極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

最新核融合発電開発

2019年06月17日 | 政策論

   

                                                    ;                                                                             
5.公冶長  こうやちょう 
ことば

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全28章のほとんどすべてが人物批評である。
人に禦る(あたる)に口給をもってすれば、しばしば人に憎まる」(5)
「道行なわれず、俘(いかだ)に乗りて海に浮かばん」(7)
「回や一を聞きてもって十を知る。賜や一を聞きてもって二を知る」(9)
「われいまだその過ちを見て、内にみずから訟むる者を見ず」(27)
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11 「剛健といえる男はめったにいない」と孔子が言うのをきいて、ある男がたずねた。
申棖(しんとう)はどうです?」
「あれは欲にかられているだけだ。剛健といえるものか」  

〈申棖〉孔子の弟子といわれるが、伝不詳。 

 子曰、吾未見剛者、或對曰、申棖、子曰、棖也慾、焉得剛。

Confucius said,
"I have not seen a truly strong man yet."
Someone asked, "What about Shen Cheng?"
Confucius replied, "He is greedy. How can we call him a truly strong man?"



【ポストエネルギー革命序論 Ⅷ】
 
June 11, 2019

 垂直型農場事業篇
Ocado1700
万ポンド投資

Ocado社は、「垂直型」農場の開発に1700万ポンドを投資したことを公表。それによると、Waitrose社からオンラ
インで購入した食品を配給する同社は、流通センターの隣でハーブと緑豊かな野菜栽培を計画。
屋内農業の2つ
に投資、1
つは、米国の垂直型農業事業である80エーカーと、気候制御技術提供するオランダの会社のPriva社と
合弁事業。また、
スカンソープのジョーンズフード社の株式を買収している。担当責任者によると、農場で栽
培された野菜を摘み取ってから1時間以内に家庭の台所に届けるとのこと。今日の垂直型農業投資により、鮮度
と持続可能性な消費に対処し、顧客が生鮮食品の購入にい革命的な技術構築となると話す。両者のの販売契約は、
2020年9月には完了する。その後、顧客への納品の開始とともに、自社ブランドの製品や有名ブランド商品供給
を開始。垂直型農業は、管理された環境の中で栽培し、室内で食料生産がを実現する。



また、エネルギーと水の節約し屋内農場から顧客に届けられる。欧州最大の垂直農場のJones Food社は、12,000
km(12.5 km)のLEDライトに照らされた16,000フィート(5,000 m)以上の屋内栽培面積を誇り、年間を通じて
作物を生産し、毎年400トン以上の食料栽培を実現。オカドとの三社合弁事業は世界人口が増加し、持続可能性
に焦点を当て、植物や食料作物の室内栽培の最善方法を研究することで、最適環境の開発を実現できると話す。






 核融合発電技術:プラズマの電子温度6400万度達成

6月10日、核融合科学研究所は、融合条件の1つであるイオン温度で1億2000万度を維持したまま、電子温度
を従来
の1.5倍となる6400万度に上昇させたプラズマの生成に成功したことを公表。それによると、核融合発
電は現行の原子力発電に比べて安全で、燃料が無尽蔵に近い。実用化すれば原子力発電を置き換え、化石燃料が
いらなくなるとの期待がある“夢のエネルギー”。核融合発電を実現するには、1億度以上に達する超高温の
プラズマを強力な磁場で閉じ込めて維持する必要がある。プラズマは、分子が電離してイオンと電子に分かれて
運動している状態。核融合科学研究所はかねて、イオン温度は1億度超を達成していたものの、電子温度は4200
万度と低い値にとどまっていた>重水素プラズマで閉じ込め性能を高める。

 

核融合科学研究所がイオン温度を維持したまま電子温度を高められたのは、重水素プラズマを使い電子の加熱方
法に工
夫したことが大きい。重水素ガスでプラズマを生成すると、通常の軽水素を使うのに比べて、プラズマの
閉じ込め性能を高められることが分かっている。その物理機構は解明さ
れていないが、閉じ込め性能が高いと熱
が逃げにくくなる。加熱方法の工夫では、マイクロ波を
発生させる発振管とプラズマとの間の伝送路を調整した。
マイクロ波の入射時期などを変化させる
ことができて、電子温度を高めることに成功した。

ただし、商用(実用)段階に至るにはいくつものハードルがまちうけている。


【男子厨房に入る:レンジアップ時代の料理Ⅰ】



電子レンジの普及により、手軽に生ものを加工した食品(お総菜)を加熱でき、わたしが腕を振るうことも少な
くなるだろう。めざましいものがあるが、ここにきて、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート等の結晶性樹脂
発泡シートの発泡容器の実用性が背景───専用加熱容器なしで、しかもリサイクル可能(もっとも、価格的な
詳細評価不詳)───がある。上図の実用新案は積水化成品工業株式会社の「結晶性樹脂発泡容器」(実願2019
-1018)。それによると、 結晶性樹脂発泡層を有する発泡シートの成形体であり、上端に開口部3を有する容器
本体2を有し、前記容器本体2は、底壁10と、前記底壁10の周縁から立ち上がる側壁20と、前記側壁20
の上端から外方へ張り出し前記開口部3を周回するすフランジ部30とを有し、前記フランジ部30は、前記フ
ランジ部30の外縁を形成し前記開口部3を周回する張出部50を有し、前記張出部50の結晶化度は、前記側
壁20の結晶化度よりも高くすることで、結晶性樹脂発泡容器を加熱後でもより取り扱いやすくしている。


【実用新案登録請求の範囲】

【請求項1】結晶性樹脂発泡層を有する発泡シートの成形体であり、上端に開口部を有する容器本体を有し、前
記容器本体は、底壁と、前記底壁の周縁から立ち上がる側壁と、前記側壁の上端から外方へ張り出し前記開口部
を周回するすフランジ部とを有し、前記フランジ部は、前記フランジ部の外縁を形成し前記開口部を周回する張
出部とを有し、前記張出部の結晶化度は、前記側壁の結晶化度よりも高い、結晶性樹脂発泡容器
【請求項2】前記張出部の結晶化度は、前記側壁の結晶化度の1.1〜1.3倍である、請求項1に記載の結晶
性樹脂発泡容器

【請求項3】前記フランジ部は、前記側壁の上端から外方に張り出す水平部を有し、前記張出部は、前記水平部
の外方に位置し、前記水平部の結晶化度は、前記側壁の結晶化度と同等以上である、請求項1又は2に記載の
晶性樹脂発泡容器

【請求項4】前記張出部の結晶化度は、前記水平部の結晶化度よりも高い、請求項3に記載の結晶性樹脂発泡容

【請求項5】前記張出部の厚みは、前記側壁の厚みよりも薄い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の結晶性樹
脂発泡容器

【請求項6】前記発泡シートは、前記結晶性樹脂発泡層と、前記結晶性樹脂発泡層の少なくとも一方の面に設け
られた第一の非発泡層とを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の結晶性樹脂発泡容器
【請求項7】前記第一の非発泡層の表面に形成された印刷部と、前記印刷部を覆う第二の非発泡層とを有する、
請求項6に記載の結晶性樹脂発泡容器
【請求項8】前記第一の非発泡層は、結晶性樹脂を含む、請求項6又は7に記載の結晶性樹脂発泡容器
【請求項9】食品包装容器である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の結晶性樹脂発泡容器
【請求項10】冷蔵食品用又は冷凍食品用の容器である、請求項9に記載の結晶性樹脂発泡容器

ここで最大の課題は、この容器のリサイクル・リユース技術の高度化である。


  

 超簡単!やみつきバズレシピ!

料理研究家リュウジは様々な時短レシピや簡単で美味しいレシピを発表して話題となっている。ツイッターフォ
ロワー数は43万人を超える人気とか。そんな彼は、時短レシピは手抜きじゃないかという疑問に、日本の台所
はブラックなところであっていいはずはない、手間暇をかけることは料理のスパイスであれ、絶対に必須の台所
に立つ人への足枷ではないと答えている。しかし、家庭料理はスピードが第一義とされてきたし、スピードの犠
牲となる想定される、安全性・衛生栄養性・外観性(視覚)・費用性・嗜好性(食感・味覚・臭覚)とのバラン
スであると。理屈を捏ねるとそういうことになるが、過去「世界一美味しい煮卵の作り方」を片手に実践してみ
た経験から「料理時間」が第一であり、提供する彼女の感想が第二となるとし、上の三冊を取り寄せ実践するこ
とに。



読書日誌:カズオ・イシグロ著『忘れられた巨人』
No.44

      

第3部 ガウェインの追憶-そのI
第11章 

「旅の人。あなたは若くないようですが、まだ力はお持ちでしょう。やつらを脅して.怖い顔で追い払って」
「さあ、ご婦人。ちゃんとすわり直せますか」こう言ったのは、女の不自 然な姿勢が気になったからだ。
女の結われていない灰色の髪がばらばらに 垂れ下がり、湿った海底の板をこすっていた。
「ほら、手伝います。体を起 こしましょう」  

アクセルが前かがみになって女に触れたとき、その手に配られていた錆 びたナイフが舟底に落ちた。その瞬間
何か小さな生き物が女の檻襖切れ のような服から走り出て、影の中に隠れるのが見えた。
 
「鼠に悩まされていたんですか、ご婦人」  
「あそこにいるんです、旅の人。怖い顔で耐してやって。お願い」

この女はわたしの足元を見ていたのではないのか、とアクセルは思った。もっと後ろ、舟の後方にある何かを見
ていたのだろう。アクセルは振り返った。だが、まだ低い位置にある太陽に目がくらみ、そこにうごめくものが
何かを見分けることはできなかった。

「あれは鼠ですか、ご婦人」
「あなたを怖がっています、旅の人。わたしのこともしばらくは怖がりましたが、少しずつわたしを弱らせて
……そういうやつらです。来てくださらなかったら、いまごろ全身を醍われていました」
「少し待っていてください、ご婦人」

アクセルは低い太陽を手でさえぎりながら、櫨に向かって歩き、影の中に積み重なっているものを見た。絡み合
った漁網とびしょ濡れの毛布があり、その上に鍬のような長柄の道具が置かれていた。蓋のない木箱もあって、
これは捕獲した魚をできるだけ長く新鮮に保つために漁師が使うものだろう。だが、アクセルが中をのぞき込む
と、そこには魚ではなく、皮を剥がれた兎がいた。小さな手足が絡まり合って見えるほどに、かなりの数がひし
めき合っていた。アクセルがそうやって見ている間にも、その大量の腱と肘と足首の集まりがもぞもぞと動きは
じめ、目が一つ、また1つと開いてアクセルは思わず後ずさりした,なにやら物音がした。振り返ると、まだオ
レンジ色の光に照らされているあたりで、老婆が触先にぐったりと寄りかかり、その体に数えきれないほど多く
の小妖精が群がっているのが見えた。一見、老婆は満ち足りた顔をしていた。小さな痩せこけた生き物が老婆の
檻殯布のような服に入り込み、顔に乗り、肩に乗り、いわば、そのすべてから愛情を寄せられて、老婆は愛情過
多で窒息しそうになっていた。小妖精はあとからあとから川から出てきた。舟端を乗り越えて、次から次へ入っ
てきた。

アクセルは目の前にある長柄の道具に手を伸ばした。だが、なにやら平和な感覚に包まれつつあって、絡んだ漁
網から長柄を引き抜く動作が、われながらなんとのんびりしていることか、と思った。生き物が水中からどんど
ん上がってきている。それはわかっている。いったいこれまでに何匹上がってきたのか。三十匹か。六十匹か。
その唱和する声は、遠くで遊ぶ子供たちの声のようだ。長柄の道具をどうする。振り上げろ、とアクセルに残る
意識が言った。長柄の先端が空に向かって上がっていく。これは鍬だろう。なぜなら、あの先端についているも
のは錆びた刃ではないのか。それとも生き物が一匹しがみついているのか。舟端を乗り越えようとしている小さ
な手や膝が見える。振り下ろせ、とアクセルに残る意識が言った。轟音とともに振り下ろせ。よし、もう一振り
だ。今度は、皮を剥がれた兎の入っている箱をやれ。あの箱からも小妖精がどんどん出てくるぞ。

だが、剣士としてのわたしは高が知れているな、とアクセルは思った,わたしの技は剣ではなく交渉に───必
要なら謀(はかりごと)に───ある。そして、その技によってわが身に勝ち得た信頼を、わたしは裏切ったこ
とはない。逆だ。裏切られたのはわたしのほうだ。ま、剣にも多少の心得はあるさ,あちらへ、こちらへ、アク
セルは長柄の道具を振り下ろした。なぜなら……なぜ?そうだ。この湧き出る生き物からベアトリスを守るた
めではなかったのか。こいつらはどんどん来る。箱からも来るし、川の浅瀬からも来る。この瞬間、龍で眠って
いるベアトリスの周りにも集まりつつあるのではないか。いまの一撃はかなり効いたぞ。生き物が数匹、ひっく
り返って水中に落ちた。もう.一撃。今度は二匹、いや三匹が空中にすっ飛んだ,あの老婆など、ベアトリスの
前では所詮他人だ。わたしがなんら責任を負うべき存在ではない。だが、そこにいる、見知らぬ老婆がそこに。
うごめく生き物の下になって、いまやほとんど見えもしない。アクセルは鍬を振り上げたまま舟の反対側まで歩
いた。

空中に何度も弧を描き、見知らぬ老婆を傷つけずにできるだけ多くを引き剥がそうとした。だが、連中のなんと
しつこくかじりついていることか。おや、今度はしゃべりかけてくるぞ。いや、しやべっているのはドに埋まる
老婆なのか。

「女は任せなさい、旅の人。女はわれらに任せよ。女は任せよ、旅の人」

アクセルはまた鍬を振り下ろした。空気が水のように抵抗した。それでも鍬は目標に当たって、何匹もの生き物
を飛び散らせた。だが、新しいやつらがどんどん湧いてくる。

「女はわれらに任せよ、旅の入」老婆がもう一度言い、アクセルははっと気づいて、底なしの恐怖に身を震わせ
た。この話し手の言う女とは、目の前で死にかけている見知らぬ老婆のことではない。ベアトリスのことだ。

慌てて、葦に捕らわれているベアトリスの籠を振り向くと、籠の周囲の水が手足や肩で沸き立っているのが見え
た。アクセル自身の籠も、よじ登ろうとする生き物に引っ張られて転覆寸前だが、すでに入り込んだ連中が安定
用の重しとなって転覆を免れている。連中の目的はわたしの涵ではない、と思った。わたしの寵は隣へ移るため
の飛び石だ………ベアトリスの体を.覆う動物の毛皮に、すでに生き物が集まってきているのが見える。アクセ
ルは一声叫び、舟瑞を乗り越えて水中に飛び込んだ。水は予想したより深く、腰の高さまであった。だが、驚い
て息を呑んだのは一瞬だけだ。

遠い過去の記憶から呼び戻された戦士の雄叫びをあげ、アクセルは鍬を高く掲げて箭を目指して水中を突き進ん
だ。衣服を引っ張るものがあり、水は蜂蜜のように濃かった。だが、鍬を自分の龍に振り下ろしたとき、それは
いらいらする遅さで空気中を落ドしたものの、いざ罷を打つと、思いもよらないほどたくさんの生き物を水中に
転落させた。

つぎの一振りの効果はいっそう大きく、たぶん刃を立てて振り下ろしたせいだろうか、日の光の中に舞い上がっ
たものは、血しぶきをあげる肉片ではなかったか。それでも、ベアトリスはまだずっと先にいる。何有もないよ
うに浮いている寵の周りで、生き物が水中から湧き出している。いまでは陸地にも湧き出て、岸の草陰から雪崩
をうってくる。鍬にぶら下がっているのもいる。アクセルはそれを水中に振り落としながら、突然、ベアトリス
のそばにいられるなら、ほかに何もいらないと思った。水草を掻き分け、蒲を折り、足にまとわりつく泥を蹴散
らして進んだ。だが、ベアトリスは遠い。これまで以Lに遠い。また見知らぬ老婆の声が聞こえてきた。いま水
中にいるアクセルには老婆を見られるはずなどなか ったが、心の目には老婆の像が驚くほど鮮明に映っていた。

老婆は、朝日に照らされる舟にいた。舟底にくずおれていて、その体の上を小妖精が自由に動きまわっていた。
そして老婆の声が言った。

「女は任せなさい、旅の人。女はわれらに任せよ」
「呪われろ」アクセルはそうつぶやき、前進をつづけた。
「絶対にベアトリ スはあきらめない。絶対にだ」  
「あなたは賢明なはずだ、旅の人。女を救える治療法などないことは、もう以前からわかっているのだろう?ど
う堪える。女にはこのさき何か待つ。いずれ最愛の妻は苦しみにのたうち、あなたはそれを見ながら、やさしい
言葉をかける以外に何もできない。女をわれらに任せなさい。苦しみを和らげてあげよう。これまでも大勢にや
ってあげてきたように」
「呪われろ。ベアトリスは絶対に渡さないぞ」
「女を渡しなさい。痛みを取り去ってあげよう。川の水で洗ってあげよう。年月が洗い落とされ、女は快い夢の
なかに移り住む。なぜ手放さない。あなたは女に、ほふられるまえの動物の苦しみ以外の何をくれてやれ のか」
「どけ。おまえらはベアトジスから離れろ」 
 
アクセルは両手を組み、腕を樅棒のように伸ばして、右へ左へ振り回した。そうやって道をつくりながら水中を
進んだ。ようやく箭にたどり着いたとき、ベアトリスはまだ中でぐっすり眠っていた。その体を.覆う丘皮には
小妖精がべったり取りついていて、アクセルはそれを一匹ずつ引き剥がしては、放り投げた。

「なぜ女をわれらに任せない。なぜそんな不親切をする」

アクセルは籠を押して水中を進んだ。やがて川底が浅くなり、籠は水草や蒲の生える籠の上に止まった。アクセ
ルは腰をかがめ、妻を腕に抱き取ると、籠から持ち上げた。ベアトリスがある程度目覚め、首にしがみついてく
れて、運ぶ作業が少し楽になった。二人は一歩ずつ、ときによろめきながら進み、まず川岸を下って、そこから
さらに野原に移動した。足の下に固く乾いた地面を感じたとき、アクセルはようやくベアトリスを下ろし、二人
は草の上にすわった。アクセルは息を整え、ベアトリスは徐々に目覚めていった。

「アクセル、わたしたちのいるここはどこなの」
「気分はどうだい、お姫様。ここはとどまってはならない場所だ。おまえをおぶっていくよ」
「アクセル、びしょ濡れじやありませんか。川にでも落ちたの」  
「ここはひどく悪い場所だ、お姫様。すぐにでも立ち去ったほうがいい。わたしかおぶっていくよ。若くて、能
天気で、暖かい頃の日を二人して楽しんだときのように、おぶっていくよ」
「川から離れるの? 川を行けばどこへでも早く着けるって、ガウェイン卿も言っていたじやありませんか。こ
こは山の中の高い土地みたい。わたしたち、こんなに高くまで来たことがあったかしら」
「やむをえないよ、お姫様。ここからできるだけ遠ざからねばな。おいで、おぶってあげよう。さ、肩につかま
って」 
                                カズオ・イシグロ 『忘れられた巨人』
                                                                                                                            この項つづく

Part 3, Chapter11.
In Chapter Eleven, Beatrice and Axl have a horrifying experience while trying to ford a river. Discuss this scene, and the grotesque
descriptions within it. What is the significance of Axl’s interaction with the woman on the boat? Why do you think Beatrice’s memory
is so greatly affected during this scene? What does this part of their journey reveal about their relationship?























● 今夜の寸評:認識形成が液状化する時代


吹田市の大阪府警吹田署千里山交番前で16日早朝、同署の古瀬鈴之巡査が刺され、実弾入りの
拳銃が奪われた事件などを耳目するにつけ、井上陽水の『ワカンナイ』の歌詞が脳裏を過ぎる。
故福田赳夫首相「人命は地球よりも重し」の名言が液状化する様を看つつ、想像する。急膨張す
る高度消費欲望に翻弄される世界、引き寄せられる混沌に青ざめながら、人命を値踏みすると数
京円超となり、唯識につき畢竟「自他殺傷」は霧消すると自問する。

  ● 今夜の一曲

井上陽水 ワカンナイ

10枚目のオリジナル・アルバム『ライオンとペリカン』に収録曲。

雨にも風にも負けないでね

暑さや寒さに勝ちつづけて

一日、
すこしのパンとミルクだけで

カヤブキ屋根まで届く

電波を受けながら暮らせるかい?

南に貧しい子供が居る

東に病気の大人が泣く

今すぐそこまで行って夢を与え

未来の事ならなにも

心配するなと言えそうかい?

君の言葉は誰にもワカンナイ ・・・・





   

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