ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第106巻-2直線と曲線の荒野

2007-11-11 23:49:06 | 第106巻~第110巻

■直線と曲線の荒野(第356話) 発表1993年7月

評価   ★★★★

依頼人  ①アメリカ石油会社社長 E・マクレガー ②ロシア共和国政府ピルゼンスキー書記官

ターゲット ①マクレガーの友人 ②アルバトフ少将/「AK-98」の製造図面と製造施設

報酬    ①$500,000 ②$500,000

今回弾丸発射数       7/ 通算弾丸発射数 1,989

今回殺害人数         4/ 通算殺害人数   4,118

今回まぐわい回数     1/  通算まぐわい回数   100

<ストーリー>
旧ソ連の国営兵器開発局が半民間企業として躍進、政治経済に影響を及ぼすようになった。イニシアチブを取り戻すべく、ロシアの若手官僚が選んだ手段とは・・・

<この一言>
”できれば”というあいまいな依頼は受けない。

<解説>
旧ソ連の「ユジノ兵器開発局」が半民間企業として勢力を拡大、政治経済に影響を及ぼすようになってきた。ユジノ社のマネージャーに就いたアルバトフ少将は、デッドストック兵器を横流しして利益を得つつ、風の影響を全く受けない新型ライフル弾「AK-93」を開発して更なる利益を独占しようと目論んでいた。

エリツィン大統領以下、ロシア共和国首脳陣はアルバトフの暗躍に手をこまねいていたが、若手秘書官「ピルゼンスキー」は事態の打開を図るべく、AK-93の設計図・製造施設の破壊とアルバトフの殺害をゴルゴに託す。

ゴルゴはユジノ社の敷地に潜入、元スペツナズ隊員アンドレイと対峙する。アンドレイはアルバトフの開発した「AK-93」を用いて直線弾道でゴルゴを狙う。一方のゴルゴは横風を計算に入れ通常弾を放ち、バナナシュートの要領でアンドレイを射抜く。アルバトフの弾丸はゴルゴをかすめるが被弾させるには至らず、ほんの僅かな差異が生死を分ける。ゴルゴはもう一発横風に乗せた弾丸を放ち、アルバトフを仕留める。

最終項でピルゼンスキーにゴルゴの存在を教えたアメリカ石油会社社長「マクレガー」が射殺されている。ピルゼンスキーにゴルゴの存在を明かしたことをゴルゴが許さなかったのか、あるいは、ピルゼンスキーがマクレガー殺害を依頼したのか、真相は記されていない。しかし、”Gカード”は諸刃の剣であることが象徴されている意味深長なエンディングだ。このマクレガーのゴルゴ観は、ゴルゴの本質に迫っており、アンドレイとゴルゴの対決の伏線となっているところが、本作の構成上のポイントになっている。
『なぜゴルゴは闘い続けるのか』『ゴルゴの存在とは何か』という疑問に対するマクレガー回答を引用して本稿の筆を置く。
・この世界で、常に”誰か”が”G”を必要とし続けている
・(闘い続ける理由は)”G”という男の性格、信条にある
・複数の射撃のプロと正面から撃ち合う事もあるファイター型のテロリスト
・自分の命を賭けて、五分五分の運試しをしている
・一種のナルシストか、ニヒリスト・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (106)巻掲載
ゴルゴ13 (146)巻(最新刊)
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