昨年好評を博した井上弘久氏独演による「椿の海の記」。
『苦海浄土』で知られる石牟礼道子の自伝的小説を、井上氏が脚色、一人語りで全十二章の全国公演を続けています。昨年游文舎で、県内初上演を果たし、今年は第二章「岩どんの提灯」を上演します。
四歳の自分を主人公にしたこの小説は、自意識の目覚めの時期の、言語化しがたい世界観を見事に描ききっています。自然も人も動物も、弱者も強者も生も死もない交ぜの世界を、純真な目がとらえます。
「岩どん」とは火葬場の隠亡(おんぼう)で、その提灯は被差別の民を火葬するために集まった人たちの葬列を照らします。幼い「みっちん」の心に刻まれた光景が、のちの石牟礼文学の原点となっていることに気づくことでしょう。
今回の公演では、コントラバスの𠮷田水子(みなこ)さんも共演、昨年とはまたひと味違う舞台をお楽しみいただけることと思います。
ぜひご高覧ください。
観覧料は2500円
事前お申し込みの上、当日会場にてお支払いください。
ご予約はTel 0257-32-1238(游文舎)
20日 午後3時半開演(3時開場、5時終演予定)
21日 午後1時半開演(1時開場、3時終演予定)