そう、愛。すべては愛です。愛が恵みとなって降りそそぐ。愛のスコールなのです!
えーとね、皆さんこれご存じ?製造は南日本酪農。宮崎のメーカーなんですね。九州だけでしか発売されてないのかもしれません。プレーンのやつは緑と青のパッケージでして、どんな飲み物かっていうと、ほぼカルピスソーダです。大まかにいえばね。
前回コンサートの仕事の話をしました。コンサートの仕事は、開演中の接客だけでなく、ステージの設営や終焉後の解体作業も希望すれば入ることができます。設営のことは「仕込み」、開場中は「本番」、解体作業は「撤去」と呼んでいました。仕込み・本番・撤去の3つすべてを行うことも可能で、すべて入る場合を「しほんてつ」と称していました。
この「しほんてつ」はかなりハードで、勤務時間は最長で16時間になります。といっても、16時間ぶっ続けで働くわけではなく、リハーサル中とか、バイトには何もすることがない時間帯もあるので、休憩時間はわりと多いのですが、それでもけっこう疲弊します(バイトはおもにツアースタッフさんの指示を受けて雑用を行います)。
余談ですけど、仕込みと撤去では音響機材の出し入れも行っていまして、こないだカルロス・ゴーンがレバノンに逃亡した際に隠れていたという音響機材の箱を見て、「ああ懐かしい」と思いました。あ、それとね、福岡ドームの外野ってフェンスが高いことで有名じゃないですか。あれね、下が吹き抜けになってるんですよ。大型トラックを直に入れて資材を搬入できるようになっているんですね。
僕は生活費のためにたびたび「しほんてつ」に入っていました。今日はそのきつい仕事の話です。
コンサートの仕事で2番目にきつかったのが20th Century(トニセン)。2日間の公演で、1日目は会場が北九州、2日目は福岡市内でした。
1日目、会社の前に集合して貸切バスで北九州へ。移動時間は1~2時間くらいでしたかね。到着したら「しほんてつ」で16時間。1日2回公演でしたので、本番2セットです。終わりで福岡までバス移動。会社前到着で解散となるのですが、1日目の解散から2日目の集合までの間がほとんどないんですね。なので、自転車でまっすぐ家に帰って、帰宅後すぐ風呂入って、1時間だけ寝て出勤。そこからまた16時間労働でした。
とにかくしんどかったんですが、ランナーズ・ハイみたいな現象なのか、仕事が終わるころには妙に元気になっていて、「このままもう1回16時間勤務いける!」って感覚になっていました。
1番きつかったのがKinKi Kids。ちょうど「Anniversary」って曲を発表した後の「アニバーサリーツアー」というドームツアーのときです。
ドームのコンサートというのは、とにかくセットが巨大なので、設営に時間がかかります。収容人数200~500人ぐらいの会場であればコンサート当日の設営で間に合うんですけど、ドームだとそうはいかない。なので、5日間の勤務だったんですけど、設営が3日。本番が2日で、最終日は本番終了後に撤去という工程でした。
5日間の勤務時間はそれぞれ12~16時間ほど。時間が長いとか、設営は重いものを運ぶ肉体労働だということとかもキツさなのですが、食事が弁当ばかりというのもキツかったんですよね。
勤務時間が長いため、会社が注文してくれた弁当が1日2回出ました。しかし、バイト用の弁当なので、あまりいい弁当ではありません。安いやつです。現場には電子レンジもないので、冷え切った弁当を食べることになります。僕は朝食を食べないので、1日2食です。なので、5日間の食事がすべて弁当になったのです。冷たい安弁当を食べ続けていると、だんだん精神がすさんでくるのです。弁当以上に心が冷たくなるのを感じました。
最終の5日目、ようやく本番が終わると、体に鞭打って最後の撤去作業が始まります。なんかコンサートの撤去のときって、スタッフの人たちみんなピリピリしてるんですよね。連日の仕事でストレスがたまっているのか、肉体労働の現場なので荒くれ者が多いのか、とにかくひたすら急かされますし、些細なことで怒鳴られる。心身ともにボロボロになりながらの作業となるのです。ちなみに、設営と撤去はツアースタッフだけでなく、現地の建築関係の作業員も入ってきます。
そこで事件が起きました。メインステージの裏側には足場が組んであります。建築物の改修のときに、作業員が動き回るための骨組み建てますよね。あれです。コンサートでは、まず足場を組んで、ステージを建てるのです。終わったらステージを解体し、そののち足場をばらす。高所での作業なので、僕らバイトはかかわりません。もっぱらプロのとび職の人が行います。
その、一番最後の足場解体のときです。てっぺんで作業をしていたとびの人が、転落したのです。高さにして、建物の5,6階くらいあったでしょうか。僕はその瞬間を見ていなかったのですが、パチンコ玉のように足場にガンガンぶつかりながら床まで転げ落ちたそうです。
もちろん救急車が呼ばれましたが、それだけではすみません。事件が起きたということで警察もきて、現場検証が始まりました。その間、作業はストップです。疲れ切っているので、1秒でもはやく終わってほしいのに、さらに長引くことになりました。
転落した人がどうなったのかはわかりません。そのあとなにも話が出なかったので、たぶん死んではいないと思いますが、ひょっとしたら後遺症が残るくらいのケガを負ったのかもしれません。
この業界では、「巨大なステージが組まれる現場1か所につき、だいたい1人ぐらいは大ケガをする」と言われています。僕がかかわった現場でも、ワイヤーが腕に絡まって脱臼した人や、重い機材をつかみそこなって足の骨を折った人、あと、原因はわかりませんが指を切断した人もいました。足の骨を折った人は、僕と同じバイトの子で、全治6か月の大ケガでした。たぶん大学生の子だったと思いますが、人生経験も兼ねた生活費稼ぎとして、ちょっとした軽い気持ちで来ていたのが、半年間の学生生活を棒に振ることになってしまったのです。
とにかく事故が多いし、起きてしまったら取り返しがつかないので、社員からは「とにかく声掛けをしっかりしろ」と口うるさく言われます。コンサートの現場というのはそういう所なのですね。ミュージシャンが華やかに歌い踊るそのステージは、そんな犠牲の上に成り立っているのです。
皆さんもドームなどの大きな会場のコンサートに行くことがあれば、このことを思い出してください。巨大できらびやかなステージを見たら、「これは作業員の血の犠牲の上に組み立てられてるんだな」と考えてください。そしてできれば、ケガをした作業員のために祈りをささげてください。そうすれば人柱となった作業員も少なからず救われることでしょう。
えーとね、皆さんこれご存じ?製造は南日本酪農。宮崎のメーカーなんですね。九州だけでしか発売されてないのかもしれません。プレーンのやつは緑と青のパッケージでして、どんな飲み物かっていうと、ほぼカルピスソーダです。大まかにいえばね。
前回コンサートの仕事の話をしました。コンサートの仕事は、開演中の接客だけでなく、ステージの設営や終焉後の解体作業も希望すれば入ることができます。設営のことは「仕込み」、開場中は「本番」、解体作業は「撤去」と呼んでいました。仕込み・本番・撤去の3つすべてを行うことも可能で、すべて入る場合を「しほんてつ」と称していました。
この「しほんてつ」はかなりハードで、勤務時間は最長で16時間になります。といっても、16時間ぶっ続けで働くわけではなく、リハーサル中とか、バイトには何もすることがない時間帯もあるので、休憩時間はわりと多いのですが、それでもけっこう疲弊します(バイトはおもにツアースタッフさんの指示を受けて雑用を行います)。
余談ですけど、仕込みと撤去では音響機材の出し入れも行っていまして、こないだカルロス・ゴーンがレバノンに逃亡した際に隠れていたという音響機材の箱を見て、「ああ懐かしい」と思いました。あ、それとね、福岡ドームの外野ってフェンスが高いことで有名じゃないですか。あれね、下が吹き抜けになってるんですよ。大型トラックを直に入れて資材を搬入できるようになっているんですね。
僕は生活費のためにたびたび「しほんてつ」に入っていました。今日はそのきつい仕事の話です。
コンサートの仕事で2番目にきつかったのが20th Century(トニセン)。2日間の公演で、1日目は会場が北九州、2日目は福岡市内でした。
1日目、会社の前に集合して貸切バスで北九州へ。移動時間は1~2時間くらいでしたかね。到着したら「しほんてつ」で16時間。1日2回公演でしたので、本番2セットです。終わりで福岡までバス移動。会社前到着で解散となるのですが、1日目の解散から2日目の集合までの間がほとんどないんですね。なので、自転車でまっすぐ家に帰って、帰宅後すぐ風呂入って、1時間だけ寝て出勤。そこからまた16時間労働でした。
とにかくしんどかったんですが、ランナーズ・ハイみたいな現象なのか、仕事が終わるころには妙に元気になっていて、「このままもう1回16時間勤務いける!」って感覚になっていました。
1番きつかったのがKinKi Kids。ちょうど「Anniversary」って曲を発表した後の「アニバーサリーツアー」というドームツアーのときです。
ドームのコンサートというのは、とにかくセットが巨大なので、設営に時間がかかります。収容人数200~500人ぐらいの会場であればコンサート当日の設営で間に合うんですけど、ドームだとそうはいかない。なので、5日間の勤務だったんですけど、設営が3日。本番が2日で、最終日は本番終了後に撤去という工程でした。
5日間の勤務時間はそれぞれ12~16時間ほど。時間が長いとか、設営は重いものを運ぶ肉体労働だということとかもキツさなのですが、食事が弁当ばかりというのもキツかったんですよね。
勤務時間が長いため、会社が注文してくれた弁当が1日2回出ました。しかし、バイト用の弁当なので、あまりいい弁当ではありません。安いやつです。現場には電子レンジもないので、冷え切った弁当を食べることになります。僕は朝食を食べないので、1日2食です。なので、5日間の食事がすべて弁当になったのです。冷たい安弁当を食べ続けていると、だんだん精神がすさんでくるのです。弁当以上に心が冷たくなるのを感じました。
最終の5日目、ようやく本番が終わると、体に鞭打って最後の撤去作業が始まります。なんかコンサートの撤去のときって、スタッフの人たちみんなピリピリしてるんですよね。連日の仕事でストレスがたまっているのか、肉体労働の現場なので荒くれ者が多いのか、とにかくひたすら急かされますし、些細なことで怒鳴られる。心身ともにボロボロになりながらの作業となるのです。ちなみに、設営と撤去はツアースタッフだけでなく、現地の建築関係の作業員も入ってきます。
そこで事件が起きました。メインステージの裏側には足場が組んであります。建築物の改修のときに、作業員が動き回るための骨組み建てますよね。あれです。コンサートでは、まず足場を組んで、ステージを建てるのです。終わったらステージを解体し、そののち足場をばらす。高所での作業なので、僕らバイトはかかわりません。もっぱらプロのとび職の人が行います。
その、一番最後の足場解体のときです。てっぺんで作業をしていたとびの人が、転落したのです。高さにして、建物の5,6階くらいあったでしょうか。僕はその瞬間を見ていなかったのですが、パチンコ玉のように足場にガンガンぶつかりながら床まで転げ落ちたそうです。
もちろん救急車が呼ばれましたが、それだけではすみません。事件が起きたということで警察もきて、現場検証が始まりました。その間、作業はストップです。疲れ切っているので、1秒でもはやく終わってほしいのに、さらに長引くことになりました。
転落した人がどうなったのかはわかりません。そのあとなにも話が出なかったので、たぶん死んではいないと思いますが、ひょっとしたら後遺症が残るくらいのケガを負ったのかもしれません。
この業界では、「巨大なステージが組まれる現場1か所につき、だいたい1人ぐらいは大ケガをする」と言われています。僕がかかわった現場でも、ワイヤーが腕に絡まって脱臼した人や、重い機材をつかみそこなって足の骨を折った人、あと、原因はわかりませんが指を切断した人もいました。足の骨を折った人は、僕と同じバイトの子で、全治6か月の大ケガでした。たぶん大学生の子だったと思いますが、人生経験も兼ねた生活費稼ぎとして、ちょっとした軽い気持ちで来ていたのが、半年間の学生生活を棒に振ることになってしまったのです。
とにかく事故が多いし、起きてしまったら取り返しがつかないので、社員からは「とにかく声掛けをしっかりしろ」と口うるさく言われます。コンサートの現場というのはそういう所なのですね。ミュージシャンが華やかに歌い踊るそのステージは、そんな犠牲の上に成り立っているのです。
皆さんもドームなどの大きな会場のコンサートに行くことがあれば、このことを思い出してください。巨大できらびやかなステージを見たら、「これは作業員の血の犠牲の上に組み立てられてるんだな」と考えてください。そしてできれば、ケガをした作業員のために祈りをささげてください。そうすれば人柱となった作業員も少なからず救われることでしょう。
今回はセブンイレブンの黒糖わらびです。
一口羊羹と同じサイズ。黒糖の甘さが「ちょうどええ!」(by.2丁拳銃 修士)。冷やして食べることをおススメします。
前回コンサートのアルバイトの話をしました。こういう話をすると、「ミュージシャンとの接触はあるのか?」と思われるでしょう。
ある、といえばあります。僕の勤め先は、おもに接客と警備の2つの勤務形態がありまして、警備の場合は「ミュージシャンとコンサートツアースタッフ以外立ち入り禁止」の場所に配属されるので、けっこうミュージシャンと接触する機会があるのですが(気さくに話しかけてもらえたという話を何度か聞きました)、接客のバイトはそちらのスペースに近づくことはまずありません。僕は警備ではなく接客で入ってましたので、接する機会はほとんどありませんでした。(余談ですが、かつてマイケル・ジャクソンの髪を触って騒ぎを起こしたヤツがいたそうです)
しかし、「接触」ではなく「接近」したことはあります。そのときの話をしましょう。
福岡にはいくつかイベント運営の会社があるのですが、僕の勤め先はおもにジャニーズを担当していました。タッキー&翼のコンサートのときのことです。
会場はマリンメッセ福岡。その日のセットは、メインのステージと、その左右からコの字型に花道が伸びている形でした。上から見るとステージと花道合わせてロの字型になるわけですね。ロの字型の内側はアリーナ席で、外側はスタンド席です。(ちなみに、人気のないジャニーズほどステージのサイズが大きくなって座席数が少なくなる、と言われていました)
僕の配置は、ステージと並行の位置にある花道とスタンド席の間でした。上から見たらロの字の下のところですね。スタンドと花道の間に柵があって、僕はその柵の内側で、お客さんが花道に近づいたりしないよう監視する役目でした。
この配置は、お客さんが問題行動を起こさない限りやることはありません。開演してもやることがなく、ぼーっとしながらひたすら終わりがくるのを待っていました。
そのときです。開演して30分から1時間ほどたっていたでしょうか、突然僕の目の前の、スタンド席のお客さんから大きな歓声が上がりました。お客さんはみなひとつの方向を見ています。何事かとそちらを振り返りました。
歓声の源はタッキーでした。背後の花道にはなぜか階段がついていたのですが、タッキーがその階段を降りていたのです。タッキーはそのままこちらに向かってきます。サービスとして、アドリブの行動だったのでしょうが、予想外のことに客席は興奮に陥りました。
先ほど申し上げましたように、客席と花道の間には柵があります。しかし、それはプラスチックの柵でした。よくイベント会場で客列整理のために長く連結させてある青色の柵あるでしょ?あれです。ほかの場所には鉄製のどっしりとした柵もあったんですけど、そこに設置されていたのはプラスチックのちゃちい柵。手をかければ簡単にパタリと倒れます。しかも柵同士を連結させてあるので、一ヵ所倒れれば横一列全部パタパタ倒れてしまう。
そんな柵の前でお客さんが興奮状態になり、タッキーに触れようと一斉に身を乗り出したのです。もちろん柵は大きく傾きました。
僕はあわてて柵を押さえました。瞬時に反応できたこともあって、倒壊はまぬがれました。しかし、お客さんはさらに前へ前へ身を乗り出してきます。しかも2列目3列目のお客さんまで押しかけてきます。柵にかかる圧力はどんどん増してくる。
だめだ!支えきれない!つぶれる!
死を覚悟したその瞬間、助けが訪れました。コンサート会場では、僕の会社の社員やツアースタッフのお偉いさんが、つねに場内を監視巡回しています。その人たちが危機を察知して駆けつけてくれたのです。みんなで押さえて柵を守りきりました。
タッキーは、僕が腕をプルプルさせているその横で、にこやかにお客さんとタッチを交わして去っていきました。危機を脱したのです。
自画自賛になってしまいますが、僕のとっさの反応は実に素早く、的確なものでした。もしも僕の動きがなければ、柵は倒壊し、お客さんは将棋倒しになっていたでしょう。怪我人が出ていたかもしれません。いや、ジャニーズファンが怪我しようが知ったこっちゃありませんが、倒壊したら僕が下敷きになってしまいます。一番の大怪我をするのは僕です。ほんとに死んでいたかもしれない。
そんな悲惨な事故を僕は防いだのです。超ファインプレーです。
これは2005年ごろの話です。あれからもう約15年。タッキーこと滝沢秀明君も今ではジャニーズの副社長。
皆さん、よく考えてみてください。もし倒壊事故が起きていたらどうでしょう?怪我人が出て、ツアーは中止、タッキーは謝罪会見を余儀なくされていたはずです。タッキーのキャリアに大きな傷がついていたことは間違いない。
そうなっていたら、副社長に上り詰めることもなかったでしょう。
これはつまりどういうことか?そう、あの時の僕の支えがあって、現在のタッキーがあるということなのです!僕の働きがなければ、タッキーは副社長にはなれていなかった!すべては僕のおかげなのです!
それなのに・・・タッキーからはいまだにお礼の一言もない・・・。どーいうことだ!?常識ってモンがねーのか!?
ねえタッキー、僕は今でも待ってるよ。君がネクタイ姿で菓子折り片手に僕の自宅まで謝礼に訪れるその日をね。
一口羊羹と同じサイズ。黒糖の甘さが「ちょうどええ!」(by.2丁拳銃 修士)。冷やして食べることをおススメします。
前回コンサートのアルバイトの話をしました。こういう話をすると、「ミュージシャンとの接触はあるのか?」と思われるでしょう。
ある、といえばあります。僕の勤め先は、おもに接客と警備の2つの勤務形態がありまして、警備の場合は「ミュージシャンとコンサートツアースタッフ以外立ち入り禁止」の場所に配属されるので、けっこうミュージシャンと接触する機会があるのですが(気さくに話しかけてもらえたという話を何度か聞きました)、接客のバイトはそちらのスペースに近づくことはまずありません。僕は警備ではなく接客で入ってましたので、接する機会はほとんどありませんでした。(余談ですが、かつてマイケル・ジャクソンの髪を触って騒ぎを起こしたヤツがいたそうです)
しかし、「接触」ではなく「接近」したことはあります。そのときの話をしましょう。
福岡にはいくつかイベント運営の会社があるのですが、僕の勤め先はおもにジャニーズを担当していました。タッキー&翼のコンサートのときのことです。
会場はマリンメッセ福岡。その日のセットは、メインのステージと、その左右からコの字型に花道が伸びている形でした。上から見るとステージと花道合わせてロの字型になるわけですね。ロの字型の内側はアリーナ席で、外側はスタンド席です。(ちなみに、人気のないジャニーズほどステージのサイズが大きくなって座席数が少なくなる、と言われていました)
僕の配置は、ステージと並行の位置にある花道とスタンド席の間でした。上から見たらロの字の下のところですね。スタンドと花道の間に柵があって、僕はその柵の内側で、お客さんが花道に近づいたりしないよう監視する役目でした。
この配置は、お客さんが問題行動を起こさない限りやることはありません。開演してもやることがなく、ぼーっとしながらひたすら終わりがくるのを待っていました。
そのときです。開演して30分から1時間ほどたっていたでしょうか、突然僕の目の前の、スタンド席のお客さんから大きな歓声が上がりました。お客さんはみなひとつの方向を見ています。何事かとそちらを振り返りました。
歓声の源はタッキーでした。背後の花道にはなぜか階段がついていたのですが、タッキーがその階段を降りていたのです。タッキーはそのままこちらに向かってきます。サービスとして、アドリブの行動だったのでしょうが、予想外のことに客席は興奮に陥りました。
先ほど申し上げましたように、客席と花道の間には柵があります。しかし、それはプラスチックの柵でした。よくイベント会場で客列整理のために長く連結させてある青色の柵あるでしょ?あれです。ほかの場所には鉄製のどっしりとした柵もあったんですけど、そこに設置されていたのはプラスチックのちゃちい柵。手をかければ簡単にパタリと倒れます。しかも柵同士を連結させてあるので、一ヵ所倒れれば横一列全部パタパタ倒れてしまう。
そんな柵の前でお客さんが興奮状態になり、タッキーに触れようと一斉に身を乗り出したのです。もちろん柵は大きく傾きました。
僕はあわてて柵を押さえました。瞬時に反応できたこともあって、倒壊はまぬがれました。しかし、お客さんはさらに前へ前へ身を乗り出してきます。しかも2列目3列目のお客さんまで押しかけてきます。柵にかかる圧力はどんどん増してくる。
だめだ!支えきれない!つぶれる!
死を覚悟したその瞬間、助けが訪れました。コンサート会場では、僕の会社の社員やツアースタッフのお偉いさんが、つねに場内を監視巡回しています。その人たちが危機を察知して駆けつけてくれたのです。みんなで押さえて柵を守りきりました。
タッキーは、僕が腕をプルプルさせているその横で、にこやかにお客さんとタッチを交わして去っていきました。危機を脱したのです。
自画自賛になってしまいますが、僕のとっさの反応は実に素早く、的確なものでした。もしも僕の動きがなければ、柵は倒壊し、お客さんは将棋倒しになっていたでしょう。怪我人が出ていたかもしれません。いや、ジャニーズファンが怪我しようが知ったこっちゃありませんが、倒壊したら僕が下敷きになってしまいます。一番の大怪我をするのは僕です。ほんとに死んでいたかもしれない。
そんな悲惨な事故を僕は防いだのです。超ファインプレーです。
これは2005年ごろの話です。あれからもう約15年。タッキーこと滝沢秀明君も今ではジャニーズの副社長。
皆さん、よく考えてみてください。もし倒壊事故が起きていたらどうでしょう?怪我人が出て、ツアーは中止、タッキーは謝罪会見を余儀なくされていたはずです。タッキーのキャリアに大きな傷がついていたことは間違いない。
そうなっていたら、副社長に上り詰めることもなかったでしょう。
これはつまりどういうことか?そう、あの時の僕の支えがあって、現在のタッキーがあるということなのです!僕の働きがなければ、タッキーは副社長にはなれていなかった!すべては僕のおかげなのです!
それなのに・・・タッキーからはいまだにお礼の一言もない・・・。どーいうことだ!?常識ってモンがねーのか!?
ねえタッキー、僕は今でも待ってるよ。君がネクタイ姿で菓子折り片手に僕の自宅まで謝礼に訪れるその日をね。
ズィーヤ!
去年の11月に右膝前十字靭帯の断裂と半月板損傷のケガで全治10ヶ月となった堀口。上り調子の海との試合を回避できたという意味では少しほっとしました。実力以上に、「負ける気がしない」オーラを身にまとっている海は危険だと思ってましたので。
しかしケガの程度を考えると、敗戦よりも重いのかもしれません。KIDも同じケガしてましたけど、そこからすっかり調子を落としてしまった。堀口の「遠い間合いから素早く距離を詰める」ファイトスタイルは、もう使えないのではないか。ケガを経た後の身体に見合った新しいファイトスタイルを構築できればまた活躍できるかもしれないけど、ひょっとしたらもう今までの強い堀口は戻ってこないかも・・・。あんまり考えたくないですけどね。
矢地祐介 vs 上迫博仁・・・上迫が押しててこのまま判定負けか、そうなるとついにリリースか、って思ってたらギリギリでKO。崖から落ちかけて奇跡的に踏みとどまったヤッチ君、生還。しかしライト級トーナメントのベスト4たちと渡り合っていけるんですかね。
浅倉カンナ vs ジェイミー・ヒンショー・・・4勝3敗でチャンピオンって、よっぽど人材が不足してるのだろうか。
ゴイチ・ヤマウチ vs ダロン・クルックシャンク・・・なんかクルックシャンクって首のガードが甘いですよね。
マイケル・“ヴェノム”・ペイジ vs 安西信昌・・・MMAもそれなりの歴史を重ねて、方法論が出来上がってきてますので、どうしてもファイトスタイルが似たり寄ったりになってしまうわけですが、そんな中にあってMVPのスタイルはすげー面白い。また来てくれんもんかのう。安西はパンチ大振りしすぎな気がしました。
マイケル・チャンドラー vs シドニー・アウトロー・・・単純にチャンドラーかっこいい。こういう日本であまり知られていないファイターをもっと紹介してほしいですね。
シビサイ頌真 vs セルゲイ・シュメトフ・・・簡単に足関節もらいすぎ。なんとなく昔のパンクラスのようでした。
白鳥大珠 vs 大雅・・・なんかもう大雅には切なさしか感じない。相手が悪かったのかもしれないけど・・・。でもまだ続けるつもりなら応援したいです。
山本美憂 vs アム・ザ・ロケット・・・なんか美憂ちゃんタトゥー増えてない?このまま弟みたいになるのか。
ジェイク・ヒューン vs 石井慧・・・一時期の石井って試合内容もパッとしないし、実力も中途半端な感じでしたけど、海外を主戦場にするようになってからかなり調子あげてきてました。しかし日本のリングではうまいこといかない運命なのか。あと髪型が気になりました。ハゲてきてる?
石渡伸太郎 vs 扇久保博正・・・この試合をファイナルラウンドしか放送しないとか、「フジテレビってほんとバカ」(by.美樹さやか)。2人が組み合ってる姿を見てたら赤いきつねと緑のたぬきを思い出しました。
ジョニー・ケース vs トフィック・ムサエフ・・・短時間決着となりましたけど、短い間にハイレベルな攻防があっての決着ですよね。思わず「つえー」ってつぶやいちゃいました。
ルイス・グスタボ vs パトリッキー・“ピットブル”・フレイレ・・・こちらも思わず「つえー」ってつぶやいちゃいました。
エメリヤーエンコ・ヒョードル vs クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン・・・またこの2人の試合を日本で観られる日がこようとは。しかもこの2人が対戦しようとは、想像だにしませんでした。明らかに体絞れてないランペイジ。カウンター狙いだったのか知らんけど、ほとんど何もできないまま終わってしまいました。
リンジー・ヴァンザント vs RENA・・・こういうまともなMMAファイターとの対戦を重ねていけば、RENAちゃんはアンチを黙らせることができるでしょう。リンジーのおさげはグラウンドのときに相手の目を突っつく武器ですね。あとワキのポツポツが気になりました。
朝倉未来 vs ジョン・マカパ・・・朝倉兄は「いける」ってときは前に出るけど、基本的には堅実にポイント稼ぐ戦いしますね。世界に通用するかもしれませんが、退屈な試合をするようになっていくかもしれません。タックル切る技術と腰の強さはさすが。勝利者インタビューのときに、少年院の子たちにメッセージ送ってほしかった。それよりもYouTubeなのか。「叶うと思います」って聞いて天津木村を思い出したのは僕だけでしょうか。
浜崎朱加 vs ハム・ソヒ・・・入場曲サンボマスターって、かんべんしてよ。2Rに三角許しちゃったのが痛かった。2人の頭が割れないか心配になりました。浜崎の敗戦は残念ではあるけど、今後のストーリーは面白くなりそうですね。
那須川天心 vs 江幡塁・・・なんか天心が思い描いてた通りの展開と結末で、出来すぎてて面白くない。次はカンナちゃんとのパイ投げマッチにしてくれ。
朝倉海 vs マネル・ケイプ・・・堀口戦が消えた時点で、たぶん代わりの相手はケイプになるだろうな、と推測していました。今の海の相手で一番適当なのがケイプだし、堀口へのリベンジを求めていたケイプは、判定負けを喫している海にも当然再戦を望むはずだから。なので、堀口がケガして真っ先に「海とやらせてくれ!」って名乗りを上げるんじゃないかと思っていたんです。
個人的にはケイプを応援していました。堀口戦・ウルカ戦と圧倒的な勝ち方をした海の底知れなさ加減が恐ろしくて、それをなんとか払拭してほしかったんです。それこそ稲川淳二のように「怖いな~怖いな~」って思ってたので。勝ってくれてほっとしました。ケイプはギラギラ感がなくなっていくのに反比例して、知的な戦い方ができるようになってますね。シューズ着用の場合は頭部への蹴りを禁止しなくていいんでしょうか。股間の異様なもっこりはナンダヨー。
パトリッキー・“ピットブル”・フレイレ vs トフィック・ムサエフ・・・獣が取っ組み合ってるみたいでした。パンチの音のえげつなさ。ピットブルもRIZIN出続けてくれるのかな。こういう恐ろしい強さの外人ファイターに日本人が挑む、というアングルを維持してほしい。アゼルバイジャン!
0.1%くらい「ギャビ対神取」がまだありえるんじゃないかと期待してた僕。そしてフジテレビの編集には改めて期待できなくなった僕。元谷の試合、ノーカットで観たかった。
今回の結果ケイプ対扇久保が行われることになるでしょうけど、一番予想できなかった組み合わせ。勝ってほしいのは扇久保ですけど、堀口との再戦が見たいのはケイプなんですよね。海と石渡の敗れた者同士対決も希望。
ズィーヤ!!
去年の11月に右膝前十字靭帯の断裂と半月板損傷のケガで全治10ヶ月となった堀口。上り調子の海との試合を回避できたという意味では少しほっとしました。実力以上に、「負ける気がしない」オーラを身にまとっている海は危険だと思ってましたので。
しかしケガの程度を考えると、敗戦よりも重いのかもしれません。KIDも同じケガしてましたけど、そこからすっかり調子を落としてしまった。堀口の「遠い間合いから素早く距離を詰める」ファイトスタイルは、もう使えないのではないか。ケガを経た後の身体に見合った新しいファイトスタイルを構築できればまた活躍できるかもしれないけど、ひょっとしたらもう今までの強い堀口は戻ってこないかも・・・。あんまり考えたくないですけどね。
矢地祐介 vs 上迫博仁・・・上迫が押しててこのまま判定負けか、そうなるとついにリリースか、って思ってたらギリギリでKO。崖から落ちかけて奇跡的に踏みとどまったヤッチ君、生還。しかしライト級トーナメントのベスト4たちと渡り合っていけるんですかね。
浅倉カンナ vs ジェイミー・ヒンショー・・・4勝3敗でチャンピオンって、よっぽど人材が不足してるのだろうか。
ゴイチ・ヤマウチ vs ダロン・クルックシャンク・・・なんかクルックシャンクって首のガードが甘いですよね。
マイケル・“ヴェノム”・ペイジ vs 安西信昌・・・MMAもそれなりの歴史を重ねて、方法論が出来上がってきてますので、どうしてもファイトスタイルが似たり寄ったりになってしまうわけですが、そんな中にあってMVPのスタイルはすげー面白い。また来てくれんもんかのう。安西はパンチ大振りしすぎな気がしました。
マイケル・チャンドラー vs シドニー・アウトロー・・・単純にチャンドラーかっこいい。こういう日本であまり知られていないファイターをもっと紹介してほしいですね。
シビサイ頌真 vs セルゲイ・シュメトフ・・・簡単に足関節もらいすぎ。なんとなく昔のパンクラスのようでした。
白鳥大珠 vs 大雅・・・なんかもう大雅には切なさしか感じない。相手が悪かったのかもしれないけど・・・。でもまだ続けるつもりなら応援したいです。
山本美憂 vs アム・ザ・ロケット・・・なんか美憂ちゃんタトゥー増えてない?このまま弟みたいになるのか。
ジェイク・ヒューン vs 石井慧・・・一時期の石井って試合内容もパッとしないし、実力も中途半端な感じでしたけど、海外を主戦場にするようになってからかなり調子あげてきてました。しかし日本のリングではうまいこといかない運命なのか。あと髪型が気になりました。ハゲてきてる?
石渡伸太郎 vs 扇久保博正・・・この試合をファイナルラウンドしか放送しないとか、「フジテレビってほんとバカ」(by.美樹さやか)。2人が組み合ってる姿を見てたら赤いきつねと緑のたぬきを思い出しました。
ジョニー・ケース vs トフィック・ムサエフ・・・短時間決着となりましたけど、短い間にハイレベルな攻防があっての決着ですよね。思わず「つえー」ってつぶやいちゃいました。
ルイス・グスタボ vs パトリッキー・“ピットブル”・フレイレ・・・こちらも思わず「つえー」ってつぶやいちゃいました。
エメリヤーエンコ・ヒョードル vs クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン・・・またこの2人の試合を日本で観られる日がこようとは。しかもこの2人が対戦しようとは、想像だにしませんでした。明らかに体絞れてないランペイジ。カウンター狙いだったのか知らんけど、ほとんど何もできないまま終わってしまいました。
リンジー・ヴァンザント vs RENA・・・こういうまともなMMAファイターとの対戦を重ねていけば、RENAちゃんはアンチを黙らせることができるでしょう。リンジーのおさげはグラウンドのときに相手の目を突っつく武器ですね。あとワキのポツポツが気になりました。
朝倉未来 vs ジョン・マカパ・・・朝倉兄は「いける」ってときは前に出るけど、基本的には堅実にポイント稼ぐ戦いしますね。世界に通用するかもしれませんが、退屈な試合をするようになっていくかもしれません。タックル切る技術と腰の強さはさすが。勝利者インタビューのときに、少年院の子たちにメッセージ送ってほしかった。それよりもYouTubeなのか。「叶うと思います」って聞いて天津木村を思い出したのは僕だけでしょうか。
浜崎朱加 vs ハム・ソヒ・・・入場曲サンボマスターって、かんべんしてよ。2Rに三角許しちゃったのが痛かった。2人の頭が割れないか心配になりました。浜崎の敗戦は残念ではあるけど、今後のストーリーは面白くなりそうですね。
那須川天心 vs 江幡塁・・・なんか天心が思い描いてた通りの展開と結末で、出来すぎてて面白くない。次はカンナちゃんとのパイ投げマッチにしてくれ。
朝倉海 vs マネル・ケイプ・・・堀口戦が消えた時点で、たぶん代わりの相手はケイプになるだろうな、と推測していました。今の海の相手で一番適当なのがケイプだし、堀口へのリベンジを求めていたケイプは、判定負けを喫している海にも当然再戦を望むはずだから。なので、堀口がケガして真っ先に「海とやらせてくれ!」って名乗りを上げるんじゃないかと思っていたんです。
個人的にはケイプを応援していました。堀口戦・ウルカ戦と圧倒的な勝ち方をした海の底知れなさ加減が恐ろしくて、それをなんとか払拭してほしかったんです。それこそ稲川淳二のように「怖いな~怖いな~」って思ってたので。勝ってくれてほっとしました。ケイプはギラギラ感がなくなっていくのに反比例して、知的な戦い方ができるようになってますね。シューズ着用の場合は頭部への蹴りを禁止しなくていいんでしょうか。股間の異様なもっこりはナンダヨー。
パトリッキー・“ピットブル”・フレイレ vs トフィック・ムサエフ・・・獣が取っ組み合ってるみたいでした。パンチの音のえげつなさ。ピットブルもRIZIN出続けてくれるのかな。こういう恐ろしい強さの外人ファイターに日本人が挑む、というアングルを維持してほしい。アゼルバイジャン!
0.1%くらい「ギャビ対神取」がまだありえるんじゃないかと期待してた僕。そしてフジテレビの編集には改めて期待できなくなった僕。元谷の試合、ノーカットで観たかった。
今回の結果ケイプ対扇久保が行われることになるでしょうけど、一番予想できなかった組み合わせ。勝ってほしいのは扇久保ですけど、堀口との再戦が見たいのはケイプなんですよね。海と石渡の敗れた者同士対決も希望。
ズィーヤ!!