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ギャラリーと図書室の一隅で

読んで、観て、聴いて、書く。游文舎企画委員の日々の雑感や読書ノート。

対談(11月9日)と「北方文学を彩った作家たち」展(11月8日(金)~13日(水))

2024年11月04日 | 游文舎企画

上野憲男さん「カディンツィア」「ミストラル」など

 

游文舎では文学同人誌「北方文学」と共催で、

11月9日(土)、精神科医・翻訳家の阿部大樹氏(柏崎市出身)と桝野浩一氏の対談を行います。午後2時より。参加費2000円。

 

それに併せて「北方文学」の表紙、カットを担当した作家の作品や原画を展示します。

「北方文学」は1961年、長岡市を中心に創刊され、まもなく創刊90号を迎えます。詩、評論、小説の他、翻訳や短歌・俳句など、総合文芸誌として長い歴史を持っています。なかには芥川賞候補になった作品もあり、近年も全国の同人誌評に取り上げられるなど、全国的に高い評価を得ています。また同人誌界全体が高齢化で存続の危機に見舞われている中、若い書き手も加わり、新鮮な作風も注目されています。

游文舎では第56号から最新89号までのバックナンバーを展示し、その表紙を飾った、日本の抽象画を代表する故上野憲男さんの作品、筋ジストロフィーと闘いながら透徹した視線で描き続けた故佐藤伸夫さんの作品と、現在表紙絵を担当する北條佐江子さんの原画、カットを担当する北方文学同人の霜田文子の原画を展示します。ぜひご高覧ください。

佐藤伸夫さんのカット

 佐藤伸夫さんの作品と佐藤さんによる表紙号のバックナンバー

 

北條佐江子さんの原画

霜田文子のカット原画


高橋章映像・絵画展「旅は、まだ終わらない」 9月21日から29日

2024年09月20日 | 游文舎企画

 

 

21日から、柏崎市新道出身で、元NHKカメラマンの高橋章さんの個展が始まります。高橋さんはNHKの人気番組「プロジェクトX]や「日曜美術館」などの制作に関わり、実績を積むと供に人脈や審美眼も得て、退職後は自身の趣くところの、絵画や映像作品を作り続けてきました。また、游文舎立ち上げに当っては、さまざまなアドヴァイスをくださると供に、開館記念展となった「菅創吉」展や「木下晋」展の企画にも多大なるご協力をいただきました。

今展では、自由な発想で描かれた油彩、ライフワークともいうべき木喰仏を描いた作品群、そして独自の視点や編集技術を生かした映像作品を展示します。

上の作品は「預言者」と「命脈」

大胆な筆致の中に不気味な未来を予感させます。

木喰仏を見る目には、木喰に通じる優しさと厳しさが。

いずれも風景を描いたものですが、それぞれの表現の違いに注目です。高橋さんの風景画には抽象から具象まで大きな幅がありますが

いずれも対象を深く掘り下げ、丹念に描き込まれています。

木喰画に通じる宗教的な気配がありますが、色彩やマチエールにより、特定の宗教を超えた、超越的な世界を表現しているようです。

 

21日午後三時より、映像作品を見ながらのギャラリートークを開催します。ぜひご参加ください。


7月20,21日「椿の海の記」井上弘久氏公演のご案内

2024年07月11日 | 游文舎企画

 

 

昨年好評を博した井上弘久氏独演による「椿の海の記」。

『苦海浄土』で知られる石牟礼道子の自伝的小説を、井上氏が脚色、一人語りで全十二章の全国公演を続けています。昨年游文舎で、県内初上演を果たし、今年は第二章「岩どんの提灯」を上演します。

四歳の自分を主人公にしたこの小説は、自意識の目覚めの時期の、言語化しがたい世界観を見事に描ききっています。自然も人も動物も、弱者も強者も生も死もない交ぜの世界を、純真な目がとらえます。

「岩どん」とは火葬場の隠亡(おんぼう)で、その提灯は被差別の民を火葬するために集まった人たちの葬列を照らします。幼い「みっちん」の心に刻まれた光景が、のちの石牟礼文学の原点となっていることに気づくことでしょう。

今回の公演では、コントラバスの𠮷田水子(みなこ)さんも共演、昨年とはまたひと味違う舞台をお楽しみいただけることと思います。

ぜひご高覧ください。

観覧料は2500円

事前お申し込みの上、当日会場にてお支払いください。

ご予約はTel  0257-32-1238(游文舎)

20日 午後3時半開演(3時開場、5時終演予定)

21日 午後1時半開演(1時開場、3時終演予定)


不可思議の森の住人たち――星野健司展「領域と住人」6月8日から――

2024年06月07日 | 游文舎企画

  〈不可思議の森 それはボルネオの・・・〉

 

新潟市西蒲区の星野健司さんの幻想的な世界がギャラリーいっぱいに広がります。

星野さんは鉄の彫刻家として知られていますが、美しい色彩の水彩画もとても魅力的です。脳内に舞い降りてきた光景をそのまま手先に伝えて描き止めたような、美しく瑞々しい画面には少年のままの星野さんが躍動しています。

それは彫刻でずっと作り続けてきた「不可思議の森」シリーズの絵画化でもあります。

今展では昨年末出版された『ゑ本・不可思議の森』の原画とそのイメージ源となる水彩画を中心に、その立体版とも言える小さな彫刻も展示します。

8日午後3時より星野さんによるギャラリートークもあります。入場無料。ぜひご参加ください。

展覧会は6月16日まで。

 

彫刻と絵画による「領域」の「住人」たち

 

 〈不可思議の森・誕生〉

 

 〈住人たち〉                                

 

〈住人・精霊二人〉