房総閑話

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『神戸ステンドグラス殺人事件』 ~ 大谷 羊太郎

2008-04-25 00:08:50 | 神戸を舞台にした本
久し振りの神戸を舞台にした本です。
今回は、大谷羊太郎の『神戸ステンドグラス殺人事件』(実業之日本社)です。

神戸を舞台にした推理小説はなくて本当に久し振りです。
その久し振りのこの本が、
今までの本の中で神戸の描写が一番表現されていると思います。

事件は東京のステンドグラス教室の生徒さんに起こるのですが、
登場人物が神戸に絡んでいるのです。

そこで、2人の刑事は神戸に聞き取りに行きます。


『大阪を過ぎ、どこまでも続く都会の建物群の中、
西に疾走する新幹線のぞみは、不意にトンネルに入った。
長いトンネルだ。やっと抜けたと思ったら、そこが停車駅だった。
・・・・
ホームの両側は崖で、上には樹木が茂っている。
耳を澄ますと、渓流の音まで聞こえる。
・・・・
ホームを階段の方向に少し歩くと、今度はガラス壁の向こうに海が広がり、
眼下には神戸市街が望める。』


刑事が新神戸駅に着いたときの描写です。
まさにこの通り、新神戸駅はトンネルとトンネルの挟まれた駅です。
布引の滝から流れてくる渓流の音が涼しさ呼びます。
そして、新神戸駅は高台にあるため、神戸に来たことをすぐさま実感できるのです。


刑事は、兵庫県警に出向き、北野の異人館へ。
北野から生田神社。サンチカ。三宮センター街。旧居留地。
神戸の観光ガイドのように、きめ細かく描写されていきます。


事件は思わぬ展開になるのですが、
そこで、2回目の神戸出張になります。


東灘区の六甲山の麓のなだらかな傾斜地の住宅地から見た六甲アイランド。
そして、神戸市役所。


『「えっ、これから市役所?もう夜ですよ。まさか市役所の裏口で待ち合わせ、
なんて言うんじゃないでしょうね。」
「いや、市役所はね、午後十時まで開いているって聞いてるよ。そしてこの時間は、
とてもロマンチックな場所に変わっているはずだ。」
「えっ、市役所がロマンチック?」』


そして、この後は神戸市役所の24階から見た神戸の海側・山側の夜景が描かれます。

神戸市役所の展望階はレストラン共々、日曜日も開放しています。


このあと、2人の刑事は夜の花時計に行きます。

花時計は神戸市役所の通りの角地にあります。


新神戸から北野、生田神社、元町、南京町中華街、センター街、サンチカ、
花時計、東遊園、神戸市役所、旧居留地。

ゴールデンウィークに神戸観光を予定されている方は、
一度この本を手にとって見てはいかがでしょうか。

まだまだ、この本に載っていない、神戸駅からモザイクへの海側もまさに神戸です。




  


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