■G線上の狙撃(第257話) 発表1986年5月
評価 ★★★★★
依頼人 バイオリン奏者トーマス・シンプソン
ターゲット セルゲイ・ケルンスキーが演奏中のバイオリンの弦
報酬 不明
今回弾丸発射数 1/ 通算弾丸発射数 1,463
今回殺害人数 0/ 通算殺害人数 1,599
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 88
<ストーリー>
演奏中にバイオリンの弦が切れ立ち往生してしまった世界的バイオリン奏者「トーマス・シンプソン」。ソリストの座を降ろされたトーマスは、後任ソリストの演奏中の弦を・・・
<この一言>
ゆっくりだ・・・
<もう一言>
それだけだ・・・
<解説>
世界的バイオリニスト「トーマス・シンプソン」は、『G線上のアリア』を演奏中に「G線」が切れたため立ち往生してしまい、観客にブーイングを浴びせられる。これがトラウマとなり、人前で演奏することができなくなってしまったシンプソンは、フィラデルフィア管弦楽団との共演を降ろされてしまう。後任のソリストはロシアの巨匠「セルゲイ・ケルンスキー」に決定するが、シンプソンは屈辱に耐えきれずゴルゴに接触を図る。
サウナの13号室で密会をするゴルゴとシンプソン。シンプソンの依頼内容は、ケルンスキーの演奏中に「G線」を狙撃してほしいというものであった。
ゴルゴはホテルのロビーで「ケルンスキー」の演奏ビデオを見る。一心不乱に繰り返し「ケルンスキー」の映像を見るゴルゴに他の宿泊客が引いているのが可笑しい。その後、ゴルゴは盟友「デイブ・マッカートニー」を訪ね、M16のカスタマイズを依頼する。ゴルゴに無理難題を押しつけられることの多いデイブだが、今回のゴルゴの依頼は軽微なものであり、拍子抜けしているデイブが面白い。なお、デイブは『AT PIN-HOLE!』(第7巻-1)、『軌道上狙撃』(第39巻-1)、第54巻-2『穀物戦争 蟷螂の斧』に続き4回目の登場。
ゴルゴはコンサートホールの映写室に忍び込み、ケルンスキーの演奏中にG線の狙撃に成功する。しかし、ケルンスキーはD線を緩めて演奏を続け、シンプソンとの格の違いを見せつける。仕事を終え淡々とホールを去るゴルゴと、打ちのめされるシンプソンの対比が絶妙だ。
短編ながら非常によく練られた作品。各登場人物の心情が巧みに描写されており、人間ドラマとしても秀逸だ。『G線上のアリア』をはじめゴルゴにからめたギミックが散りばめられており、極めて完成度の高い作品と言えよう。
余談だが、パチスロ『ゴルゴ13 THE PROFESSIONAL』で本作が演出に取り入れられている。「ケルンスキー」が登場するとボーナスの可能性濃厚で、滅多に見ることのできないレア演出のため、スロッターを魅了している・・・
ズキューン
ゴルゴ13 (75) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★