大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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しづめばこ 10月25日 P534

2018-10-25 17:40:18 | C,しづめばこ



 しづめばこ 10月25日 P534  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
下記のリンクに入ってください。
小説“しづめばこ”



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日々の出来事 10月25日 パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・フアン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・シブリアーノ・センティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ

2018-10-25 07:00:00 | A,日々の出来事_






  日々の出来事 10月25日 パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・フアン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・シブリアーノ・センティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ






 1881年10月25日、一人の芸術家が生まれました。

「 旦那様、大変です!」
「 どうしたの、産婆さん?」
「 生まれてきた赤ちゃんが息をしていません!」
「 ええっ、それは大変だ!」
「 お湯で体を温めても、背中を叩いても息をしないんです!」
「 ああ、神よ・・・。
 えっ・・・・!
 サルバドール叔父さん、何をするんですか?」
「 もう、破れかぶれだ!」

“ フウ~ッ!!”

「 叔父さん、葉巻の煙を赤ちゃん鼻の穴に吹き込むなんて!」

“ オギャ~、オギャ~!!”

「 あらっ?」
「 すごいわ、赤ちゃんが泣き出した!」
「 おお、奇跡だ、奇跡だ!」
「 じゃ、赤ちゃんに名前を付けるぞ!」
「 ちょっと、待った!」
「 え、どうしたの?」
「 これは、大変有り難い奇跡だから、親戚みんなに知らせて、良い名前
 を付けることにしよう!」
「 そうだな。
 ま、急ぐことも無いか・・・。」

数日後、親戚がやって来ました。

「 あの~、親戚みんな、この奇跡にあやかりたいって、自分の名前を入
 れちゃって・・・。」

“ パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・フアン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・シブリアーノ・センティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ
(Pablo Diego Jose Francisco de Paula Juan Nepomuceno Maria de los Remedios Cipriano de la Santisima Trinidad Ruiz Picasso)”

「 なんだか、落語の“寿限無”みたいな名前だな・・。
 有り難いから、ま、いいか!」

でも、この赤ちゃんは成長しても、この名前に無関心で、単に“パブロ・ピカソ”と名乗りました。
 ピカソは、算数が大嫌いで、アルファベットも覚えることでさえ嫌がるほどでしたが、幼い頃から父親に写実画を教えられたことから美術の道に進むことを考え、16歳の若さでマドリードの美術学校の入学試験に合格します。
 しかし、その後、ピカソは宮廷画家に魅力を感じられず美術学校を中退、1902年パリに移住してからは、“青の時代”“バラ色の時代”“アフリカ彫刻の時代”“分析的キュビスムの時代”“新古典主義の時代”へと作風を変えながら、20世紀の多くの画家に影響を与えました。
また、絵画ばかりでなく彫刻、陶器、版画等に数え切れないほどの多くの作品を残し、最も多作な画家であるとギネスブックに記されています。







  泣く女
















☆今日の壺々話










ピカソの七つの提言




1. 必ずできると信じろ

「思いついたことは出来る。思いつかないものは出来ない。これは避けがたく、明白なことだ。」


2. 限界を超えろ

「私はいつも自分の出来ないことをする。どうやればいいのかわかるからだ。」


3. 「その時」を待つな

「インスピレーションは常に存在する。見つけに行くんだ。」


4. 動け

「明日に引き伸ばせば、それは死んでしまう。」
「行動がすべての成功の鍵だ。」


5. 正しく問え

「他の人間はなぜそうなったかを問う。私はいつも何ができるのか、なぜできないのかを問う。」


6. ジャッジせず、隠された美を見ろ

「我々は脳をブン投げて、ただ目だけで見ることができればいいのだが。」


7. 遅すぎるなんてことはない。

「若さと年齢は無関係。」


















       泥棒




 パブロ・ピカソの家に泥棒が入り、捜査のために警察がやって来ました。

「 う~ん、いろいろ盗まれたんですね。」
「 そうです、もう、大変なんですから!」
「 で、犯人を目撃したと聞いてるんですが。」
「 ええ、もう、似顔絵が描いてあるんですよ。」
「 さすが絵描きだ。
 どれどれ・・、うん、心当たりがあるぞ!
 急げ、それっ!」

 警官は、犯人を捕らえるため家から飛び出して行きました。
そして、一時間後、ピカソの家の玄関のチャイムが鳴りました。
ピカソが玄関を開けると、そこには警官が立っていました。

「 ピカソさん、喜んでください。
 犯人を逮捕しました!」

その警官の手には、ホウキと欠けた西洋皿、そして三角定規が握られていました。
















ピカソの絵 破損


ピカソの絵に接触し破損 NYの美術館で女性客(2010/01/25 14:57)

 ニューヨークのメトロポリタン美術館は24日、同館に展示してあるピカソの絵画「役者」(1904年~05年)に女性客が誤って接触し、一部が破損したと発表した。ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)などが報じた。
 発表によると、女性はピカソ作品が展示されている同館2階のコーナーで開かれた成人講座に出席中、バランスを失って絵に倒れかかり、右下部分を長さ約15センチにわたって破いた。女性の氏名は明らかにされていないが、けがはなかった。


ピカソの絵(本物)を鑑賞中のバカ女 バランスを崩して倒れ、絵を引っつかむ → ビリビリバリ~

この女どこのダリだ?

故意かモネ

しばらくこの絵はミレーないな

マジかよ、大ヴィンチだな

まったく何シャガールんだ

写楽せい!

「おまえノワルふざけにはもう飽き飽きだ」
「なら死んでもらおう」

ゴーギャンかせんと、イカン!

たった15センチだろ?ちっせぇな、ムンク言うなよ

値打ちがシャガールな

上手いなあ

おまえら全員笑点でろでろww

なにこの誰うまオンパレードwww

ウンパルンパだな。

















ラッセン



「 駅ビル内をふら~っと歩いてたら、“お客様、お客様!”と宝石店のカウンターから、大人びた女性店員が俺を呼んでいた。
時間もあったことだし、カウンターまで近寄ってみた。
 カウンター内の店員が、俺に婚約指輪を今からローンを組んでおけば、いずれ婚約した時に楽ですよと話しかけてきた。
そして、若い女性店員が俺の隣に腰掛け、否定する俺に巧妙に相槌を打ったり、時にはカウンター店員の話を煽ったりして、婚約指輪のローンを組ませようとしていた。
俺は端からそんな話では契約する気もサラサラなく、1時間以上話を聞いたが断ってビルを出た。
 それから何年かしたら宝石店が潰れたというニュースが出て、ホラ見ろと思ったよ。
テレビで話題になっている、怪しげな壺なんて買うヤツの気が知れないね。
ホント、馬鹿かと。
 そんな俺も、画廊の販売員の彼女が出来たんだけど、まだ手も握ってない。
今、俺の部屋には彼女が好きだと言うラッセンの絵が3枚飾ってある。」
「 ふ~~ん、じゃ、俺の話も聞いてくれよ。
昨日、人生初めて逆ナンされた。
 彼女は俺が太ってる事なんか、全然気にしないって言ってくれた。
なんか、すごく優しくて可愛くていい子だった。
絵を売る仕事をしているらしく、男気を見せるために思い切ってラッセンの絵を買った。
今飾ってるけど、マジでかっこいい。
47万円の価値は十分にあると思う。」
「 俺だってラッセン持ってるぞ。
俺たち、仲間だな、仲良くしようぜ!
彼女の職業も一緒だし!
 あ、遅れていたヤツが、ようやく来た。
おせ~よ!」
「 ホント、オマエ、おせ~よ。
何、やってたんだよ!」
「 あ、悪い、悪い、ちょっと絵を買っていたから・・・。」


















美術史




宗教画の時代
 ↓
もっと人間社会のありのままを描きたい!
 ⇒ルネサンス(遠近法の発明)
 ↓
以降、写実性重視の時代がずっと続く
 ↓
19世紀ころ、写真の発明により画家達の生命ピンチ
 ↓
そんななか、日本の浮世絵に感銘を受けた一団
「3次元を2次元に忠実に写し取るより、
もっと感じるままに描いたらいいんじゃね?」
 ⇒印象派、ポスト印象派の登場

 ↓(ここから様々分岐、発展)

・「つか、色とかも見たとおり描かなくていいんじゃね?」
 ⇒フォービズム
 
・「形とかも見たとおり描かなくていいんじゃね?」
 ⇒キュビズムの登場・・・ピカソはたぶんこのへん

・「現実にあるものを描かなくてもいいんじゃね?」
 ⇒シュールレアリズムの登場

・「つか、もうどうでもいいんじゃね?」
 ⇒抽象絵画、ドリップアートとかいろいろ登場




















シンジュクハイツ






 私が以前住んでいた、その旧いアパート。
シンジュクハイツといいます。
戦後、復興期に建てられた建物が、それまで都市開発を生き延びたのはまさに奇跡と言えるでしょう。
木と煉瓦とコンクリートとモルタルで形造られたアパートは、格好つければ古き良き、ありていに言うと只のボロアパート。

 隣のおばあさんは、夕暮れ時には魚を焼くこうばしい臭いや、煮込まれたカレーの香り、ほくほくのご飯が沸きたてるあったかい空気を、毎日日替わりで私の部屋まで漂わせます。
私の懐が寒くて、晩飯抜きを決め込んで、それでも部屋で安いウイスキーを煽っている時に限って、独り暮らしでつい作りすぎちゃって…と、お裾分けを持ってドアを叩いてくれます。
私はいつも有難く頂くのですが、おばあさんの手料理を食うと、とっくに忘れた筈の、故郷の母親を思い出だしてしまうので、私にとっては痛し痒しではありました。

 向かいの部屋の50がらみのおっさんは、20世紀のピカソを自称する芸術家です。
私が暇な時…そうでない時の方が非常に珍しかったのですが…暇な時に限って、私のドアを叩く。
そうして、彼の部屋に呼ばれては、真っ暗な背景に赤いドレスを着た女が描かれている絵に囲まれて、安いウイスキーで、グラスを干しあいました。
 20世紀のピカソが描くのは、何故かどれもこれも同じく、真っ暗な中にぼんやりと赤いドレスの女が浮かび上がる、下手糞な絵ばかりです。
これは、ピカソと言うより、ドガだな。
と、私は思ったものですが、自ら、俺は20世紀のピカソだと言い張るおっさんにはそんな事も言い出しかね、おまけに、ピカソは20世紀の人間だ、しかもまだ生きてるしと、そんな当たり前の事も知らない芸術家に、そんな当たり前の事も言えずに、飲んでいたものです。

 二階には、ジゴロが住んでいました。
売れないジゴロです。
ジゴロの癖に、女に騙されてばかり。
いい女、紹介してやるよ、が、私に対する口癖なのですが、たまに夜の街で見かける彼は大抵、ぶよぶよふくれた有閑マダムの、きつすぎる香水の中に引き摺られて歩いておりました。
 夜、彼の仕事が無い時は―1年の内、300日位がそうでしたが―彼は私の部屋にやってきては、安いウイスキーを飲むのでした。
彼は、酔うと必ず、ウイスキーって、憂い好き…なんだよな…憂いが好きな男が飲む酒なんだよな…と、私に同意を求める様に呟いたものです。

 そう言えば、管理人、と称する爺さんが、1階の隅に住んでおりました。
復員軍人だと言う事で、名誉の負傷か、片足を引き摺って歩いておりました。
 20ほどある、シンジュクハイツの部屋も、いまや数戸が埋まるのみで、管理人と言っても殆どする事は無きに等しい。
たまに廊下の電気でも切れれば良いものを、そんな事は私が住んでいた間には一度も無く、水周りが壊れたとか、換気扇が壊れたとか言う事も無く、シンジュクハイツは、ここだけ時間が停止している様に、何事も無く毎日をやり過ごしておりました。
 そんなところなので、管理人の爺さんは日がな1日、シンジュクハイツの玄関口に出した椅子に座って、ネコを抱いて昼寝をしておりました。まるで、永眠しているかの様に、安らかに。

 どこの部屋に住んでいるのかわかりませんが、いつも白い軽げなワンピースを着た綺麗なお嬢さんも、シンジュクハイツには住んでいました。
何度か通りすがり、透き通る様に綺麗な人だなあと、密かに憧れていたのですが、或る日私が、自室のオンボロのレコード・プレーヤーでワーグナーを聞いていた時にドアが叩かれ、開けると彼女が居ました。

「 ごめんなさいワーグナーが聞こえてきたから。
このピアノ曲のレコード、私持ってないの。
ピアノ・ソナタ ニ短調、好きな曲なのだけど。」

と言いながら、そうする事が当然の様に私の部屋にあがりこみ、レコード・プレーヤーの前にちょこんと座ったのが、そう言う事が何度も続く初めでした。
 彼女は、このレコードは持ってないのと言いつつ、毎度毎度私のレコードを聴いては帰るのですが、終ぞ一度も彼女がレコードを持って来ることはありませんでした。
でも、良かったのです。
彼女がレコードに聴き惚れるその横顔を見ているだけで、私の心には恋の曲がカンタービレで演奏されていたのです。

 或る朝、私は驚天動地の大音響で目覚めました。
それはまさにこの世の終わりかハルマゲドンかと言う騒ぎで、がおわわわーんとの轟音と共に、シンジュクハイツが大きく揺さぶられ、その都度、がららららとその一部が崩れ落ちる音が響きます。
一拍置いて、またがおわわわーん。
そして、がらららら。
 その轟音が徐々に私の部屋に迫ってきたので、矢も盾もたまらないと、ドアを蹴破るように開けると、薄暗かった廊下は今や白日の陽が差し込め、かび臭さも霧散しております。
と言うのも、シンジュクハイツは半壊し、壊れた屋根壁から陽の光が降り注いでいたのです。
 みると、浅間山荘みたいな、巨大な鉄球が、唸りをあげてこちらに向かって来る最中でした。
思わず身を伏せた私の頭上を通り過ぎた鉄球は、屋根の残りの部分を粉砕し、瓦礫が私を襲いました。
 隙を見て駆け出し、おおいやめろやめろと、両手を振り回しながら叫ぶ私を、大勢の作業服が唖然と見つめるのが判りました。

「 おい人がいるぞ 作業中断 機械を停めろ 作業開始前に確認したのに 監督を呼べ 何で廃墟に人がいるんだ あなたこっちへ大丈夫ですかお怪我は なんてこったい 何で人が居るんだ 廃墟に人が。」

口々に叫ぶ作業員達の声を聞きながら、私は、気が遠くなり…………、

“ あ・やっぱり・ここは・ここは・ハイキョダッタンダ…ソウイエバ・ハジメテ・ここに来た時・無一文で・アメガフッテテ・アマヤドリシテ・廃墟だから・中に入って・雨宿り・シテテ・・・そのままキガツケバ・コノアパートニ・スンデイテ・このアパートの住人に・ナッテイテ…。”

気がつくと、私は、工事現場の事務所に寝かされておりました。
 私が勝手に、廃墟に住みついていたと思い込んでいる現場監督達は、

「 本来なら、建造物侵入罪や不法占拠になるのだが、こちらも一々警察に届けると、工期も遅れて面倒だし、こちらとしては一休みして出て行ってくれればそれで…アンタがねぐらにしていた部屋にも、荷物らしい荷物は無かったけど…。」
「 あ、いいですいいです。
ちょっと、雨宿りに使っただけですから。」

そう言い残し、行く当ても無く、私は事務所を出ました。
 このあたりは、全部旧い建物を壊して地ならしして、霞ヶ関ビルよりも大きなビルが建つんだよ…、そんな風に言っていた現場監督の言葉を思い返しながら、後ろからワーグナーでも聞こえてきやしないかと思いましたが、私の背後には、シンジュクハイツが崩れ去る轟音だけが鳴り響くだけでした。


















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10月24日(水)のつぶやき

2018-10-25 06:53:49 | _HOMEページ_

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