皆様ごきげんよう。昨日は日記を書かずに寝てしまったので今朝更新していこうと思ったら、まんまとgooブログがメンテ中でした黒猫でございますよ。ギャフン。
今日は久々に本の感想を。
『魔女になりたいティファニーと奇妙な仲間たち』(テリー・プラチェット著、冨永星訳、あすなろ書房)
代々チョークの大地で羊飼いをしてきたエイキング一族。9歳のティファニーは、農場の仕事が大好きで、この年にして既にバターとチーズ作りの達人だった。が、ひとつ面白くないことがある。末の弟ウェントワースの世話を任されたのがどうにも煩わしいのだ。末っ子ということで甘やかされたウェントワースは、ちょっと目を離すと泣くし喚くし、すぐ何かでねとねとになるし、口を開けば菓子をねだる。
末っ子という地位を奪われたことで、ちょっとだけ弟を恨めしく思っていたティファニーは、ある日、川で身長15センチくらいで、青い肌をした小人を見かける。それ以来、小人たちと再会したいと思うものの、方法がわからずにいたティファニーだったが、ひょんなことから小人と再会し、彼らと親交を持つようになる。小人たちはティファニーこそが、先頃亡くなったティファニーの祖母・エイキングばあちゃんに代わる「鬼婆」(=魔女)だろうと勝手に推測する。
そんなある日、ティファニーがちょっと目を離した隙に、弟のウェントワースが行方不明になる。「子ども好きの女王の仕業だ」という小人たちの言葉を信じたティファニーは、武器としてのフライパンを手に、小人たちとともに弟を取り戻す旅に出るが・・・?
というようなお話。
作者のテリー・プラチェットさんは『ディスクワールド』という小人を主人公にしたSF(?)シリーズで有名な作家ですが、これもディスクワールドノベルのひとつだそうです。「若い読者のために」ということで、体裁としてはYAですが。
ディスクワールドは日本では出版社が変わったりしながら少しだけ出ているだけなので、わたしも相当歯抜けで読んでいるんですが、すごく面白いお話を書きますよテリーさんは。大好き~!!
こういうしっかりした少女が自分の力で冒険をやり遂げるお話って大好きです。読んでてわくわくします。・・・なんかイギリスの児童文学には結構多いような気がしますね。
そしてこの本の巻末に著者近影があるんですが、テリー・プラチェットさんマジかっこいいんですが。黒い帽子にステッキ、まるで魔法使いです。
こんな方が「お嬢さん、どうですちょっと小人の見物にでも行きませんかね」とか言ってきたらわたしフラフラついて行くこと請け合いです(まずありえないシチュエーションだよ)。
弟が身勝手な妖精の女王に誘拐されてしまい、それを取り戻そうとする、というシリアスな話のはずなのに、小人たちの野放図な振る舞いとか訛りとかでどこかコミカルになってしまう、いかにもテリーさんらしく面白いお話です。ごちゃごちゃして想像力の要りそうな描写は、ちょっとダイアナ・ウィン・ジョーンズさんにも通じるものがあるかも。ふたりとも英国作家だしね。
これを書くにあたりamazonにリンクを貼ったんですが、amazonでわりとディスクワールドの邦訳既刊手に入るようですね。買っちゃおうかしら・・・!
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