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ギャラリーと図書室の一隅で

読んで、観て、聴いて、書く。游文舎企画委員の日々の雑感や読書ノート。

たかはし藤水 インスタレーション「気配」 5月26日から

2024年05月24日 | 游文舎企画

 

5月26日(日)より、たかはし藤水さんのインスタレーション展が始まります。

DMではお知らせできない、毎回、展覧会に合わせてできあがる、その時だけの作品。ただいま、今展の全貌が見えたところです。

天井に張り巡らされた(?)笹の葉。地に生える植物のはずなのに、「見上げる」という行為を余儀なくさせられます。その不自然さになれた頃、ほの暗く、うっそうとした笹の森からはどこか遠い記憶を呼び起こすような気配が・・・・・・

乾いた笹の葉のささめき、匂い――一般的なアートではあり得ない五感に訴えかけるのも、たかはしさんの扱う植物という素材ならでは。さまざまな「気配」を味わってください。

6月2日(日)まで。会期中無休。


小山道夫作品展 5月3,4,5日

2024年05月01日 | 游文舎企画

柏崎市高柳町出身で現在東京に在住する小山道夫さんの里帰り個展です。

確かな形態把握、無駄のない力強い線。まさにクロッキーの醍醐味を見せてくれます。

女性たちの多彩な表情にも注目です。ゴールデンウィークのひととき、ぜひお出かけください。

 

 

5月3,4,5日10:00~17:00

会期中作家在廊します。


新井三呼展 その2

2024年04月12日 | 游文舎企画

 

 

 

会場に来られた方々がまず驚くのは「色の美しさ」。瑞々しく、豊かで、鮮烈な色彩は、思い切りのよい筆致や色の選択によりますが、とろりとした、油彩ならではの輝きにもよるのでしょう。絵の具と油と筆に心身を委ねるように、目的を持たずに始められた画面は、時には何かを連想させもしますが、それもあえて拒絶せず、それが純粋な抽象画ともどこか違うところではないでしょうか。そしてそれがまさに生成途上を思わせるゆえんでもあります。

思いのままに描き、激しく絵の具や筆をぶつけるように描くことがあっても、観る人を捉えるのは、心の奥底に蠢いている、あるいはふっと沸き起こってくる、どこか懐かしい記憶にふれあうところがあるのだと思います。

さらにそんな心の動きを瞬時にとどめたような作品群が、紙に鉛筆や油彩、水彩などを使った作品です。伸びやかでいて、繊細、油彩画との絶妙なバランスをお楽しみください。


新井三呼展その1

2024年03月24日 | 游文舎企画

       2014-23  53×45、5cm

 

 

             

 

23日、新井さんの作品が搬入され、一日がかりで展示を終えました。順次、ご紹介します。まずは油彩をいくつか。

入り口正面の作品「2014-23」は、蠢いている何かをぎゅうっと押し込めたような中央の黒い塊が不思議な存在感を持って迫ってきて、サイズ以上の迫力を感じさせます。とはいえこの感覚も見る人次第。新井さんの作品は「何かを描く」という目的語を持っていません。従ってタイトルは、制作年とナンバーをつけるのみ。いずれの作品も、まさに生成途上のみずみずしさ、動き、勢いがあり、なお画面は変化しそうな気配があります。抽象とか具象といった区別でも語りがたい作風です。(続く)

 


新井三呼展 OIL SPIRIT 4月6日から

2024年03月13日 | 游文舎企画

      2019-11 キャンバス・油彩 116、7×116、7cm

 

まもなく今年の游文舎の展覧会活動が始まります。

4月6日(土)から14日(日)まで「新井三呼展」です。

群馬県榛東村にアトリエを構える、新井さんの作品を一部、ご紹介していきます。

   2020-10 キャンバス・油彩 145、5×97cm

お名前にお聞き覚えがなくても、作品をみると思い当たるのではないでしょうか。2016年に游文舎で個展をされた佐藤美紀さんです。その後、郷里・群馬県に帰り、作家名を変えて、再び柏崎の会場で作品を見せてくださることになりました。

心機一転というよりは、むしろバージョンアップした、といった方がよいかもしれません。油絵の具の多彩で鮮烈で濃厚な色彩、それを適宜溶きほぐすペインティングオイル。それらを三呼さんほど、自在に豊かに駆使する人はいないのではないかとさえ思います。まるで画材と一体になったように、画材に身を委ねるように思いのままを描出する――それは「何かを描く」というよりも「描く」ことそのもの。自然に囲まれた榛東村のアトリエで描かれた三呼さんの絵画は、見る人の心に直接語りかけてくれることでしょう。