極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

琵琶湖の魚はなぜ美味しいのか

2022年12月05日 | びわこ環境


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん


【琵琶湖の魚はなぜ美味しいのか Ⅰ】
琵琶湖の誕生は、今からおよそ400万年前。世界で20ほどしかい
ない古代湖のひとつ。だから長い年月を得て多様な環境が形成
され、その環境を巧みに利用して進化を遂げた固有種が数多く
----このような多様で豊かな恵みのもと、琵琶湖ではニゴロブ
ナ、ビワマス、セタシジミなど琵琶湖固有種を主な漁獲対象と
して、琵琶湖漁業は発展し、これらの湖魚を利用した独自の食
文化が育まれてきた。平成10(1998)年には、湖魚のなれずし、
湖魚のつくだ煮、アメノイオご飯は滋賀の無形民俗文化財に選
択----生息繁殖すると言われる。フナ寿司は郷土料理の王者。
その出会いは"極普通”に食べることができ、料亭のスタッフも
驚いたものだが、ブルーチーズが好物なのだから問題はないは
ずだが同時にそのときに、わたしが酒好きになることも保証?
して頂いている。



琵琶湖に生息する魚はの特徴は、概して小振り、肉食で食欲旺
盛であれば共食いをはじめ小さい魚介類は絶滅し、それは、ま
た自らも衰退される自然の習わしでもあり、コイ、フナもひっ
そりと草食でプランクトンなどの小さな生き物を摂食し均衡を
保ってきたのにちがいない。

【小鮎の天麩羅】



琵琶湖のコアユは、天ぷらにすると骨まで柔らかくあがるので
子どもでも骨を気にすることな く、美味しく食べていただける。
材料(5~6人分)➲コアユ 200g(40尾程度)、片栗粉
大さじ5、小麦粉(薄力粉) 1.5カップ、塩・サラダオイル
適量
作り方➲① コアユは洗って水を切り、片栗粉をまぶす、②ボ
ウルに、氷水を入れ、小麦粉を加えてさっくりと混ぜる。③ 油
を170℃~180℃に熱し、のコアユに ②の衣をたっぷりつ
けて入れ、返しなが らカラッと揚げる。④ 揚がったら熱いうち
に塩をふる。

  

✔ イワシ類、ウナギ、アユなどの稚魚を示す総称のシラスを頂
 くように氷魚のかき揚げも贅沢な一品となる。これは琵琶湖の
 磯辺の養漁場でならの話だが。

【今日のひとり鍋ランチ:】

 


【完全クローズド太陽光システム事業整備ノート ⑭】
【再エネ革命渦論 75: アフターコロナ時代 274】

---------------------------------------------------------------------------------------------
コンパクトでスマートでタフな①光電変換素子と②蓄電池及び③水電
解に④水素系燃料電池、あるいは⑤光触媒由来有機化合物合成と完璧
なシステムが実現し社会に配置されようとしている。誰がこれを具体
的に想定しただろうか。その旗手に常に日本や世界の若者達の活躍が
あった。
---------------------------------------------------------------------------------------------

技術的特異点でエンドレス・サーフィング
再生可能エネルギー革命 RE100 ➢  2030  73




 太陽光発電サファード建物でエネルギー使用量と
                二酸化炭素排出量を40%削減
【社会のための科学】
世界のエネルギーの3分の1が建物に消費され、世界の二酸化炭素排
出量の28%を占めている。これらの高レベルのエネルギー消費は、
部分的には断熱性の低いガラス張りのファサードに向かう建築傾向の
結果にある。窓と壁の比率は第二次世界大戦の終結以来一貫して増加
しており、高度にガラス張りされたファサードの需要は、そのエネル
ギー性能の低さが広く認められ、気候変動の影響に関する懸念が高ま
っているにもかかわらず、依然として高いままである。この課題に取
り組み、建物のエネルギー効率を改善のために、過去20年間に数多
くの窓技術 (低放射率コーティング、ダイナミック ティンティング、
太陽光発電ガラスなど) が登場したが、これらの技術をさまざまな建
物の設計や設計にどの程度組み込むことができるかは不明。それらが
さまざまな地域の気候でどのように機能するかは、まだテストされて
いない。何千もの異なるケースのモデルを構築して研究し、将来の窓
技術の展開を導く顕著な傾向を明らかにする。太陽光発電窓と単純な
幾何学的変更で、一般的なオフィス ビルで年間10,000 ~ 40,000 GJ
のエネルギーを節約できる。高度なガラス張りの建物は、適切な技術
を採用すれば、正味ゼロのエネルギー達成の設計で実現できる。

以上は、米国は国立再生可能エネルギー研究所(NREL)が、ペロブス
カイト ベースの薄膜 PV、透明 PV、動的 PV グレージング技術が、
米国の 8つの地域でガラス張りの建物のエネルギー使用を約 40% 削
減できることを開示した。

【要点】
1.太陽光発電 (PV) 窓は、正味ゼロの高ガラス張りの建物を実現。
2.温暖なニューヨークの PV ウィンドウは、日当たりの良いツーソ
  ンよりもエネルギー/CO2 の節約。
3.ラボで実証済みの PV ウィンドウ技術により、建物の平均エネル
  ギー使用量を 40% 削減。
4.PV 窓を備えた高ガラス張りの建物の正味エネルギー/CO2 使用量
  は、高さとともに減少。


図1.建築環境におけるグレージングの進化とエネルギー バランス

【関連論文】
Title:Photovoltaic windows cut energy use and CO2 emissions by 40%
in 
 highly glazed buildings: One Earth
CrossRef DOI link to publisher maintained version: https://doi.org/10.1016/j.
.oneear.2022.10.014 

高層ビルの窓を使って屋上の20倍の発電も
❏ 9月26日は「飛翔するオールソーラーシステム ④」でも紹介してい
るように建材一体型太陽電池(窓硝子向け)の商用化が国内外で進み
つつある。
--------------------------------------------------------------------------------------
 
農業用有機発光太陽集光器の最近の進歩:希土類錯体の可能性
【要約】
農業太陽光発電技術は、農業と太陽光発電を組み合わせて効率的な植
や作物を育成栽培の道を拓く。太陽光発電 (Agri-PV) の一種であ
る発光
型太陽光集光器 (LSC)➲日本では「ソーラーシュアリング」
と呼称されたりするが、農法と発電に革命をもたらす可能性がある。
温室農業と発光太陽集光器を組み合わせた新しい表記法 Agri-LSC
提供する。これに関連して、以前の多くの研究が、Agri-PV と使用さ
れる高い光物理性能を示す有機色素に基づく LSC デバイスに焦点を
当ててきた。ただし、それらの脆弱性は、再吸収、光安定性、および
短いストークスシフトなどのリスクにさらされていた。希土類錯体は、
広いストークスシフトで高いフォトルミネッセンス(光励起発光)量
子収率(光化学反応を起こした原子または分子の個数mと、吸収され
た光子の個数nとの比m/n)を有するため有機材料の代替としてこれら
の制限が克服できるさらに、ホストポリマー(比較的弱い相互作用で
の大きな分子を指す)と混合すると、ランタニド錯体ベースの LSC
の高レベルの透明性により、必要な光が妨げられずにデバイスを通過
できる。ランタニド錯体は発光ダウンシフター (LDS) とも考えられ
ているため、作物に有害であることが知られている 400 nm未満の UV
光を除去し、植物の光合成がはるかに高い適切な可視光に変換する能
力を意味する。


【関連論文】
掲載誌:Solar Energy Volume 245, October 2022, Pages 58-66
原 題:Recent progress in organic luminescent solar concentrators for agri-
             voltaics: Opportunities for rare
著 者:Othmane Essahili, Mouad Ouafi, Omar Moudam, Person Envelope

DOI     :   https://doi.org/10.1016/j.solener.2022.08.054

【温室統合型農業 LSC
モロッコのモハメッドVI工科大学の研究グループは、温室や農業プロ
ジェクト
での発電に発光太陽集光器を使用を提案。同グループは、低
照度照明で
電気を生成し、紫外線を作物に使用できる可視光に変換で
きる。LSCは、フ
ォトマイクロリアクターでのファインケミカルの製
造、空間に入る光を制御す
るための動的な「スマート」ウィンドウ、
および温室での植物の成長を促進
するためのカラー調整された光の分
配におけるフォトニックデバイスとして
一般的に使用。また、ソーラ
ーパネルの効率を向上させるためにも使用で
きる。LSCは、発光団と
しても知られる発光材料で構成されており、照明さ
れると発光する分
子グループである。LSCの開発と製造に一般的な有機色
素ではなく希
土類錯体を研究。LSCは、サンプルとの相互作用後に入射光
と散乱ま
たは放出された光との間のエネルギーを下げるスペクトルシフトで

あるストークスシフトに関して300ナノメートルに近い値を達成する
できる。「
希土類錯体ベースのLSCの蛍光量子効率の著しい改善を達
成するには
それらの分子構造をより深く理解し、可視スペクトルの最
大波長まで吸収を
拡張する必要がある。波長スペクトルが430ナノメ
ートル~780ナノメートル
の範囲で優れた吸光性を備えた高効率の蛍
光色素は、まだ開発と改善
必要。 
pv magazine International➲ Luminescent solar concentrators for agrivoltaics,
greenhouses, 2022.11.30

✔ 植物栽培のための光化学を駆使する渦論が展開されている。



太陽光パネルリサイクル事業展開するROSI社との資本業務提携
伊藤忠商事
11月29日、伊藤忠商事株式会社は先進的な太陽光パネルリサイクル技
を開発・保有するROSI(ロシ)社」)との太陽光パネルリサイクル
のビジネス推進・拡大に向けて、同社の実施する第三者割当増資を引
受け、資本業務提携契約を締結。昨今、寿命を迎えた太陽光パネルの
大量廃棄が近い将来起こるという懸念が世界中で広がっている。欧州
では2000年半ばに導入された再生可能エネルギーの固定価格買取制度
(FIT制度)によって太陽光発電の導入量が急激に拡大。 一方、太陽
光パネルの寿命は一般的に20年程度と言われ、欧州では2020年半ばか
ら太陽光パネルの大量廃棄が加速度的に増加すると見込まれている。
また日本国内でも同様に2012年からFIT制度が導入され 2030年頃から
太陽光パネルの大量廃棄が発生すると見込まれている。その廃棄量は、
今後10~15年で現在の10倍以上、2036年には太陽光パネルの廃棄量は
約17-28万t、最終処分される産業廃棄物全体の1.7~2.7%を 占めるま
で急増すると予測されている。 脱炭素社会を見据えた 持続可能な再
生可能エネルギーの導入に向けて、これら廃棄太陽光パネルに関する
適切なリサイクルチェーンの確立が今後の大きな課題である。2017年
創業のROSI社は、太陽光パネルのリサイクル市場が先行して立ち上が
る欧州において、従来型の物理的な破砕による太陽光パネルのリサイ
クル手法とは異なり、太陽光パネルに含有される素材の中で特に市場
価値の高い銀・銅・シリコンを化学処理によって純度高くリサイクル
回収する先進的な技術を開発・保有しております。また、2021年に開
催されたフランス国内における太陽光パネルリサイクルの公共案件を
受託し、2023年初頭からフランスでリサイクル商用プラントの稼働開
始を予定しており、欧州域内においても注目を集めている。


図.太陽光パネルリサイクル概要図 

伊藤忠商事はこれまでに国内外に向けた太陽光パネルの販売、メガソ
ーラー発電所の開発推進、当社の出資先である株式会社VPP Japan(商
業施設の屋根スペースを活用したオンサイト分散型太陽光発電所開発)
や株式会社クリーンエナジーコネクト(国内の遊休地を活用したオフ
サイト分散型太陽光発電所開発)を通じて、太陽光発電を産業用・住
宅用・屋根型・土地型の全領域において導入拡大を推進。これまで培っ
てきた太陽光発電関連ビジネスのノウハウ及びネットワークに加え、
ROSI社の保有する先進的、かつ、経済性の高いリサイクル技術を組み
合わせることで太陽光パネルリサイクルチェーンの確立に貢献、ROSI
社とは国内外において太陽光パネルリサイクルビジネスの共同開発・
事業展開を行っていく予定。


イビスパワーは、中規模構造物や高層ビル向けに設計された風力ター
ビンとソーラーを組み合わせた屋上システムを開発。同社のPowerNEST
システムは、スタンドアロンの屋上ソーラーの6〜10倍のエネルギー
を生成できると主張しています。同社はすでにオランダに5つのプロ
ジェクトを設置。オランダの再生可能エネルギー建築のスペシャリ
トであるIbis Powerは、少なくとも5階建ての建物の屋上向けに、太
陽光と風力のハイブリッドシステムを開発。


Figuur 1 – Exploded view PowerNEST 1.0

同社は、既製のシステムは、スタンドアロンの屋上ソーラーの6〜10倍
の電力を生成できると主張。 PowerNESTはタービンへの風の流れを加
速して出力を4倍に増加させるが、風を下から積極的に冷却するよう
に風を指示することで、ソーラーパネルの出力も30~40%%増加。
イビスパワーのCEOであるアレクサンダースマはPVマガジンに語った。
モジュラーソリューションには、白いクラッディング内の光の反射を
キャプチャする両面パネルで覆われた3kWの風力タービンの列が含まれ
ている。各モジュールのサイズは7.2メートル×7.2メートルで、高さ
は4.8メートル。同社は すでにオランダ全土の5つのプロジェクトに
このソリューションをインストールしており、最近ではアイントホー
フェンのHaasjeOverビルに導入されている。 HaasjeOverのインストー
ルには、10個の PowerNESTモジュールが含まれている。全体として、
240枚の両面パネル、396Wのソーラーパネル、56個の335Wの単面パネ
ルがあり、年間出力は116MWh。これには、間出力24MWhの4つの3kW風
力タービンが含まれており、太陽光と風力の合計出力は140MWh /年に
なります。これはタワーのエネルギー需要の85%をカバーしている。
PowerNESTは屋上から数メートルの高さに設置されているため、他の
方法よりも多くの屋上スペースをカバー。



設置前の屋根には、換気パイプ、その他のユーティリティ、屋根の端
およびそれらの影の間に収まる必要がある約40枚のソーラーパネル用
のスペースしかなかった。これにより、発電量はわずか11MWh/年から
12MWh/年になり、PowerNESTの10分の1になる。800,000ユーロ(827,570
ドル)のHaasjeOverプロジェクトは、ターンキーソリューションとし
て提供された。 構造的に安全にし、長持ちする材料を使用し、建築基
準法を満たしたい場合、これらはそのようなプロジェクトの実際のコ
スト。会社が拡大し続けるにつれてコストが減少すると予想している
と述べました。イビスパワーは現在、オランダでさらに12のPower
NESTプロジェクトを開発、欧州と米国の他の地域に拡大している。 

【今夜のわくわくする出会い  2022.12.5】


出所:金沢工業大学小型無人飛行機プロジェクト


出所:LGエレクトロニクス・ジャパン株式会社
● 20段階で曲率調整できる“自由に曲げられるテレビ”42インチ有
  機ELテレビ「LG OLED Flex」を2023年1月18日(水)より発売

 
中世期最大の詩人のひとりであり、学問と識見とで当代に数すくない
実朝 の心を訪れているのは まるで支えのない奈落のうえに、一枚の
布をおいて坐っているような境涯への覚醒であった。本書は、中世初
の特異な武家社会の統領の位置にすえられて、少年のうちからいやお
うなくじぶんの<死の瞬間>をおもい描かねばならなかった実朝の詩的
思想をあきらかにした傑作批評。

【目次】
1 実朝的なもの
2 制度としての実朝
3 頼家という鏡
4 祭祀の長者
5 実朝の不可解さ
6 実朝伝説
7 実朝における古歌
8 〈古今的〉なもの
9 『古今集』以後
10.〈新古今的〉なもの
11 〈事実〉の思想
実朝における古歌 補遣
実朝年譜
【著者略歴】 吉本隆明(1924-2012年)は、東京生まれ。東京工業大
学電気化学科卒業。詩人・評論家。戦後日本の言論界を長きにわたり
リードし、「戦後最大の思想家」「思想界の巨人」などと称される。
おもな著書に『言語にとって美とはなにか』『共同幻想論』『心的現
象論』『マス・イメージ論』『ハイ・イメージ論』『宮沢賢治』『夏
目漱石を読む』『最後の親鸞』『アフリカ的段階について』『背景の
記憶』などがある。
---------------------------------------------------------------------------------------------

Ⅶ 実朝における古歌

大河ドラマ『鎌倉殿13人』の進行がは速すぎて、凄すぎて圧倒しています。
NHKの人間力に感心する。さて......

 これは土地に先住する原任放に掠奪婚の風習を断って、服従民とな
 るべき契約をつくらせたという意味とされる。このような、まった
 くちがったさし代えができるのは、でなにかを語っているとみなす
 ことが不可能なところからきている。

   赤玉は 緒さへ光れど
   白玉の 君が装し 貴くありけり

 『古事記』では、これもまた神話の豊玉比売が玉依比売に托して、
 ヒタカヒコホホテミにおくった歌とされている。〈赤い玉はそれを
 つらねるためのヒモさえも輝やくばかりだが、白玉の貌をした貴方
 の姿のほうが気高い〉といった意味になっているが、この詩形式か
 らそういう意味か二義的にとることは難かしい。ことに〈赤玉〉と
 〈白玉〉に、当時托されていた宗教的内容をはっきりさせえなけれ
 ば(種族的な相異といったような)無理な解釈となる。
  そこで『日本書紀』のほうは、べつに読みかえている。

   剛球の 光はありと
   人は云へど
   君が装し 貴くありけり    
          
   そして意味は、豊玉比売がいもうと玉依比売に托して、〈わたしの
 生んだ貴方の子どもはきれいな玉のようだとひと伝てにききました
 が、貴方の姿のほうが気高いとおもっています〉、というふうにさ
 し代えられている。
  このさし代えの可能性は、まえとおなじように、〈和歌〉形式が
 それ自体で詩の表現の〈部分〉ともなりえず、また完結した詩的表
 現ともなりえない独特な、ある意味で多義的な形式であることから
 きているようにみえる。さらに表音的につかわれている座学が、あ
 る時代をへて表意的に読みなおされると、まったく別の内容に転化
 されてしまうというところに、意味のさし代えの可能性がうまれる
 とかんがえることができる。しかしこれは言語学上の問題でありし
 ばらくおく。これにたいし、ヒコホホテミの答えた歌(『書紀』で
 は、ヒコホホテミがさきに詠ったものとなっている)、
                    
   沖つ鳥 鴨着く島に 我が率寝し
   妹は忘れじ 世の表ことごと

  これは〈和歌〉め形式として完結した詩的表現となっているよう
 にみえるが、たぶん、この歌は『万葉集』の中期に挿入してもおか
 しくない新しい時代につくられたものだからである。〈和歌〉とい
 う詩形式の初旅をかんがえるにはあまり意味をもたない。
 『古事記』は、宣長のいうように、天皇神武が死んだあと、その子
 クギシミミがじぶんの異母弟たち三人を殺そうとしたとき、母であ
 るイスケョリヒメが、歌をもって殺されそうな子供たち三人に急を
 知らせようとして詠んだとして二言をあげている。 

   狭井河よ 雲立ち渡り 畝大山
   木の葉さやぎぬ 風吹かむとす

   畝火山 昼は雲とゐ 夕されば
   風吹かむとぞ 本の葉さやげる

  この二言がイスケョリヒメの歌だというのはもちろん架空の神話
 だが、この完全な叙景歌が殺害しようとしているものがいるぞと息
 子たちに伝える暗号にさし代えられて、挿入されていることは、お
 おきな意味をもっている。すくなくとも、どんな〈物〉でもそう思
 ってみればそうみえるものだという宣長の〈物のあわれ〉説は意味
 をなさない。この二言を神話にはめこんだやり方は、神話の編著者
 たちにとって、完全な叙景の〈和歌〉形式が、危急をつたえるため
 の暗号として意味をさし代え得るとかんがえられていたことを意味
 している。あるいは一般的にいえば、ある事象をつたえるには、そ
 の事象とまったくかかわりない景物の叙歌形式をもちいればよい、
 とかんがえられていたことを意味している。どうしてそうかんがえ
 られていたのか。宣長のいうように、どんな〈物〉でもくあわれ〉
 とおもってみききすれば、そのくあわれ〉の内容に沿ってみききで
 きるものだという主観的な契機によるものだとはおもわれない。む
 しろ、ある〈景物〉の叙歌形式において、その〈景物〉が個人の観
 念の表象であるよりも、〈共同〉の観念・の表象としてあったとい
 うことが、歌のなかで〈物〉と〈心〉とが響きあう根拠であった。
 〈狭井沢〉とか〈畝火山〉とか云えば、大和盆地に住むあたりの集
 落人には、すぐにわかる〈共同〉の表象があったのである。その〈
 共同〉の表象は信仰に関係するか、農耕水利に関係するかはべつと
 して、〈景物〉が〈共同〉の表象であることが、〈心〉を伝える暗
 号として意味をもった理由である。ここには〈和歌〉形式が初旅的
 にもっていたおおきな問題がかくされているようにみえる。〈和歌
 〉形式の発祥するあたりのところで、詩的表現として、この形式が
 完結するためには、極端にいえばふたつの方向しかかんがえられな
 い。この畝火山の歌のように完全な〈叙景〉であること、そうでな
 ければ完全な〈叙心〉であることである。

                                                      Ⅶ 実朝における古歌
                                       筑摩書房刊

                                     この項つづく

  風蕭々と碧い時代


Jhon Lennon   Imagine


曲名; クリスマスキャロルの頃には  1992年10月28日 
唄: 稲垣 潤一   作詞・作曲: 秋元康、三井誠  
ジャンル: ポップス

クリスマスキャロルが流れる頃には
君と僕の答えもきっと出ている
だろう クリスマスキャロルが流れる頃には

誰を愛してるのか今は見えなくても

この手を少し伸ばせば
届いていたのに
1mm何か足りない
愛のすれ違い

お互いをわかりすぎていて
心がよそ見できないのさ

クリスマスキャロルが聞こえる頃まで
出逢う前に戻ってもっと自由でいよう
クリスマスキャロルが聞こえる頃まで
何が大切なのかひとり考えたい

誰かがそばにいるのは
暖かいけれど
背中を毛布代わりに
抱き合えないから

近すぎて見えない支えは
離れてみればわかるらしい

クリスマスキャロルが流れる頃には
君と僕の答えもきっと出ているだろう
クリスマスキャロルが流れる頃には 

● 今夜の寸評:(いまを一声に託す) 今年のキャロルは寂しい。



● 今夜の一枚:もし、GLSDBがウクライナに供与されたなら
via https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20221203-00326662
射程150kmのGLSDBをウクライナに供与した場合の影響と問題(JSF)
- 個人 - Yahoo!ニュース

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 鶏しおうま塩ひとり鍋 | トップ | ここが思案六法 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

びわこ環境」カテゴリの最新記事