■軌道上狙撃(第138話) 発表1978年9月
評価 ★★★★★
依頼人 アメリカ大統領
ターゲット 人工衛星”ダモクレスII”
報酬 $1,000,000
今回弾丸発射数 2/ 通算弾丸発射数 911
今回殺害人数 1/ 通算殺害人数 811
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 70
<ストーリー>
アメリカの軍事衛星”ダモクレスII”が事故で制御不能に。大統領直々の依頼は宇宙空間でのダモクレスIIの狙撃だった・・・
<この一言>
課題を遂行するには命令系統は単純なほうがいい・・・おれが引き受けるとすればおれに命令する者はいらないし、おれの命令を聞けない者いらない・・・
<もう一言>
今、必要なのは試作品じゃない。正確、確実に作動する道具だ・・・
<解説>
ゴルゴ、宇宙へ!ゴルゴ史上最も壮大な作品と言っても過言ではない本作は、宇宙空間での狙撃・宇宙漂流の危機・宇宙からの帰還とスリリングなストーリー展開で読み手を魅了する。アメリカ大統領、CIA長官(フーバーか?今までと顔つきが違うような・・・)、デイブ・マッカートニー( 第7巻-1『AT PIN-HOLE!』 参照)と登場人物も豪華だ。
アメリカ軍事衛星”ダモクレスII”が事故で制御不能に陥る。軍事衛星の存在が白日のもとに晒されるのをさけるため、大統領はダモクレスIIの破壊工作を決断する。宇宙空間での”ダモクレスII”狙撃というゴルゴ以外に遂行は不可能と思われるこのミッションを、大統領直々に依頼する。ゴルゴは、世界屈指の銃職人”デイブ・マッカートニー”を巻き込み、宇宙空間で発射可能な無反動M16を完成させる。しかし、人種差別主義者”ファーガソン准将”は「有色人種を宇宙に行かせるべきではない」として陰謀を企てていた。
宇宙遊泳をしながら”ダモクレスII”を狙撃、宇宙カプセルに戻ろうとしたゴルゴだが、船外活動装置が故障し宇宙空間を漂流する事態に陥る。ファーガソンが船外活動装置に手を加え、故障するように細工をしていたのであるが、ゴルゴは機転を効かし、酸素ボンベを推進器がわりにすることで、宇宙カプセルにたどり着く。宇宙カプセル内で喘ぐゴルゴの表情に、事態の深刻さが伺える。
無事に宇宙カプセルは地球に帰還するが、カプセルにはゴルゴの姿はない。ファーガソンは自らの陰謀が功を奏し、ゴルゴを宇宙空間で抹殺できたとぬか喜びするが、ゴルゴの姿を捕らえ自身の死期を悟る。
宇宙空間での緊迫した展開、ゴルゴの名セリフの数々、デイブの献身的な協力、狂信的なファーガソン、新聞記者ショプレイのサイドストーリー等々本作の魅力は枚挙に遑がない。荒唐無稽さがまったく不自然ではない本作は、綺羅星の如く輝く名作である。
ズキューン
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今のところ、私の中で、一番好きな話です。
・大統領を含めて全員が本音をぶつけ合った(イエローは嫌だまで含めて)
・ディブの職人気質に名前のない技術スタッフが、へろへろになるまで付き合って銃を作った(確か、ディブにスタミナがないのが欠点だな、といわれていた)
・狙撃で人が死なないで、大量破壊兵器が破壊される
そんなところが気に入っています。
あの時の技術スタッフの誰かがディブに弟子入りして独立して、ゴルゴが銃のカスタマイズ等を頼みに行くなんていうのも見たいですね。
ゴルゴ「ディブの紹介で来たのだが」
職人「今度は月で使うM16ですか?」
ゴルゴ「・・・」
なんて感じで
それではまた(^O^)/~
私もこの話大好きで、★五つの評価です。宇宙空間へというのが、あまりにも突飛すぎるとの批判もあるでしょうが、ゴルゴの能力を考えれば全く問題ありません。デイブを登場させたりするあたりも、憎い演出です。
幼い頃この話を読んで、
宇宙空間で動けなくなったら、
酸素を使おうと思ったのを覚えています。
コメントありがとうございます。
>幼い頃この話を読んで・・・
私がこの話を読んで感じたのは、宇宙空間に投げ出されたら恐いな~という怖れでした。暗闇に一人放り出されたら絶望しかありません。
あ!ゴルゴは、地上でも同じ思いで生きているのかも・・・
と説教しても遅すぎますが、日本人が何人も宇宙に行き、更には国際宇宙ステーションの司令官をも務める事になった現在の状況を見たら、彼はどんな心境になったでしょうね。
>広い宇宙、何人種が行こうとそれで問題が生じる筈がないでしょうファーガソン准将。もっと寛大に振舞うべきですよ。
同意です(笑)でもアメリカって人種差別が根強く残っているんでしょうね。アイスホッケーを含むスケートに黒人選手があまり見られないのは、差別があるからと読んだことがあります・・・
平和のパチンコ「CRゴルゴ13」には4つの対戦 モードから1つを選ぶスーパーリーチがあって、その1つがこの『軌道上狙撃』です。ゴルゴが光線砲で攻撃してくる人工衛星(何故かソユーズ型)を見事スナイプしたら大当たり確定なんです!
普段はあまり期待出来ないのですが、台に設置してしてあるゴルゴのフィギュアが起動してスナイプ状態になると、激熱となりますね!!(笑)
パチスロは昔はよくしました。ゴルゴ関連ですと、ATのついたゴルゴをやり込みました。
が、パチンコはやったことがありません。コメントを頂いたパチンコ、気になりますね。軌道上狙撃を用いているところや、ゴルゴ・フィギアがあるところ・・・パチンコメーカーもゴルゴファンを引きずり込もうと躍起になってますね(笑)
最近だとゴルゴはよく宇宙へ行ってるようですね。
「一射一生」しかり、H-3ロケットしかり。後者なぞ逆噴射を手計算でやる始末。
近々、国際宇宙ステーションでの仕事でも入るんじゃないでしょうか?w
お留守番をしているマリヨ神父です
本誌518話「流星雨の彼方」(単行本・別冊ビック未収録)では、米国の要請により、日本のH2-Aにゴルゴを乗せて、ゴルゴ三度目の宇宙空間での仕事に当たらせますが、ロケット内の複雑な重量計算とか、生命維持装置の設置その他によるバランスの変更計算などは、どうやって克服したのか気になるところです!?
脚本担当は、乗り物オタクの綾羅木恭一郎だったかな!?