この作品は食べられません
今年初めから移転作業をしていましたが、無事に完了しました。移転作業にあたりましては大量の書籍や書棚の運搬や整理、ギャラリーの整備などに多くの方からご協力いただきました。厚く感謝申しあげます。この間、諸事に追われてブログの更新がままならなかったことをお詫び申しあげます。新しい游文舎は、ギャラリーの他、小谷文庫、安藤文庫を中心にした書庫、談話室、古書市場、研修室などが併設され、広いオープンスペースも活用できます。館内の様子などは追ってお知らせしていきたいと思っています。
4月16日から「移転オープン記念展」を開催しています。これは、旧游文舎で個展を開催された皆様に一人一作ずつのご出品をお願いしたところ、ほとんどの皆様にご賛同いただき実現いたしました。8年前のオープン展を飾っていただいた木下晋さん。ドイツから送っていただいた、2周年記念展のアンティエ・グメルスさん始め、東京、さいたま、新潟市、長岡市、上越市など県内外の作家、そして市内からは10名、合わせて34名の力作が揃いました。独自の手法で、それぞれの世界を追求している作家たちへの共感から展覧会開催をお願いしてきた游文舎の8年間の活動が、正に凝集されています。30日(土)まで。また5月8日(日)には柏崎市文化会館アルフォーレで「巖谷國士氏講演会」が催されますが、その参加者のために8日午後も臨時開館します。ぜひご高覧ください。
4月2日(土)より、柏崎市立図書館ソフィアセンターで「新潟の美術家たち展」が始まります。新潟県内で独自の立場で活動する、年齢もジャンルも様々な作家12人によるグループ展です。一部メンバーを入れ替え5回目となる今展も、バラエティーに富みながらもまとまりのある、充実した展示となりました。
自身の世界を深く追求しつつ、社会と向き合う中で制作された作品は、互いに共振し、会場全体に心地よい緊張感を生み出しています。(文中敬称略・展示順)
自在なタッチと独特のマチエールで幻視の像をたぐり寄せる阿部敏彦、染色という技法で宇宙の神秘の光を切れ味のよい作品に構成する赤穂恵美子、重厚で精緻な造形作品で、人間の内奥を抉り出す高橋洋子、みずみずしい感性と優しいまなざしで魚沼の自然や人を撮る酒井大、油彩の技法を極めながら洗練された画面を創り出す前澤稔、浮遊感と深い色で一貫した世界を次々に展開させている霜田文子、何気ないシーンを意想外に、ちょっとユーモアも交えて構成した三上祥司、多彩な色を清々しく伸びやかに染め上げた竹石莉奈、「削り取って描く」という逆転の技法と大胆な形態把握で、社会に鋭敏に反応する長谷部昇、材料の特性を生かして、やわらかく暖かく空間を包み込む金川真美子、身近な素材を使いながら、ちくりと心に刺さり深い印象を残す本間恵子、世界に対峙するように、優れた構成力でとんでもない大画面を提出してくる松本泰典。
ぜひご高覧ください。4月10日(日)まで。会期中無休。