好きの麻生氏で決まりかと思いきや、一夜にして福田氏優勢の展開に。オセロゲームばりの逆転劇に驚かされます。しかし、所詮は国の針路が明示されず、永田町村の利権を巡る暗闘の結果なのでしょう。ケネディのように民意を代弁する政治家(いろいろスキャンダルもあったようですが・・・)、ゴルゴのように自己の信条の忠実に生きる政治家、が現れることに期待しましょう。