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北海道立図書館
本日の北海道新聞のコラム「卓上四季」です。
生物の体に備わっている角や牙の進化と人類の軍拡化が似ているという内容です。
米国の生物学者ダグラス・J・エムレン教授の考えだそうで、生物と人類の武装のやり口を比較するという目の付け所に驚嘆しつつ、なるほどと思いました。
角や牙という武器の進化はメスや巣穴の奪い合いから始まるのだそうで、人類もそうした流れに逆らえない側面があるのではないかとのこと。人類もまた生物なので。
興味深かったのはこの先です。
戦いに勝つために角などが巨大化すると、栄養分の偏りから他の機能が弱体化するのだそうで、天敵に襲われるリスクも大きくなり、生殖機能が衰えたり、栄養失調で命を失うこともあるのだとか。
「コストに耐えきれなくなった生物が一定の進化を果たすと巨大化を止めてしまうのは、人類の軍縮過程と同じ理屈だ。だが、巨大化が抑止力になるとして、その優位性を保とうと再び軍拡に進む悪循環は生物に共通する宿痾(しゅくあ)だろうか。」と筆者は綴っています。
コラムは「生物を死滅させるような武器を手にした人類が次の軍拡競争を生き延びる可能性は少ない」とのエムレン教授の警句を引いて、この言葉が重く響く年の瀬であると結ばれていました。
師走は残すところあと8日です。
知の宝庫である図書館へ足を運ぶなどして、せめて少しでも視界を広げるところから始めようと思いました。
年末の定番になっているようなベートーベンの「第九交響曲」。
その演奏に兄と妹が耳を傾けているシーンが詠まれています。
歳末の何気ない暮らしの一端をさらりと詠んでいるかにみえて、何と静かで重みのある歌なのだろうと心が動かされました。
それでは今日はこの辺で。
明日が皆様にとって良い一日となりますように・・・・。