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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 10月14日 IPad(2)

2024-10-14 09:41:17 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 10月14日 IPad(2)





 姉は赤ちゃんを膝に乗せなおし、

「 はい、おじいちゃんって言ってごらんー!」

と赤ちゃんにIPadを向ける。
 赤ちゃんはその日一番長々と、

「 うあうあー!きゃきゃー!!あーい~、きゃきゃ~!」

とIPadの画面を叩きながらはしゃいだ声を上げた。
すると画面に、

”大宮さんがきよる”

と表示された。
 姉が、

「 えー、なんか文章になった!
すごい~!
大宮さんて誰かな~??」

と笑う。
すると祖父母が、

「 えっ!?」

と画面に顔を近づける。

「 大宮さんて、この機械に入れよるんかね?
名前を入れよるんかね?」

祖父が不思議そうに画面を眺める。
姉は、

「 えっ??」

と祖父を見る。
 祖母が、

「 大宮さんて網元の、おじいちゃんのお友達じゃった人じゃが。
大宮さんが来よる、いいよるね・・・・。」

と、同じく不思議そうに画面を見る。
すると母親が、、

「 あの・・・・・。」

と窓を指差す。

「 離れの方に・・・・。」

全員が窓の外を見ると、庭の向こうの離れの前に、日よけの帽子を被ったような人影が
俯きがちに立っているように見えた。
 祖父はすぐに、

「 大宮さんじゃね・・・。」

と呟く。
祖母も、

「 大宮さんじゃあ。
2月に亡くなりはったんじゃけどね、なしてじゃろうね・・・。」

と窓の外を見つめる。
 俺たちは、

「 え?え・・・・?」

と、よく分からずに、窓の向こうを覗き込むように首を伸ばしていると、祖母が、

「 いけんいけん、いけんよ。」

と立ち上がり、カーテンをスッと閉めた。







 
 
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