日々の恐怖 12月30日 エレベーター(6)
以下は上司から聞いた内容です。
上司は踊り場で、物凄く恐ろしい顔でこちらを睨みつけるおばさんを見たと言った。
薄暗い階段ではあるのだが、輪郭から色彩まではっきりとわかるぐらいでそのおばさんを見てしまい、思わず、
“ 何かあったのかな・・・?”
と思い、
「 どうかしたんですか?
清掃の方ですよね?」
「 ・・・。」
何も答えないおばさんを不思議に思いながら、
“ どうしよう・・・。”
と再度声をかけようとしたところで、おばさんが急に、
“ パッ!”
と消えてしまったとの事だった。
上司も、
“ えっ・・・・!?”
と驚き、急いで5階の事務所に戻り、気を落ち着かせてからエレベーターを使って帰宅したらしい。
警備員さんは巡回中で警備員室に不在だった為、警備員さんには何も告げずに帰宅し、やはりその事は誰にも言えず、気にかかっていたようだ。
童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ