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読んだ本の感想と旅行の日記を書いていきます。
後、その他なんかあれば・・・

19冊目:「坂の上の雲(三)」

2010-10-07 02:27:26 | 
総評:★★★★★ 以下、一巻から変わらず
面白い度:★★★★★ 
読みやすい度:★★★★☆ 
ためになる度:★★★★☆ 
また読みたい度:★★★★★ 


三巻目は日露戦争前の外交から、日露戦争の開戦と緒戦まで。

冒頭の章で、主人公の一人である正岡子規が亡くなってしまうが、意外と早くて驚いた。


また、当時海軍官房主事の山本権兵衛が、海軍人事の大刷新を行っている。
この決断、そして実施はすごいと思う。
こういった今までの古い体制から、新しいものに一新するということは、必要なことであると感じた。
この人事が功を奏し、日清戦争、日露戦争とも、陸軍と比べて、海軍は機能としてうまく働くことになる。


秋山好古は日露戦争勃発前、ロシアに招かれ、軍事施設を見学している。
というか、こんな感じで見に来ませんかという案内が来て、見せてくれるものなんだと思った。
また、好古はパーティーにも出席し、様々なロシア軍人と交流し、良い印象をお互いに持っている。
とても仲良く会話し、お互いに畏敬の念を抱いてはいるが、いずれは敵として戦わなければいけない運命にあることに悲しさを感じた。


開戦後は、何よりも緒戦を勝たなければいけないことを知った。
それは兵士の士気だったり、日本の評価、評判を上げたりする目的なのだが、何よりも外国からお金を調達するために必要であることを知った。

日本はお金がなく、戦争のためのお金を外国から借金をして賄ったが、初めからロシアとはかなり分が悪い出だしであった。
やはりロシアとの戦争は清の戦争とは異なった悲痛さを秘めている。


そんなんで戦争前の外交、開戦(宣戦布告)時の動き、など、色々面白いことを学んだ三巻だった。
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18冊目:「坂の上の雲(二)」

2010-10-05 03:44:50 | 
総評:★★★★★ 相変わらず
面白い度:★★★★★ 一巻と同じ
読みやすい度:★★★★☆ 一巻と同じ
ためになる度:★★★★☆ ためになるというか、泣ける
また読みたい度:★★★★★ 時間があれば


二巻も変わらずとても面白いです。

二巻は日清戦争勃発から終結までと、その後、真之の渡米しての出来事や、主人公達の話とは関係なく、ロシアや各列強の思惑や動向などの話が書かれている。
途中に正岡子規の活動の様子などが書かれている。


色々な人物が出てきて、混乱もするが、全員実在の人物なので、すごく興味が沸き、いちいちWikipediaで調べることもしばしば。
日本側では戦争に否定的な伊藤博文、交戦を主張する陸奥宗光、ロシア側では日本に好戦的だったニコライ二世、逆に日本開戦に懐疑的なウィッテだったり、同じ国でも本当に色々な思惑が交錯している。

そういったお互い一枚岩では行かない国同士の外交というのも、見ていてとても面白い。


日本は清にあっけなく勝ってしまうが、その戦争で、清の軍部の士気が高くないことや、練兵がろくにできていないことを知る。
いわばいざふたを開けてみたら大したことではなかったということだが、これも日本の危機感の大きさや、それを踏まえた訓練だったり、軍の規律がうまく整われていた証拠であるだろう。

この戦争で世界には、清が実際には強くなかったことと、日本が軍の力として、西欧の列強に追いつきつつあることを知らしめたことになる。
まずこの時点で、今までの弱小国家から一皮むけたことになるのだが、それも日本人の諦めない精神だったり、今の状況からどうにかして抜け出そうという強い思いだったり、そういった日本の良い所がうまく働いてきたことによるのものが大きいと思う。
そんなんで、やっぱり日本はすごいなぁと思いました。


あとは、日清戦争の最後に、進退窮まった清軍の艦隊司令官の丁汝昌に、日本の司令長官伊東祐亭(すけゆき)が降伏を勧める手紙を送っているのだが、とても親切に書かれており、敵ながらここまで相手を想って書けるのかと思い、感動した。


子規の方では、主に日本での生活を描いているが、夏目漱石と一緒に過ごしている時期があり、これもまた面白かった。
この機会に夏目漱石の作品を今度読んでみようと思った。
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