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永住外国人に対する地方参政権付与に反対の色合いが濃い意見書への反対討論

2010年03月25日 |  #玉島 #平田 #阪急東 #茨木市議会議員
旧淀川に面したホテルのレストランの看板 

 今日が三月議会最終日。早朝から昨晩の永住外国人に対する地方参政権付与に関する意見書についての討論原稿に手を入れ、質疑の準備をしました。

 午前10時から開会。私の質疑に対して答弁するのは公明の坂口議員で、昨日大雑把な内容を伝えており、困らせるのが目的でもないので、昨日の範囲内での質疑にしました。討論は私の反対討論だけで、賛成討論はなし。

 本来なら意見書の言いだしっぺである「自民」、「みんな」の二会派代表者はもちろん、共同提出会派の代表は答弁席に座り、賛成討論も誰かが準備すべきでしょう。咳きこむのでマスクを手元において質疑、討論した私には賛成者の熱意のなさが残念でなりません。

【今日の動き】保育所保護者が耐震補強工事の件で来訪し、しばし意見交換。「未来の食卓」上映実行委員会。文教委員会会議録をスキャナーで読み取り作業。

私の永住外国人に対する地方参政権付与に関する意見書への反対討論 

 それでは議員発第6号、永住外国人に対する地方参政権付与に関する意見書について、私は反対の立場から討論を行います。

 今回出されている意見書は地方の意見を重視せよ、国会での拙速審議に反対と述べ、一見、慎重審査を求める内容かに見えます。
しかし議会前に出された会派・変えていく力の当初案では「他国による地方政治への内政干渉も懸念されている」、だから法制化するなという内容でありました。
また会派・自由民主党市民会議の当初案は今回案と会派・変えていく力当初案の中間に位置するものであり、反対に限りなく近い慎重審査を求めるものでありました。

 二会派からだされた当初案に比べ、トーンは下がったとはいえ、「永住外国人に対する地方参政権付与については民主主義の根幹にかかわる重大な問題である」と問題視され、最高裁判例を引いて「永住外国人への地方参政権付与については憲法上問題があると考えざるを得ない」との否定的な認識を示した上で、慎重な対応を求めるものとなっています。

 私は以下に述べる理由を持って、今回意見書に反対するものであります。

 まず一点目は民主主義と地方自治の観点です。
政治理念としての民主主義は、自己の政治決定に自己が従うということであり、政治的決定に従う者は、当然、その決定に参加できる者でなければならないのは理の当然であります。日本における政治的決定に従わざるをえない生活実態にある外国人に参政権を保障するのは民主主義をいうなら当然のことであります。

 また地方自治体の運営は、すべての住民の参加によって進められ、住民の要求にこたえ、住 民に奉仕するものであります。
外国人であっても、我が国の地方自治体で住民として生活し、納税をはじめ、一定の義務を負っており、そういう人々が地方自治の担い手となるのは、憲法の保障する地方自治の根本精神と合致するものであります。

 二点目は世論の高まりであります。
現在、日本に居住する永住外国人は一般永住者50万人、特別永住者42万人といわれており、本市にも今年2月時点で2503人の外国人登録者がいらっしゃいます。我が国に永住する外国人に地方参政権を付与すべきであるという世論は、反対どころか、早期付与の世論は高まっています。
毎日新聞が昨年11月下旬に実施した全国 世論調査で賛否を尋ねたところ、59%が賛成と答え、反対の31%の倍近くに上っています。自民党支持層でも賛成が49%と、反対の42%を上回る状況でありました。
また朝日新聞の今年一月の調査でも賛成60%、反対29%となっています。

 三点目は憲法に違反するものではなく、憲法の理念に合致していると考えるからであります。
1995年の最高裁判所の判例において、憲法が選挙権を保障しているのは日本国民であるとの判断は下されています。しかしこれはその当時の判断であります。傍論として「法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないとの意見も同時に示されており、国民世論の高まりの中、立法措置を講ずるのはごく当然のことであります。
違憲でないから、鳩山現内閣においても、また政党においても民主15回、公明党29回、共産党11回、保守党10回、自由党1回と法案が提出され、推進されたのであります。また社民党、新党日本も賛成の立場であります。

地方参政権を付与することは今後進めるべき課題であり、それどころか、参政権を否定することは、人権、平等、民主主義の遅れを示すものと私は考えます。
また各地の住民投票条例は永住外国人に住民投票への参加の権利を付与しており、地方参政権の前進だと私は高く評価しています。

 四点目は永住外国人に地方政治への参政権を認めることは世界の流れになっているということです。
ヨーロッパではすべての定住外国人の地方参政権を認める、特定の外国人に地方参政権を認めるの違いはあるものの、ほとんどの国が地方参政権を認めています。スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、オランダなどが2年から5年以上の定住を前提に、外国人に地方参政権を保障しています。
 また、フランス、ドイツ、イタリアなどEU加盟国の市民に地方参政権を付与しています。更にはニュージーランド、チリにおいては国政レベルの選挙権まで認めています。
日本における永住外国人への地方参政権の保障は、以上の国際的な流れにも合致するものであることを申し上げたいと思います。

最後になりますが、国際化の時代に昨今の偏狭で稚拙な排外主義は目に余るものがあり、その点からも、この意見書には断固与したくないと私は考えています。

以上をもって、この意見書反対の討論といたします。ご清聴ありがとうございました。

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