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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 4月2日 ガノンドロフ(1)

2025-04-02 15:53:02 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 4月2日 ガノンドロフ(1)





 父親は定年になるまで、小さな工場の副主任をやっていた。
豆腐工場なので出勤するのは夜中9時ごろ、帰ってくるのは午前中だった。
さも当たり前のように"豆腐工場なので"と書いたが、たぶん朝にスーパーに並ぶ
豆腐のために夜中働く必要があったのではないかと推測している。
 夜勤生活なので平日の昼間は寝ているが、土日は日中でも俺を含めた3人の子
供を遊びに連れていってくれたりして、しんどかっただろうに無理してくれてた
んだなと今になって思う。
だが当時の父親は文字通りの亭主関白、何かあればげんこつが飛んでくるし、短
気でガノンドロフみたいな見た目なので子供の俺には怖かった。
 俺の実家は離島の小さい町。
住所とかに”大字”がつくようなところだった。
そういう小さい町だから当時は近所の結びつきとかが強くて(今は知らん)、新聞
の集金のおばちゃんだったり、薬箱の中身を補充しに来るおじさんだったり、家
にやってくる人がだいたい顔見知りだった。
 現に新聞集金のおばちゃんは近所に住んでいて、おばちゃんの旦那さんは子供
たちに公民館で相撲を教えてたりしてた。
父親も町の祭りや行事にはほどほどに参加していて、町のおっさんたちにも認知
されてたから、俺も○○さんの息子って感じで認知されてたと思う。
今はアウトだろうが、夏休みには町に1か所しかない個人商店でビールのお使い
をよく頼まれて、実際買えた。
レジのおばちゃんも特段気にせず、6缶パックを小学生の俺に渡していた。







 
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