大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 10月13日 ノックの音(1)

2018-10-13 18:41:16 | B,日々の恐怖






  日々の恐怖 10月13日 ノックの音(1)






 小学生の頃の体験談です。
実家(祖母の家)の農具とかをしまってある木造の物置に、兄弟で探検しに行った。
 一階は古い農具なんかが占めてて、よくおばあちゃんの蔵整理を見てたから見知ってたんだが、ある日二階が気になって、弟を連れて電気もない物置の二階に、板の隙間から漏れる光だけを頼りに上って行った。
 二階には畳まれた鯉のぼりやひな人形、あとは神事で使うような鈴、祭りの提灯など、行事で使う小物が収められているようだった。
どこを見ても、ほこりが積もって湿気で固まったような黒い煤で真っ黒だった。
 降りようとした俺たちの背後から不意にノックの音がした。

“ えっ・・・・!?”

と思って振り返り、弟も釣られて振り返る。
 二人でしばし固まる。
またノックの音がする。
 急かすようでもない弱弱しい音に、特に恐怖も感じず音のする壁に近づくと、ドアらしきものがあった。
 まるで壁の一部の様に枠もノブもないドアで、寸法の合う木の板をただはめた様にも見えるが、床には何かが擦れた跡が弧を描いていて、その板が開閉するものなのは間違いなさそうだった。














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日々の出来事 10月13日 潜水調査船しんかい

2018-10-13 09:22:21 | A,日々の出来事_







  日々の出来事 10月13日 潜水調査船しんかい







 今日は、潜水調査船“しんかい2000”が、紀伊半島沖の熊野灘で日本最深記録2008m地点に到達し、大きくニュース等で報道された日です。(1981年10月13日)
 その後、後継艇として“しんかい6500”が建造され、1989年8月11日、試験潜航で最大潜航深度6527mを達成しています。
そして、この“しんかい6500”は、現在航行中の有人潜水調査船の中で、世界一深く潜ることが出来る調査船です。
 また、無人潜水では、探査機“かいこう”がマリアナ海溝で10911.41m地点まで潜航し、この記録は、現在、世界で最も深い地点に到達した記録となっています。





  潜水調査船しんかい


















☆今日の壺々話







  海底人8823



 『海底人8823』(かいていじんはやぶさ)は、1960年に製作された特撮テレビ番組、および劇中の主人公であるヒーローです。
大映テレビ室製作で、1960年1月3日から1960年6月28日まで(近畿地方では6月26日まで)、フジテレビ系で放映されました。





    海底人8823
   昭和35年1月3日

    黒沼 健 作詞
    宮城秀雄 作曲



  誰の耳にも 聞こえない
  三万サイクル 音の笛
  その笛吹けば 飛んでくる♪
   エイ!
  八八二三 なぞのひと
  八八二三 海底人
  正義の勇者だ 隼だ♪

  翼ひろげて 空を飛び
  波をけたてて 空を行く
  光りか音か 力か熱か♪
   エイ!
  八八二三 なぞのひと
  八八二三 海底人
  平和の使いだ 隼だ♪

  星は流れて 地に落ちて
  竜巻空に 舞い上がる
  宇宙に 激動起こるとき♪
   エイ!
  八八二三 なぞのひと
  八八二三 海底人
  我等の友達 隼だ♪






 海底人8823の初回





 8823の初登場シーンが最高に可笑しいんですよ。
湖におりる斜面の脇道で、うつ伏せに倒れている8823を勇少年が見つけるんです。
ちょっと離れたところにベルトが落ちていて、8823が苦しい息の下からベルトをとってくれるように勇少年に頼むんですね。 
 勇少年がベルトを8823に渡すと、

「これで助かったよ。これがないと危ないところだった。」
「この寒いのに湖水で泳いでいたんですか?」
「いや、陸で調べることがあってね。斜面を歩いていて、滑ってしまった。」
「この辺は赤土が多いですからね。誰でも滑るんですよ。」

 なんという会話だ。
勇少年は、8823をウエットスーツを着けたスイマーと勘違いしたらしい。
それにしても赤土で滑って、生命維持装置のベルトが外れて死にかけたヒーローとは…。
 8823が謝礼として勇少年に与えたのが3万サイクルの笛。
吹いても音がしない。

「何か用事があったら、この笛を吹くんだよ。僕には聞こえるから。」
「あの、名前は?」
「これは失敬。僕の名前はエルデ10008823。」
「それ、電話番号ですか。」
「これは僕の名前だよ。」
「まるで歴史の年号を覚えるみたいだ。」
「面倒だったら、おしまいの8823でもいい。」
「これって数字でなくて、字のように読むんですね。ハヤブサじゃないですか。」
「名前なんて符号にすぎないので、好きなように呼んでいいよ。」

 もう、スゴイ、凄すぎる!
腹を抱えて笑ってしまいました。
8793だったら、ハナクソになっていたかも。








対談

“ 君は30000サイクルの笛を吹くと現れたスーパーヒーローを覚えているか?”





第一話でいきなり死にかけてた人ですね。


赤土は滑るからね。


第1話で命より大事なベルトを落としてしまった人。


竹内義和の本しか知らない人。


主役の人、後にテレビのワイドショーでレポーターか何かやってなかったっけ?


それは多分、村上不二夫(遊星王子)。


はちはちにいさんなぞのひとー。


おお、そうだったな。


なかなか返事をしない宇宙人の円盤に向かって、
「僕ぁ短気なんだ~!」」
と呼びかけるシーンはとても可笑しかった。


8823の1
8823の2
8823の3
8823の4
8823の5


ブラックスター団の首領て、ブラック博士かと思ってたら実は別にいたという展開がいいね。
そのニセのブラック博士が川から現れるシーンは怖かった。


背広姿の8823が何度も通るシーンにワロタ。


8823と書いてハヤブサ。秀逸だと思う


東京タワーから「どこまでも見える双眼鏡」で見つけられなかった犯人をイサム少年があっさり見つけたのは素晴らしかったね。カタカタカタ。


井上信彦はなまってたな。


そうだね いいところに気が付いたね。


背広姿の8823が何度も通るシーンにワロタ。
「8823です」
「8824です」
「8825です」
「8826です」
・・・・・・・・・・(( ゚д゚)ポカーン)


オープニングのシュールさがたまらん。
ピュウゥゥゥ~~ウ。
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ。


あと敵宇宙人のブラックスター団は、任務に失敗した仲間の帽子を拾い上げて、
「やっこさんもお陀仏か!」
って地球に馴染み過ぎ。


で結局、第二部にでてきた鷹取山中(実は近所)に出てきた、アンモニアだかを求めてた宇宙人って、一体何者だったの?
まんざら悪いだけのヤツではなさそうだったけど。


今だったら3万ヘルツ音の笛かな。


いやいやハイテクの現在、0.03メガヘルツの方がカコヨロシ。
若干字余りだけど・・・。


この作品、原作者はミステリ翻訳家で奇現象研究家、ついでにラドンの原作者でもある黒沼健なんだよな。
アトランティスの住人というのもそこから来た。


海底人8823の主題歌の2番の歌詞は2種類あるんだよね。
なぜ2種類存在するのかは謎のまま。

♪誰の耳にも聞こえない 3万サイクルの音の笛
♪その笛吹けば、やってくる
♪8823謎の人、8823海底人
♪正義の勇者だ、はやぶさだ

そもそも海底にハヤブサがいるのか?と突っ込む事一時間。
笛吹けば来ると言うのは、マグマ大使のプロトタイプか?


こいつってタイツみたいの着てんだっけ?


これリアルで覚えてるのって今幾つぐらい?
3つ上の友達に昔教えて貰ったけど、彼は今で言うオタクだったからなぁ。
因みにその彼は、最後の自動二輪限定解除以前の人物。


おいらは、もう直60です。
TVが家に来たのは早いほうだと思います。
鉄人28号の実写とか月光仮面、恐怖のミイラ、マリンコング、鷹の羽、王子ピロン等々
今見たら笑えるような作りですが、あの頃はびびりながら見てました。



 ------------ 対談完 ------------
















     海底人




「 いよいよ海底人が地上を征服する日がやって来たぞォ~!」
「 お~!!」
「 さあ、出発だァ~!」
「 お~!!」
「 進めぇ、進めぇ、海上に浮かび上がるのだァ~!」
「 お~!!」

“ ブク、ブク、ブク、ブク、・・・。”

「 何か、息が苦しくなってきたぞォ~!」
「 ぉ~!!」
「 ぅう~、く、苦しぃ・・・・。」
「 ぉ~!!」
「 海面はまだかァ~!」
「 ぉ~!!」
「 もぅダメだァ~!」
「 ぉ~!!」
「 ここから、攻撃するぞぉ~!」
「 ぉ~!!」
「 お~い、人間のバカヤロウ!!」
「 ぉ~!!」
「 今日は、このくらいで堪忍しといたるわァ~!」
「 ぉ~!!」
「 口ほどにも無い奴等めぇ~!」
「 ぉ~!!」
「 ついに勝ったぞぉ~!」
「 ぉ~!!」
「 我々の勝利だァ~!」
「 ぉ~!!」
「 じゃ、帰るぞぉ~!」
「 ぉ~!!」

 かくして、海底人は海底に帰り、地上の平和は保たれたのです。
でも、この海底の下に住む最低人は、海底人の国を狙っていました。
なんと、最低人は、海底人を征服する作戦を立てていたのです。

「 どうするニャ~?」
「 うご~?」
「 分かんねぇニャ~?」
「 ふご~?」
「 ネムぃニャ~。」
「 z z z z z z・・・。」
「 ス~、ス~、ムニャ、ムニャ・・・。」
「 グ~、グ~。」

 最低人の会議は何が何だか分からなくなり、海底人の平和は保たれたのです。
そして、夕日が沈みつつある海は、今日もキラキラと輝いていました。


















      深海と火星の関係





「 深海には何があるの? 」
「 深海って火星と同じくらい調査がまだ進展してないんだぜ!
 受験英語で、そんな題材の長文があったよ。」
「 遠まわしに言うなよ。
 要するに深海には、火星人がいるってことなんだろ? 」
「 全然、ちげえよ!
 具体的に言うと、深海って火星と同じくらいに調査がまだまだ進展して
 ないんだぜ!」
「 あ、そういうことか、読解力なくてスマソ。
 深海には火星人しかいないなんて、ちょっとビクーリだよね。」
「 だから、ちげえっつーの!
 深海と火星が同じなんじゃなくて、未知の部分の大きさが深海と火星で
 同じなんだよ。
 つーか、火星人の話を俺はしてねえだろ! 」
「 ということは、火星人がいるだけでなく深海の面積は火星の面積とほぼ
 等しいと。」
「 と、いうことはじゃねえよ!
 未知の部分の大きさは、面積の大きさって意味じゃなくて、未知度の大
 きさだよ。
 100㎡のとこを1時間調査するのと、200㎡のとこを2時間調査するの
 では、面積は均しくないけど、未知度は同じみたいな、そういう感じ。
 俺がいつ火星人の話をしてんだ、馬鹿!」


















塾長





 中3の頃通っていた塾に、強烈な先生(塾長)がいました。
ヤ~さんみたいな人で、イージーミスしたり宿題忘れたりするとボコボコに体罰を与えられていましたが、授業の合間に怪談大会をしてくれたりもして、塾生にはとても人気がありました。
今回はその塾長が教えてくれた話です。

 塾長が車の免許を取って間もない夏、仲間と5人で関東の某県にある海へ遊びに行ったときのこと。
『 ホントにヤバいから場所は伏せる。』
と具体的な地名は教えてもらえませんでしたが、今考えるとK県の有名な浜のことだと思います。

 安い民宿につき、荷物を預けて浜へ出掛けると、シーズンの最中なだけに海辺は人でいっぱい。
若かった塾長たちはそんな人込みではハジけきれず、浜伝いに人の少ない方へと移動していったそうです。
 そして、絶好のスポットに行き当たりました。
両側が高い崖になっていて、その間に静かに波が打ち寄せる、言わばプライベートビーチのようなところだったとか。
しかも人っ子ひとりいません。
 しかし、ふと見ると『遊泳禁止』の看板。
塾長たちは、
“なんでこんな穴場が遊泳禁止なんだよ!”
と、表示を無視して遊び始めました。
ゴムボートをふたつ浮かべ、2人と3人に分かれて乗り込み、たまに泳いだりしながら楽しんでいたそうです。

 そのうちに塾長は疲れて、浜に引き上げ一休みすることにしました。
そしてまだまだ遊んでいる仲間たちを、砂浜に寝そべって眺めていました。
すると、仲間の中でも一番泳ぎのうまいAさんが、ゴムボートから海に飛び込んだそうです。
Aさんはなかなか浮かび上がってきません。

 塾長が、あいつ元気だなぁと呑気に見ていると、しばらくして血相を変えたAさんがもがくように暴れながら浮かんできました。
しかしそこは泳ぎのうまいAさん、ふざけて溺れたフリでもしているのだろうと皆笑いながら眺めていました。
 が、様子がおかしい。
Aさんは次第に沈み始めました。
脚でもつったんじゃないか?と、ゴムボートに乗っていたBさんも飛び込み、Aさんを助けようとしました。
溺れた人を助けるには、その人の下に潜り込み、両足を抱えて押し上げるのが一番だそうで、Bさんもそれをやろうとしたそうです。

 しかしBさんは、Aさんをほったらかしたまますぐに浮かび上がり、砂浜へまっしぐらに泳いで戻ってきました。
その間もAさんは溺れ、だんだん波間に消えていきます。
いよいよヤバい。
『 B!なにやってんだ!Aのやつマジで溺れてんじゃねーか!』
と塾長が怒鳴っても、Bさんは真っ青な顔で震えるばかり。
海にはゴムボートに乗ったままオロオロするCさんがいるだけ。

 たまらず塾長と、一緒に休んでいたDさんとで、海に駆け出しました。
そして泳いでAさんの元にたどりつき、Aさんの脚を抱えようと潜り込むと、Aさんの脚に、とんでもないものがしがみついていたのです。
 ボロボロの防空頭巾にモンペ姿、海草のようにゆらめく髪、目があったであろう位置に緑の小さな点が輝く、朽ち果てた髑髏。

 Dさんはもちろん、塾長もさすがにびびったそうですが、Aさんが溺れ始めてから、かなり経っています。
このままでは死しかありません。
塾長とDさんは無我夢中で髑髏を蹴り、やっとで引き離すと、ゴムボートのCさんにAさんを引き渡し、一目散に浜へ泳ぎ帰ったそうです。

 ぐったりしているAさん、わけのわからないCさんを前に、無言のBさん、Dさん、そして塾長。そのまま民宿に戻りましたが、誰も何も話しません。
ただCさんだけが、事情をしつこく尋ねます。
でも塾長でさえ、思い出すのも悍ましく、話す気になれません。

 そこで、Bさん、Dさん、塾長の3人で、見たものをそれぞれ絵に描くことになりました。
出来上がった絵は、上手い下手の差こそあれど、Aさん救出から誰も何も話していなかったのに、3人ともピタリと一致していたそうです。
もちろん、あの髑髏。

 皆さらに無言になり、力なく客室でぼんやりしていると、民宿のお女将さんがお茶を持ってきました。
そして皆の様子を見て、どうしたのかと尋ねたそうです。
信じてもらえるかはわからないながら、地元の人なら何か知っているかもと、塾長は意を決して全てを話しました。
 するとお女将さんは、

『 あぁ、あそこで泳いじゃったのね。』

と、次のような話を教えてくれたそうです。

 ときは終戦間際、当時まだ田舎だったその辺り一帯はあまり攻撃を受けず、家に残された女性や子ども、老人たちがひっそり暮らしていた。
そしてついにラジオでの天皇陛下の終戦、敗北宣言。
 しかし田舎だったその辺りは、情報に疎くでたらめな噂も飛び交った。
曰く、 『油断させて隙をつくり、敵の兵が攻め込んでくるんだ、そしてなけなしの財産を奪われ、女は辱めを受け、幼子や年寄りは問答無用で殺されるんだ。』
というものだったとか。

 そんなことになるくらいなら、と彼らの取った行動は、集団自決。
皆で高い崖の天辺から、海に身を投げて命を絶った。
それがあの遊泳禁止の場所なのだそうです。
『 あなたたちと同じような目に遭う人がけっこういてねぇ。
中には溺れたまま亡くなった人もいたわね、だから遊泳禁止なのよ。』
と、お女将さんは話してくれたそうです。

 どこまで本当かわかりませんが、塾長が黒板に髑髏の絵を描きながら話してくれたので、未だ鮮明に覚えています。
ただし塾長の髑髏は防空頭巾がイカみたいでした。



 この話には続きがあります。
遊泳禁止の浜でひどい目に遭った塾長御一行には、更なる恐怖体験が待ち受けていました。
 その日はまんじりともせず夜を明かし、翌日は人込みの中でおとなしく海を満喫した塾長とその仲間、計5名。
日程的にはもう少し滞在して遊んでも良かったそうですが、あまり良い気もせず、夕方には帰路についたのだとか。

 そんなにとばすわけでもなく車を走らせていると、たまたまパトカーに遭遇、停車を命ぜられたそうです。
一体何だと路肩に車を停めると、警官がやってきて
『 定員オーバーはダメだよ。』
とたしなめられました。
塾長たちはわけがわかりません。
『 5人乗りセダンに5人で乗って文句あるかよ!』
と車から降り、警官にくまなく車内を調べさせました。
もちろん誰も隠れてなぞいません。
警官は首をひねりながら謝り、ぽつりと、
『 確かに6人乗ってるのを見たんだがなぁ…。』
と漏らしました。

 これじゃまるでベタな怪談だな、と苦笑しながら再出発。
しばらくして、腹ごしらえでもしていくかとファミレスに寄りました。
しかし席に通されると、出されたお冷やは6つ。
いよいよ笑えなくなり、すぐさまファミレスを飛び出して、一目散に地元まで帰ったそうです。

 時はすでに夜。
昨日の髑髏と今日の『見えない6人目』のおかげで、皆ひとりになるのを嫌がったため、塾長の家でその晩を飲み明かすことになりました。
 アルコールが入ると皆気が大きくなり、恐怖心も薄れてきました。
そこで誰からともなく、
『 まださっきの6人目がいたりして・・・。』
という話になったそうです。
 塾長は自分の家なので、ふざけんな!と思ったそうですが、せっかく持ち直し始めた皆のテンションを下げるわけにもいかず、我慢して話に付き合っていました。

するとひとりが、

『 オイ!6人目!いるなら出てこいや!』

と叫びました。
つられて皆も出てこいコール。
 しかし何も起こらず、笑い飛ばしてその話題がおしまいになろうとしていたとき、突然部屋の明かりが消えました。
一気に凍り付く塾長たち。
ブレーカーが落ちたのか?違います。
 次の瞬間、テーブルの上のビールの空き缶がものすごい音をたててへこみ、投げ付けられたように部屋の壁へと吹っ飛んでいったのです。
そこからはポルターガイストの嵐。
空き缶だけでなく、灰皿、煙草、クッション、雑誌など部屋中のものがとてつもない勢いで飛び交います。
 塾長たちはもうパニック。
皆叫びながら必死に謝り、身を縮めていました。
すると、パタリと怪現象はおさまり、何ごともなかったように明かりがつきました。
荒れ果てた部屋でへたりこむ5人。
言葉もありません。
まだ6人目がいるのです。
 塾長は次第に腹がたってきました。
何で俺らにつきまとうんだ、何をしたって言うんだ、そもそも6人目はどこから拾ってきたんだ、いい加減にしろ!

『 ふざけんな!ポルターガイストなんかじゃなくて真っ向から来やがれ!』

塾長が叫びました。
 すると、いきなりザーッ!!!っと雨が降ってきました。
大音量でTVの砂嵐が流れているような、ものすごい雨音です。
 塾長だけがマジギレ状態で6人目の出方を窺います。
残る4人はもう完全に震え上がってしまい、我先にと塾長の家を飛び出していきます。
しかし玄関のドアを開けて、皆は更に腰を抜かしました。
凄まじい雨音が嘘のように、外は月夜なのです。
 ということは、これは雨音ではない。
もう音の正体を突き止める気力もなく、皆は塾長を残してそれぞれの家に逃げ帰っていきました。
塾長が我に返ったときには、すでに雨音は止み、散らかった部屋にひとり取り残されている以外は何もなかったとか。
 この話はこれまでで、髑髏の話の後ではインパクトも薄れてしまいましたが、塾長の体験話は脚色もあるでしょうが、塾生にとってはとても思い出になるものであったと思います。


















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10月12日(金)のつぶやき

2018-10-13 07:56:05 | _HOMEページ_






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