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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 3月23日 ガキの頃の話 (11)

2025-03-23 14:39:10 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 3月23日 ガキの頃の話 (11)





 食事中も、

「 おっさんの家が、どうのこうの・・・。」

とか、

「 金持ちのおっさんに気に入られた。」
「 今度おっさんから、バイオリン習う約束した。」

とか、訳の分からないことを繰り返し、見かねた父親がMに、

「 何があったのか全て話せ。」

と詰め寄り、観念したMが賽銭泥棒のことも含め全てを話した。

「 罰当たりなことして!」

と当たり前のごとく父は兄弟をぶん殴った。
 が、それ異常に恐ろしかったのはS・Mの母。
Sを全裸に縛り上げ風呂場へ連れて行くと頭から水を何度も浴びせたあと、部屋
へ連れ戻すとベッドの柱に全裸状態のSを縛り付けタバコの火を体中に押しつけ
た。
 タバコの押しつけはお灸と称し、除霊だと言いしばらく続いた。
風邪や蕁麻疹なんかではなく、母親がSを軟禁していたからSは学校へ来られな
かったとKから聞かされた。
除霊と称して夜な夜なSの体を痛めたそうだ。
 母親は、

「 Sだけ除霊しても無駄!」

と言い、

「 Kを除霊しないと、お前ら一家は焼け落ちる。」

などと言い、

「 除霊してやるから来い!
Kを出せ!」

とK宅にもわめき散らしに来た。
この様子だと俺宅にもS・M母が行くだろうと思ったSとKは、俺は関係ないを
徹底して一切俺の名前を出さなかった。
 一時的に可笑しくなったSも除霊のおかげか正気に戻り、Mがチクったことは
すぐに分かった様子でみんなに言わないかわりにKと俺は関係ないと、誰に聞か
れても言うようにと言い聞かせたそうだ。
その話を聞いた俺はSの気持ちを知りまた泣いた。
 結局、一時的なSの奇行や謎のおっさん事件は、賽銭泥棒によって何かに魅入
られたからかどうかは分からないままだけど、Sの母親の狂気の話はその後も
度々耳にすることになった。
 この件より前からSに対しての体罰があったこと、Mに対してはごく普通の母
親だったこと、学校へチクったのはこの母親が匿名で他人を装って電話をしたら
しく、本当に俺とKが無関係か確かめる為だったと後から知った。
 S・M父親は愛想を尽かしたのかその数年後、夜逃げをするように居なくなっ
た。
その後S・Mは父方の祖母に引き取られた。

 俺は高校生になる頃に、家族でその田舎から引っ越した。
Kとは大人になってからも変わらず友達でいた。
 数年前、K伝手にS・Mの身内から世間を騒がした事件の犯人となる者が出た
と聞いた。
さらにその数年後、S・Mの引き取られた先の祖母の家が火事で焼け落ちたこと
を知った。
タバコの不始末による火事とされているが恐らくはあの女がやったのでは?と身
内同士では語っているらしい。
 Kはというと、お前の家は狐に祟られていると言われ油揚げを口に加えて跳ね
回りながら家に押しかけられたのを最後に縁をきったりとのこと。
どこまでが祟りでどこからが人間の異常性なのか未だに分からない話だった。
長文になったけど、実際にあったはなし。
分かる人には身バレしそうだから多少脚色した。
最後に、その神社では未だに数年に一度首吊り自殺があるらしい。










 
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