徳丸無明のブログ

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リスカ スーパーBIGチョコ

2020-12-11 23:07:35 | 
今日はリスカのスーパーBIGチョコです。ほんとにビッグなので画像を2分割。






本日は第19回私が好きなマンガの話。今回取り上げるのは喜国雅彦の『傷だらけの天使たち』(全3巻・小学館)です。
今は無きヤングサンデーで連載されていた4コマ漫画。個人的には商業誌の4コマの中で一番面白いマンガだと思っています。喜国さん(「ヨシクニ」ではなく「キクニ」と読みます)は『月光の囁き』の評価のほうが高いのかもしれませんけど、僕はやっぱり『傷天』ですね。
基本的に1話(1本)完結だけどシリーズものもいくつかあって、貧しい親子、一見爽やかだけど実は変態の高校生カップル、砂漠をさまよう冒険家、007的な人たち、ホモっ気のある柔道部キャプテンなどが主要メンバーで、たまに作者自身も登場します。言葉で説明しても面白さは伝わらないだろうからとにかく読んでほしいんですけど、A5版のコミックスはとっくの昔に絶版のはずで、文庫版ならまだ入手しやすいかと思いますが、いずれにせよもう中古じゃないと買えないかも・・・。
いやね、すごいんですよこの作品は。言ってしまえばバカバカしいギャグ、くだらない下ネタのオンパレードなんですけど、人間の悲しさや世の理不尽さなんかも笑いに昇華されていて、手塚治虫の『火の鳥』にも通じる深遠な哲学が込められてるんです。いや、喜国さんが意図的にそういう作品に仕立てたわけではないんでしょうけど、読む人が読んだらいくらでも深い哲学をくみ取ることができるマンガなんですよ。少なくとも僕はそう感じました。
今はマンガの自主規制も厳しいからこういうギャグはもう出てこないでしょうね。なのでたぶん「日本一面白い4コマ」という自主評価は揺らぐことはないでしょう。たぶん。
喜国さんは古本とミステリーがお好きで、その嗜好をもとにしたエッセイ「本棚探偵」シリーズもありまして、近年ではマンガ以外の活動のほうに重点を置かれているようです。
あとこの記事を書くにあたって調べてみたんですけど、『日本一の男の魂』って19巻まで出ていたんですね。ヤングサンデーの休刊にともなって連載終了になった作品なので、ヤンサンがなくなってなければどこまで続いていたのか・・・。喜国さんのその後の作家人生も違ったものになっていたかもしれません。


ここで新型コロナウイルス関連身辺ニュース、ではなく雑感。
8日からイギリスで一般のワクチン接種が始まりました。デイリーミラー紙には「今日から私たちの反撃が始まる」という、『進撃の巨人』みたいな見出しが躍っていました。日本にしたら、イギリスで副作用が起きるかどうか様子を見ることで、ファイザー社のワクチンが大丈夫か確認できる形になります。それがいいことなのかどうなのか・・・。

人類共通の危機と言われている新型コロナ。21世紀初のパンデミックは、グローバル化のために地球をくまなく覆いつくし、どの国も他人事ではなくなっています。
しかし、これは本当に危機なのでしょうか。視点を変えてみると、必ずしもそうとは言えないかもしれません。
現在、世界人口はかつてないほど増加しています。先進諸国をはじめとして、少子化の流れが生まれてはいますが、それでもしばらくの間は増加傾向が続くそうで、今世紀の中頃にピークを迎えると予測されています。一説によると97億人ほどになるとのこと。
その2050年ごろには、深刻な食糧不足が起きるという予測もあります。水資源も不足し、世界中で争奪戦が起きると見込まれているのです。「2050年問題」です。
このまま人類が繁栄を謳歌していけば(もちろん局所的には紛争やテロや災害などがあるわけですが)、飢饉やら、食料争奪をきっかけとした戦争やらが起きるかもしれないのです。しかし、コロナによって人口の増加が抑えられれば、2050年に訪れるであろう過剰人口による諸々の悲劇を回避できるかもしれない。完全な回避とまではいかなくても、いくらか緩和することはできるでしょう。
つまり視点を変えてみると、「コロナという悲劇」によって、「2050年の悲劇」を低減させている、というふうに考えられるのです。ひょっとしたら、「コロナの悲劇」よりも「2050年の悲劇」のほうがずっと大きいのかもしれない。だとすると、小さな悲劇によって大きな悲劇を打ち消してるということになる。
もし仮に「2050年の悲劇」が、人類に破局をもたらしかねないほど深刻なものだとすれば、コロナのお陰で破局を回避できるということになる。
断っておきますが、僕は「2050年問題を緩和させてくれるからコロナが発生してよかった」とか、「コロナなんて2050年問題に比べたら大したことない」などと言いたいのではありません。現在から2050年までの長期的な流れで見た場合、コロナのとらえ方も変わってくるのではないか、ということです。2050年の時点で現在を振り返ったら、コロナがあったから結果的に破局を回避できたね、と考えられるようになるかもしれない、という推測の話をしているのです。
ただ、塞翁が馬という言葉を安易に使うべきではないでしょう。現時点では、まだはっきりしたことは言えないのです。コロナの被害はどれほどのものになるのか。2050年ごろに起きる食料不足などの諸問題は、人類の努力によっては克服することができず、戦争を帰結してしまうのか。今の段階では、確定的なことは何も言えません。
ただ、あとになってコロナの評価が変わるかもしれない、ということは言えます。「あのときコロナが流行ってくれたお陰で食糧不足がほどほどで済んだ、今となってはコロナ様々だ」というふうに、人々が語り合う日がくるかもしれない。
そういうふうに、想像の未来から今この時を眺めてみるのも、知恵を働かせるためのトレーニングとして、悪くない試みではないでしょうか。


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18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いつも思う (和田ヶゐ)
2020-12-11 23:41:58
塞翁が馬・・・毎回調べても意味を忘れる謎の言葉・・・(@_@)

そして、何故かわからないけどBバージンを思い出しました(有名かも謎)
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和田ヶゐさん江 (徳丸無明)
2020-12-13 01:07:13
Bバージンってマンガですか?
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Bバージン・・・ (和田ヶゐ)
2020-12-13 01:35:20
伝説の漫画ですよ!!!!(@_@)

誰の漫画か忘れたけど・・・ものすごい漫画です(記憶で美化してるかもしれませんが)
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和田ヶゐさん江 (徳丸無明)
2020-12-14 00:06:52
どう凄いんですか。
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Bバージン (和田ヶゐ)
2020-12-14 00:38:15
意味としては、好きな人のために道程を捨てない人のことを指して・・・(@_@)

で、好きな人を落とそうとする話なんだけど・・・

なぜか途中から環境問題云々の話になり・・・

そして、その好きな彼女にも悲しい過去が・・・

それでいて、何故か最後の最後まで結構面白い!!!という

よくわからない漫画です!!

あと、絵がまあまあ下手だけど、何故か主人公がかっこいいです
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和田ヶゐさん江 (徳丸無明)
2020-12-15 00:26:41
連載が長引くにつれて話がおかしな方向に行くという、長期連載にありがちな展開をたどったのですね。
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そう!! (和田ヶゐ)
2020-12-15 01:00:39
そしてこの作者の最初で最後の長編です(@_@)
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和田ヶゐさん江 (徳丸無明)
2020-12-15 22:29:26
それは遊んで暮らせるくらい稼げたということなのか、マンガ描くのがしんどくなったのか・・・。
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いや (和田ヶゐ)
2020-12-15 23:17:33
ほかの漫画が売れないだけですよ(@_@)
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和田ヶゐさん江 (徳丸無明)
2020-12-17 21:40:27
その後もいくつか連載持ったけど、すぐに打ち切り食らったということですか?
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