なんとかは ならずもなれば 肝すえて 算盤超える 曼珠沙華
【円高対策の高度化】
円高の隠れた抗争?があることを知る。
「尖閣諸島での海保と中国漁船との衝
突事件を機に、日本と中国が敵対関係
になっているが、今、日中が敵対して
いるのは、尖閣の問題だけではない。
為替の問題でも、中国側が、日本国債
など円建て資産をさかんに購入し、円
高の一因を作っている。中国側は、今
年に入って総額二百億ドル(1兆7千
億円)分の円建て資産を買った。これ
は、過去5年間に中国が買った円建て
資産の合計の約5倍にあたる」(田中
宇『日中対立の再燃』)。ところが、
国債取引が非対称性にあり中国国債は
購入できないという不公正があるとい
う。
この背景には、各国の通貨操作の過度
な国益優先があり、<輸出依存> が 誤
った市場至上主義の幻想に取り憑かれ
ている様だが、その裏に <自国通貨の
減価操作> という不義密通がまかり通
り、<通貨供給規律>を不問に伏す国益
至上主義がある。為替をはじめとする
開示的な金融取引の対称性を保障する
<正義>を模索することが肝要だ。
そうしながら<適正な輸出>について関
係各国間で個別調整するのが筋だ。『
遠野の雨乞いと円高』でも前載したよ
うに、円高をチャンスとして国力向上
・内需転換の複合的プログラムを執行
していくというのが正答だ。つまりは
<飢餓輸出政策>の後進国性からの脱却
を不言実行、率先垂範する。そして、
成果を治め「きみたちの考えは遅れて
いるよ」と♪『幸せな手を叩こう』風
に態度で示そう。
【近江商人発祥の地をゆく】
滋賀県東近江市五個荘町は、琵琶湖の
東部、近江盆地湖東平野の中央に位置
し、北は和田山、西に繖山、南に箕作
山、東に愛知川と三方が山、一方が川
に囲まれた、「安住の地」として早く
から開かれた地である。この4キロメ
ートル四方、面積16.28平方キロメー
トルという小さな町から、江戸時代て
んびん棒一本で全国に行商に出向き、
大きな財をなし、故郷に錦を飾った近
江商人の一派、五個荘商人が発生した。
五個荘商人は成功し大商人となっても、
田を耕し農業を捨てずに、先祖を大切
に自給自足を基本に、質素倹約を旨と
して故郷の発展に尽くし、商売のみで
なく文化面でも独自の文化を育み、町
内の各地には商家の旧い町並みが多く
残されている。
そこで町では先人「五個荘商人」の進
取の気性や三方よしの精神、合理的な
ものの見方や考え方、伝統文化などを
学び、新しい淡海文化の創造と「歴史
と文化のまち てんびんの里」ふるさ
とづくりを推進するものであるという。
朝から車を走らせ、きぬがさ山トンネ
ルを抜け五個荘に向かい「観光センタ
ー」で駐車。ジリジリとした太陽が照
りつける中、聚心庵(家訓「三方よし
」の塚本定右衛門家)の塚本屋敷に向
う。
ところで、塚本定右衛門は諸国を歩く
行商の旅を続け、当時の元手はわずか
に五両で諸国を歩き、商売に最適の土
地を見つける。江戸に近く、地方との
交通の要所でもあった現在の山梨県甲
府だ。行商の際の定宿の土蔵を借りて
商店を開業、屋号を「紅屋」としまし
という。時に1812年、江戸へ向けて紅
を売ったこの店こそが、現在の株式会
社ツカモトコーポレーションの前身。
二代目定右衛門となる長男定次と次男
正之のふたりの代に東京に本店を出し、
本業の発展に貢献する傍ら、幕末から
明治へかけての知識リーダーである福
沢諭吉や勝海舟との交流も深める。聚
心庵には諭吉や海舟と交わした手紙や
贈られた屏風などが今も大切に保管さ
れている。次男の正之(後に初代粂右
衛門)は、明治8年に東京の店から故
郷の川並へ帰ると、その後数々の地域
事業に着手し、今日のツカモトの企業
としての意思が反映したという。
砂防林造成、道路、教育、医療などさ
まざまな社会基盤の整備に発想を駆使
し、私財を投じた正之は、日本人はも
っと公共心をもつべきと言い残してい
る。二代目定右衛門、そして正之とも
に、自らの商いだけではなく、広く社
会全般に目を配り、本当に必要な事業
は何かという視点を大切にしていたと
いう。
たとえ他国へ行商に出かけても、
自分の持ち下った衣装等をその国
のすべての顧客が気持ちよく着用
できる様にこころがけ、自分のこ
とよりも先づお客のためを思って
計らい、一挙に高利を望まず、何
事も天道の恵み次第であると謙虚
に身を処し、ひたすら持ち下り先
の地方の人々のことを大切に思っ
て商売をしなければならない。そ
うすれば、天道にかない、身心と
も健康に暮らすことが出来る。自
分のこころに悪心の生じないよう
に神仏への信心を忘れないこと。
持ち下り行商に出かけるときは、
以上のような心がけが一番大事な
ことである。
『宗次郎幼主書置』
商業は「商機を掴むこと」が第一だが、
そのシャドウ・ワーク(=プロセス)
の重みは無視できない。家訓や精神を
みるにつけ、そこに到達する達人の域
が垣間見られる。現在に通じるものが
あるとしたら、やはり“up-and-coming”
(何事も精進次第)ということになろ
うか。
【 Intermission 】
最近、車で下調べのため遠出すること
が多くなりカーステレオで流す曲はラ
ンダム・シャフトしているのでジャン
ルは非限定なのだが、たまたま北島三
郎の『北の漁場』が流れた。なぜか心
地よく聞こえ、オレも歳かなと思って
みたがよく分からない。これは「海洋
立国」であるはずの日本のマスコミや
知識人のコメントの深層崩壊的状態の
作用深層とし血が騒ぐのかも知れない。
「全ての戦争は、集団的で組織的で意
図的な煽動により起こる」。これは肝
に据えておかなければならない。日本
領の免税特区化という手もあるが。
【木工自動機械】
物理的な木工加工盤を使い、全ての日
用雑貨品や家具調度品を木製品化にす
るビジネスモデルの考察を『瀬戸際の
ドルと木地師』でも前載したが、これ
は簡単に実現しそうだという確信に至
った。これは蛸足的な、つまりは、セ
ラミックス(瀬戸物類)業界と重複す
るので(後でも触れるが塗料としてセ
ラミックスを使用する)、GDPの伸張
度に寄与しないが二酸化炭素排出量逓
減に寄与するだろう。
そう、漆塗りのように“ネオコン”の
応用で、木工製品の表面光沢質感を変
えることも浸透性、湿潤性などの機能
性も変化させることも可能だし、特殊
な含浸材で強度アップさせることもで
きるし、加工前の処理で含水率を変え
ることで強度補強もできる。芳香材等
を含浸すれば匂いや殺菌、害虫忌避な
ども可能だ。それより、こんなことを
掲載したこの時点から、新石器時代か
ら新弥生式時代への遷移を促進するキ
ラー・ビジネスモデルを提案している
わけだから早い者勝ちの“商機”を提
案しているわけだ。因みに、全球的総
生産額を約4千兆円として、建築資材
を抜いた生産額を仮に3%とすれば、
百二拾兆円がビジネス対象になる。
道の辺の いちしの花のいちしろく 人皆知りぬ我が恋妻は
柿本人麻呂
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