60歳からの眼差し

人生の最終章へ、見る物聞くもの、今何を感じるのか綴って見ようと思う。

生活習慣

2012年09月14日 09時36分07秒 | Weblog
 7月27日のブログで「腹だけ痩せる技術」という本のことを書いた。その内容を実践してみて1ヶ月後に健康診断に行く。そして先週その健康診断の結果を聞きにい行った。結果はある程度予想していた通りのもである。腹囲が3.5cm改善し体重は2.3kg落ち、その結果脂質の測定値はそれぞれに改善したわけである。LDLコレステロールが基準値より高めでB評価であるが、他はおおむね良好であった。やはり体型を標準に近づければ血液検査の結果も標準に近づいてくるものである。

  
 《計測》    基準値      今回     昨年      差

 身長              171cm    171cm
 体重               68.3kg  70.8kg    △2.3kg
 BMI(18.5~24.9)    23.3    24.0      △0.7 
 腹囲 (男85以下)     84.5cm   88.0cm   △3.5cm

 《脂質》              今回     昨年      差

 中性脂肪 (30~149)    106     171     △65
 HDL・C (40~119)     62      75     △13
 LDL・C  (60~119)    131     144     △13
 
 順天堂のある医者の言葉で納得したものがある。「生活習慣病を〈薬〉で治そうとする人がいる。しかしそれは間違いである。生活習慣病は生活習慣を改善することで治るのである」というものである。しごく尤もな話である。生活習慣に起因する病気として糖尿病、高血圧、脂質異常症があり、がん、脳血管疾患、心臓病などもその影響が大きいとされている。生活習慣(食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等)の偏りが積もり積もって、やがて生活習慣が病気の発症に関与するのである。薬はあくまでも対症療法であって病気が治るわけではないのである。

 以前にも書いたが仮性近視は一時的な近視で、私はこれも生活習慣病と思っている。目の疲れを癒し、見る物との間に距離を保っていれば近視は治るのである。しかし普通はその生活習慣は変えずにメガネでそれを補ってしまう。そして習慣が変わらないままメガネをかけ続けるからますます度が強くなっていく。眼科医やメガネ店はそれが自分達の生活の糧であるから、生活習慣を正すことについてはおざなりで、積極的に治そうとはしない。高血圧も塩分を控え運動をし、野菜を多く取れば薬を服用しなくても血圧は下がるものである。しかし定期的に診断し薬を出すことが医者の儲けになるから、積極的に降下剤の処方を薦めるのである。糖尿病にしても米やパンや麺類等の炭水化物を摂取しなければ(糖質制限法で)数値は劇的に改善される。だから生活習慣病といわれるものから脱し、健康を維持しようと思えば生活習慣を正せばいいわけである。しかしこれがなかなか出来ない。「水は低きに流れ、人は安きに流れる」。だから常に意識していないと、安易な方向に進んでしまうのである。

 以前紹介した「腹だけ痩せる技術」の本に書いてあったのだが、ダイエット方法で食事制限でも運動でも、続けている内は良いが、止めてしまえば簡単にリバウンドしてしまう。しかも続けることが出来るのは、自分にとって無理をしなくてもやれる方法だけである、と。その最も簡単な方法として腹筋に力を入れて、お腹を凹ませることを1日5~10回、一回に何十秒かやれば良いと書いてあった。それを読んで以来、朝起き歯を磨くとき、電車の中で立っているとき、通勤で歩いているとき、時々思い出しては腹筋に力を入れてお腹を凹ませている。もう1ヶ月半続けている。今回の健康診断で腹囲が落ち、体重が減り、結果として血液検査の脂質の数値が落ちたということは、やはりこの効果があったことは確かであろう。

 では、お腹を凹ませるだけで本当にこれほどの効果があったのか?と聞かれると、「そうだ!」とはいえない気もする。腹囲が3.5cm減った成果の半分は付随してやっていた食事のコントロールの影響もあったように思っている。毎日お腹を凹ませる行動をしていると、やはり食事にも意識が向かうのである。「今自分はお腹を凹ませて腹囲を落とそうとしている。それなのにこんなに食べて良いのだろうか?」というブレーキが働くようになった。日常の食事で分量やバランスを考えるようになり、酒を飲むときでも勢いに任せて食べなくなった。たぶんこの効果が半分以上はあるように思うのである。「自分の食生活を意識する」、それを継続をさせているのが腹を凹ませるという簡単な行為からなのである。

 私は高校時代から仮性近視でメガネを持ち、必要な時はメガネを掛けていた。だから運転免許も眼鏡使用の条件が付いていた。それから55歳頃から老眼が始まり老眼鏡の必要性を感じてメガネは携帯していた。しかし今は免許証の眼鏡使用の条件はなくなり、老眼鏡をかけることなく新聞が読める。これも遠くを見たり近くを見たりと意識することで、目の毛様体を動かして水晶体の調整機能をある程度取り戻すことが出来たからであろうと思っている。他にも意識を働かせることで改善する方法に、「計るだけダイエット」という方法がある。これは毎日朝晩の体重を計り記録を付けるだけで減量するという手法である。腰痛も同じように何時痛みが発生したか、そしてその日の出来事を毎日記録することで改善するらしい。思うにこれらの方法でやろうとしていることは、自分ではコントロールが不可能だと思っていた自律神経を自分の意識の中に取り込むことで、自律神経に働きかけて徐々に正常な状態を取り戻すようにすることなのだろうと思う。「腹だけ痩せる技術」もこれと同様な効果なのであろう。

 以前読んだ曽野綾子の「老いの才覚」という本の中に、「老年は一日一日弱り、病気がちになるという絶対の運命を背負っている。いわば負け戦みたいなのである」と書いてあった。負け戦であるから、抵抗することを諦めてしまえば、あっという間にボロボロになってしまう。だから気を抜かず意識して抵抗し続けることが、結局は自分の健康を維持して行けることなのだろうと思っている。