大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

日々の恐怖 8月11日 輸入雑貨の卸業(1)

2022-08-11 19:40:57 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 8月11日 輸入雑貨の卸業(1)





 これは自分の知人で、輸入雑貨の卸をしているSさんから聞いた話で、ほぼ実話というか、聞いたとおりの内容です。
触れないほうがいいかとも思ったんですが、Sさんのひととなりを説明すると、若いころは、あるところの正式な組員になってまして、懲役、刑務所暮らしも経験しています。
今はカタギなんですけど、日本ではカラシ色のスーツに雪駄、金縁眼鏡で、金のブレスをつけてます。
 ところが仕事で東南アジアに行ったときには、地味な、どっから見ても現地の貧乏人という格好で、髪も脂ぎった黒に染めなおして、すっかりまぎれ込んでしまってるんです。
学歴とかはわかりませんが、東南アジアの現地語を数か国語、日常会話程度できます。
自分とはインドネシアで知り合ったんです。
 某国でのことです。
午後からSさんは屋台に出かけ、イスでココナッツミルクをアルコールで割ったものを飲んでいると、通りでドガーンという音がして、ふり向いて見ると、通行人が宙に舞っていました。
せまい通りを無茶なスピードで飛ばしてきた車に轢かれたんですね。
 その人は布のアーケドの上で一回バウンドし、さらに地面に落ちて激しく転がり、やっと回転が止まってうつ伏せのままになりました。
血は流れていなかったんですが、ピクリとも動きません。
30代くらいの男でした。
 轢き逃げではなく、車は停まって(トヨタだったそうです)小金持ちそうなやつが降りてきましたが、被害者を介抱するなどのそぶりはまったく見せず、壁にもたれて携帯で話し始めました。
で、動き出したのは屋台村のSさんのそばで飲んでいたやつらです。










童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日々の恐怖 8月3日 八重... | トップ | 日々の恐怖 8月17日 輸... »
最新の画像もっと見る

B,日々の恐怖」カテゴリの最新記事