ギャラリーと図書室の一隅で

読んで、観て、聴いて、書く。游文舎企画委員の日々の雑感や読書ノート。

高橋章映像・絵画展「旅は、まだ終わらない」 9月21日から29日

2024年09月20日 | 游文舎企画

 

 

21日から、柏崎市新道出身で、元NHKカメラマンの高橋章さんの個展が始まります。高橋さんはNHKの人気番組「プロジェクトX]や「日曜美術館」などの制作に関わり、実績を積むと供に人脈や審美眼も得て、退職後は自身の趣くところの、絵画や映像作品を作り続けてきました。また、游文舎立ち上げに当っては、さまざまなアドヴァイスをくださると供に、開館記念展となった「菅創吉」展や「木下晋」展の企画にも多大なるご協力をいただきました。

今展では、自由な発想で描かれた油彩、ライフワークともいうべき木喰仏を描いた作品群、そして独自の視点や編集技術を生かした映像作品を展示します。

上の作品は「預言者」と「命脈」

大胆な筆致の中に不気味な未来を予感させます。

木喰仏を見る目には、木喰に通じる優しさと厳しさが。

いずれも風景を描いたものですが、それぞれの表現の違いに注目です。高橋さんの風景画には抽象から具象まで大きな幅がありますが

いずれも対象を深く掘り下げ、丹念に描き込まれています。

木喰画に通じる宗教的な気配がありますが、色彩やマチエールにより、特定の宗教を超えた、超越的な世界を表現しているようです。

 

21日午後三時より、映像作品を見ながらのギャラリートークを開催します。ぜひご参加ください。


うみまちアート ライオン像のある館にて

2024年09月02日 | 展覧会より

上越市直江津地区で開催されている「うみまちアート」。今年で4回目となる。

「ライオン像のある館」として知られる、旧直江津銀行では「へんシン」というタイトルで、上越市在住の、いたずらや尚さん、井上智子さん、季村江里香さんによる作品で会場が埋め尽くされている。日常使われているものをアートに変身させる試みだろうか。いたずらやさんの、ペットボトルや空き缶を使ったインスタレーション、季村さんの、段ボールに描かれた絵画、井上さんの卵のパッケージや流木で作ったアート作品が、家具や調度もそのままに残された古い建物を変身させていた。

日曜日の会場には、次々と観客が訪れ、作家を含めて会話が弾む。アートを介在させたつながる、ひろがる時空間だ。

 

季村江里香さんの段ボールに描かれた作品。夕日をテーマにした絵本の一コマである。細やかな線描、切れ味のよいコラージュと構成、観る人にもたくさんのイメージを膨らませる語りかけ、挑発するような人物たち。単独でも見応えのある絵画作品である。

井上智子さん。卵のパッケージをカラフルに彩色し、重ねた、いろいろなものが波打ち共鳴するような作品だ。

3人による「へんシン」展は9月6日まで。