60歳からの眼差し

人生の最終章へ、見る物聞くもの、今何を感じるのか綴って見ようと思う。

旅行3(下関)

2015年08月28日 07時52分44秒 | 散歩(6)
 今NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」で放送中の幕末の長州、その中で時々下関が出てくる。連合艦隊に砲撃さた下関戦争の激戦地、高杉晋作が挙兵した長府の功山寺や終焉の地、維新に散った志士達400柱が祀られる桜山神社などがある。その他の観光地としては、源平の合戦で壇ノ浦に入水された安徳天皇を祀ってある赤間神宮。宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘の場になった巌流島等々。しかし近年のナンバーワンは平成12年開通の角島大橋だそうである。下関で一泊した翌日、高千穂へ同行した友人と一緒にレンターカーを借り、そんな観光地を回ってみた。
 
     
 
                            角島大橋(通行無料)
 
     
 
     
 
                          角島側から見た大橋
 
     
 
                                 角島灯台
 
     
 
                    角島灯台から大浜海水浴場方向
 
     
 
                                 大浜海水浴場
 
              
 
                     大浜海水浴場のそばにある礼拝堂
 
      
 
          
      
 
 
      
 
                               角島から本土へ
 
      
 
                                   長府の功山寺
 
                    
 
                         功山寺境内の高杉晋作の銅像
              幕府恭順派に対してわずか80人を率いてここ功山寺で挙兵
 
      
 
                             関門海峡 関門大橋
 
      
 
             窓から糸を垂らして釣りができる、私はこんな住まいに憧れる
 
      
 
                                 赤間神宮   
        源平の合戦に敗れ、わずか8歳で関門海峡に入水された安徳天皇を祀ってある。 
      水天門は竜宮造り、「海の中にも都はある」という二位の尼の願いを映して造られた。
   
                   
 
                      耳なし芳一(みみなしほういち)の像
      耳なし芳一の話は、安徳天皇や平家一門を祀った阿弥陀寺(赤間神宮)を
      舞台とした物語。小泉八雲の『怪談』にも取り上げられ、広く知られる。
 
     
 
                            関門大橋は車専用
 
     
 
                     本州と九州の最短の場所に橋はある
 
               
 
     
 
                      みもすそ川公園 維新戦砲台跡
             この下に関門トンネルがある。上が車道、下が人道の2重構造
 
                 
 
        関門国道トンネルの歩道用海底トンネルへ降りるエレベーター
 
     
 
                         門司の出口まで780m、約15分
 
                 
 
                     トンネルの真ん中あたりに福岡県との県境がある
 
     
 
               北九州市門司側の布刈神社から見た関門海峡、対岸が下関
 
                 
 
                                    海峡は大小の船が行き交う

                 
 
                      船の汽笛が鳴り止まないので海峡を見ると、
                     小舟が貨物船に挟まれて右往左往していた。
 
     
 
                          海峡を塞ぐような大型船
 
      
 
                                  旧門司三井倶楽部
                      門司港地区は大正レトロで売り込んでいる
 
      
 
                           右が旧大阪商船・出光美術館
 
      
 
               門司港から連絡線で関門海峡を渡って再び下関(唐戸)へ
 
      
 
                                 下関市唐戸町
 
      
 
                                唐戸市場
 
      
 
                   郵便局の向うは竣工100年旧秋田商会ビル
 
      
 
                           寿公園 金子みすゞ顕彰碑
        明治34年山口県長門市に生まれた童謡詩人、20歳の時に下関に移り住み、
       亡くなるまで慈しみと優しさに満ちた童謡詩を書いた。
 
                         左側に彼女の一つの詩があった。

          











旅行2(阿蘇⇒下関)

2015年08月20日 15時17分16秒 | 散歩(6)
                                   阿蘇大観峰

  高千穂の友人宅へ2泊した折り、最初の日(阿蘇空港⇒高千穂)と3日目(高千穂⇒熊本駅)に阿蘇を案内してもらった。阿蘇は中学生の頃両親と来たことがある。当時は中岳の火口まで近づくことができ、火口から上がる噴煙を間近にして自然のエネルギーの凄まじさを感じた。また大観峰からの阿蘇カルデラのスケールの大きさに圧倒された記憶がある。今中岳は噴火警戒レベル2で、火口から1kmの範囲は立ち入り禁止で見学することは出来ないようである。
 
 大学時代、北海道を旅行したときに美幌峠から屈斜路湖を見た。そのときもやはりそのスケールの大きさに圧倒されたことがある。後で知ったのだが屈斜路湖は日本最大のカルデラで、2番目が阿蘇山だそうである。この2つのカルデラの眺望は日本の箱庭的な景色とは違って、スケールの大きさを感じる数少ない場所のように思っている。

        

                 阿蘇外輪山のマップ

    中央が阿蘇山で中岳、高岳、根子岳、杵島岳、烏帽子岳の5岳からなる。

     

                        高森駅

                  南阿蘇鉄道高森線の終着駅
          外輪山の中にあり、上の地図では点線の右端に位置する。

     

                        高森駅

                     1時間に1本の運行

            

                      月廻り温泉

      

             入浴料500円だが、地元の人は割引券で200円
 

      

                 根子岳を望む露天風呂は開放感満点 

      

        阿蘇山はカルデラの中に立って周囲の外輪山を見渡すことが出来る

      

        カルデラを取り囲む外輪山は東西約18km南北約25kmに及ぶ

      

                    頭のギザギザの山は根子岳

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      3日目、高千穂から阿蘇神社から阿蘇大観峰経由で熊本駅まで送ってもらう

      

                        阿蘇神社
                       

      

               阿蘇開拓の祖、健磐龍命はじめ12神を祀る。
               全国に約450社ある「阿蘇神社」の総本社

             

                        大観峰へ

                  上の地図では中央の一番上の位置

 
       大観峰は阿蘇5岳を一度に望むことができる絶景のビュースポット
 
      
 
      
 
      
 
                        カルデラ壁
 
                 
 
              
 
      
 
      
 
      
 
      
 
                  ロール機械で刈り取った牧草
 
      
 
                   カルデラの上は放牧地
 
      
 
                      阿蘇の赤牛

          阿蘇大観峰から菊池市を経由して熊本駅まで送ってもらう

                     ・・・・・・・・・・・・・
 
        熊本駅から新幹線で小倉へ、小倉で在来線に乗り換えて下関
 
      
 
                       下関駅前

     ホテルに荷物を置いて、駅の傍にある下関漁港と海峡タワーに行ってみる
 
      
 
                       下関漁港
 
      
 
      
 
           
 
                       海峡タワー

            平成8年に関門海峡のランドマークとして誕生
 
      
 
                  展望室は日本有数の143m

        瀬戸内海、関門海峡、九州連山と360度のパノラマが広がる
        真ん中の小さな島が宮本武蔵と佐々木小次郎が戦った巌流島
 
      
 
         右が北九州市門司区、うっすら見えるのが自動車専用の関門橋
 
      
 
                川のように見えるのが下関漁港
 
      
 
              30分も経過すると夜景に変わった
 
 
 
 

旅行1(高千穂)

2015年08月14日 16時07分15秒 | 散歩(6)

                     高千穂峡

 私の友人に宮崎県高千穂町の出身者がいる。彼の実家を引き継いでいた姉さんが、3年前に他界し今は故郷には家と仏壇とお墓が残っているだけである。そんな状態のまま彼は年に3~4回帰省して家とわずかな畑を管理しながら別荘代わりに使っている。今回はお盆を挟んで2週間ほど故郷に帰るというので、私も便乗させてもらうことになった。高千穂の彼の実家で2泊し、それから私の故郷下関へ行くことにした。「体力のある内に人生を楽しむ」、今回は合計5泊6日の大旅行である。そんな旅行の合間に撮った写真を4回に分けて旅行記としてブログにアップする。

           

            8月8日羽田発ソラシドエアラインで熊本空港へ、
            迎えに来てくれた友人の車で高千穂へ向かう

      

                彼の実家は山間部の県道の脇にあった

      

                   彼の実家の庭から見た風景
        ここは標高462m、気温は平地より3度低く朝は寒く感じるほどである

      
  
                       町にあった役場跡

      

           彼の学んだ田原小学校、今は全校生徒50人足らずとか

      

                 翌日高千穂峡を案内してもらった

         

                      仙人屏風岩

         

                       高千穂峡

      


      

                       真名井の滝

      

                     ボートで滝のそばまで行く

      


      

                    近づきすぎると飛沫がかかる

      


      


      

                        高千穂神社

               

                宮司の後藤さんは彼の同級生だそうである。

      

                      高千穂神楽

       神社内の神楽殿で全33話(番)の内代表的な4話をダイジェスト版で公開

      

                手力雄命(たじからおのみこと)が天照大神が隠れている岩穴を探し当てる


               

                       天岩戸神社

                 手力雄命が岩戸を取り払っている像

      

                     天岩戸神社 西本宮

      

                     天岩戸神社 神楽殿

      

                    神社のそばを流れる岩戸川

      

                         天安河原

       天岩戸神社から岩戸川に沿って徒歩10分、天照大神が岩戸にお隠れに
       なったさい、天地暗黒となり、八百万(やおよりず)の神がこの河原に集まって
       神議されたと伝えられる大洞窟。まわり中小石が積まれて奇怪な雰囲気。

      

        いつの間にか祈願の人たちの手によって石が積まれるようになったとか

             



      

                         国見ヶ丘

          民謡「刈干切唄」の発祥地、阿蘇五山や祖母連山が楽しめる

             

                        国見ヶ丘

          神武天皇の孫に当たる建盤龍命が眼下に広がるその領地を
            眺めたことが「国見ヶ丘」の地名の由来と書かれている

      

                      国見ヶ丘からの眺望


      

           高千穂は九州山地の真っ只中、山又山の中に集落があり
             その集落は多数の道路と橋でネットワークされている

      

             山間地のため棚田が多い、林業が主な産業とか

      


                

      


      


      

               道路は整備され綺麗だが、車はほとんど通らない 




                        次回は阿蘇   





     




      



83歳の心境

2015年08月07日 08時39分02秒 | 日記
                        平櫛田中彫刻美術館
 
 日曜日36度を越す気温でも、やはり家の中にジッとしているのは面白くない。近場でどこか行く所はないかと西武線の散歩の雑誌を見ていると、小平市に「平櫛田中彫刻美術館」というのがあった。小平は何度も歩いたがこの美術館は行ったことが無い。そう思うと早速バックを持って家を出る。このあたりの腰の軽さは自分でも自慢できるところである。西武の支線を乗り継いで一橋学園駅から歩いて10分、一橋大学小平キャンパスと玉川上水のそばの住宅地の中にその美術館はあった。ここは平櫛田中(ひらぐし、でんちゅう)が晩年暮らした邸宅に併設して作られた美術館である。館内は私と親子連れだけ、自分のペースでゆっくりゆっくりと見て回る。平櫛田中の彫刻は40点ぐらいあるだろうか、どの作品もリアルで、作者の気迫がほとばしる感じがして、作品の確かさのようなものを感じる。
 
            
 
                                         鏡獅子

                
 
                    法堂ニ笑
 
 美術館を出て玉川上水の遊歩道を歩いていると、小平に住んでいるK.Hさんが頭に浮かんだ。「たぶん暇しているだろうから、呼び出してみよう」、そう思って携帯に電話してみる。彼は電話に出るなり、「暑いねぇ~、俺まだ生きているよ」と言う。「今、平櫛田中美術館まで来たんだけど、会えますか?」と私、「家に来る?」、「いや家はお邪魔だから、近くでお茶でもしませんか?」、「ではそうしよう。そこから玉川上水を三鷹の方に歩くと20分で喜平橋がある。そこで待ちあわせよう」ということになった。
 
 会うのは1年ぶりだろうか?久しぶりにあって感じたのは「痩せたなぁ」と言う印象である。彼は私と同じ干支の一回り上で83歳である。バブル期までは従業員を何人か使って会社を経営していた。しかしバブルが弾けてからは坂を転がるように業績は落ち、一時は娘のボーナスまで借りて資金繰りをしたそうである。しかし1997年に会社は倒産、抵当に入っていた自宅も競売に掛けられ、彼自身も個人破産の手続きをして無一文になってしまった。その後紆余曲折を経て70過ぎまで働き、今は息子の家に夫婦で居候している。そんな事情があるからか家族との折り合いも悪く、会えばいつも女房や息子の愚痴を言っている。
 
 人間観察が趣味の私は、そんな彼の波乱万丈の人生に興味を持ち、又私より一回り上ということから、年齢と共に健康や内面の変化など聞いて、私のバロメーターとしている。今回は70代から80代になって、体調や精神状態に何か変化があるのか?、そんなことを聞いて見ることにした。以下彼の答えである。
 
 80代になると急に自分の健康に自信がもてなくなる。自分の記憶力、運動能力、意欲など70代に比べて1ランクも2ランクも落ちたように思う。例えば朝の散歩、今まで1時間で歩けた距離が1時間半かかるようになった。歩き方も老人歩きになって、散歩の常連にもどんどん追い抜かれ、そのことを実感するようになる。

 80になると小学校以来の友人など、昔から親しかった相手といさかいが多くなる。原因は相手の話を聞いてやるということが難しくなり、反対に自分の話を聞かせようとする。「お前の話はいいから、俺の話を聞け!」、そんなことから、「あんな奴不愉快だ!」ということになて絶縁状態になってしまう。要は歳をとってきて、我がままになってきたのだろう。

 TVドラマなど好き嫌いがはっきりしてくる。先が読めないドラマ、ぐちゃぐちゃと小難しいストーリー、社会派のドラマ、残酷なシーンやオドロオドロしい場面は直ぐにスイッチを切ってしまう。歳をとってくるともう自分の気持ちを揺り動かされるのが嫌になってくる。だから今は「男はつらいよ」などの映画を録画したのを繰り返し見ている。もう48話を3回も4回も見ているから、その台詞まで覚えているぐらいである。なぜ好きなのかと言うと、主人公の寅さんはフーテン(瘋癲)だが優しく誠実に生きている。そして人並みに女性を好きになり、不器用さが災いしていつも不首尾に終わってしまう。そんなキャラの寅さんをみてほっと安心するだろう。それは自分と比較しある部分シンクロするものがあるのかもしれない。

 最近お酒を飲まなくなった。あれほど飲んでいたのに、・・・お酒を美味いと思わなくなったからである。食欲もなくなってきた。女房が心配して食べろ!というが、欲しくないのは仕方ないだろうといつも喧嘩になる。去年トイレで血を吐いたことがる。医者嫌いだから病院へは行っていない。医者に行けば即入院だろう。入院すれば悪い所を見つけ出され、体をさんざん痛められて終わりである。もうこの歳になれば入院生活など真っ平である。最後の最後まで自分の意思で動いていたいと思っている。 彼はそんな話をしてくれた。

                   
 
 平櫛田中は103歳まで生きたそうである。しかも100歳を超えても、あと30年かかっても使いきれないほどの彫刻の材木を所有していた。これはいつでも制作に取り掛かれるようにと、買い貯めていたそうである。平櫛田中と83歳の彼とは20年の開きがある。20年とは結構な時間差である。潜在的な生命力の違いもあるのだろうが、結局この違いは生きることへの執着の差も大きいように思うのである。以前このブログにも書いた「103歳になってわかったこと」という本の著者篠田桃紅も、「なにかに夢中になるものがないと、人は生きていて頼りない。なにかに夢中になっているときは、ほかのことを忘れらるし、生きていて救われる」と語っている。結局何かに夢中になれる人生が、その人の寿命を最大限に使い切るポイントなのであろう。