■海へ向かうエバ(第83話) 発表1974年2月
評価 ★★★★★
依頼人 不明
ターゲット エバ・クルーグマン
報酬 不明
今回弾丸発射数 1/ 通算弾丸発射数 563
今回殺害人数 1/ 通算殺害人数 439
今回まぐわい回数 2/ 通算まぐわい回数 49
<ストーリー>
かつてゴルゴと肌を合わせたことのある女殺し屋「エバ・クルーグマン」。再び彼女の前に姿を現したゴルゴだが・・・
<この一言>
じゃあな・・・エバ・・・
<もう一言>
いや・・・偶然じゃあない!
<解説>
ゴルゴ史上最も叙情性に富んだ作品。殺し屋という職業を選んだ男女の出会いと永遠の別れを描いた本作は、エバの思慕とゴルゴから滲み出る感情が交錯する、哀しいラブストーリーとなっている。
同じ船上に居合わせたゴルゴとエバ。船に爆弾が仕掛けられたとのアナウンスに船内はパニック状態となる。ゴルゴとエバのみが事態を静観、ゴルゴが爆弾を処理した後、「同じにおい」を持つもの同士、体を重ね合う。お互い名を聞くこともなく別れたが、3年半後にニースで再会、再び肌を合わせる。「偶然また再会できてうれしかった」というエバに、「いや・・・偶然じゃあない!」と応えるゴルゴ。別れ際に「じゃあな・・・エバ・・・」と告げるゴルゴに、すべてを悟ったエバ。「わたしの・・・名前を・・・」「さようなら・・・わたしの・・・男・・・」というたった2つの短いセリフがエバの心情を吐露している。エバは仕事をキャンセル、武器を捨て、子どもたちと戯れる。子どものころに立ち返り、人生をやり直したいと考えたのだろうか?それとも、殺し屋稼業を辞め、一人の女に戻った束の間の開放感を味わったのだろうか。あるいは、一人の女としてゴルゴの子どもを授かりたかったのだろうか?幸せそうなエバの表情を見るにつれ、やるせない気持ちになる。ゴルゴに撃たれ、モーターボートの動力のままに海に向かうエバの安らかな表情が救いをもたらしてくれる。
一方のゴルゴはどうだろう?依頼人からエバの写真を見せられたとき、明らかに狼狽した表情を見せている。ゴルゴもエバに対し何らかの感情を隠し持っていたに違いない。エバの元を去るときの「じゃあな・・・エバ・・・」というセリフ、ゴルゴはいかなる表情で告げたのか。背を向けて立ち去る姿に、殺人マシーンではない一人の男としてのゴルゴを感じる。最後のシーンで、スコープ越しにエバのボートが水平線に消え去るのを見届けるゴルゴ。ゴルゴの思いすべてが凝縮されている象徴的なシーンだ。
ズキューン
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