久々に新宿で商談を終え山手線の鶯谷まで戻ってきた。しかし駅前に出ると冷たい雨が激しく降っている。持ってきたのは小さめのビニール傘、これで15分歩いて会社に帰るのは少し億劫になる。「えいっ、タクシー使おう」そう思ってタクシーに乗った。会社まではワンメーターの710円である。右後ろのポケットから折りたたみの財布を出し1000円札を運転手に渡す。運転手は「10円ありますか?」と問う。今度はズボンの左ポケットの小銭入れを出して10円をだし運転手に渡す。300円のお釣を渡されてタクシーを降りた。
会社に戻ってしばらくし何気なく後ろポケットに手をやる。「あつ、財布が無い」、あわてて背広の全てのポケットを探し、机の周りも探して見てみる。しかし見当たらない。自分の行動を振り返える。タクシーで1000円札を出してから財布には触っていない。「そうだ、タクシーの中だ!」そう気づいた。1000円を出すときには財布は手に持っていたはずである。しかし小銭入れをズボンの右ポケットから取り出し、ジッパーを開くとき両手を使うから、財布はタクシーの座席に置いてしまう。そして降りるときには置いた財布を忘れてしまったのでる。しかしタクシーの会社名も車の色も覚えていない、領収書も貰っていない。
財布には月末の給料後で1ヶ月分の小遣いが丸々入っていた。銀行カード、免許証、家電量販店のポイントカードが4枚、そして会社で精算するために入れていた領収書が3~4枚、スイカの定期券(とチャージ額5000円以上)等々、「ああ~っ」と思わずため息が出てしまう。財布をタクシーに置き忘れたのはこれで2度目である。前回は運転手が気づいてくれ、財布の中に入れていた名刺を見て電話をかけ、わざわざ届けてくれた。しかしそれはたまたま良心的な運転手で運が良かったのである。今回は現金が沢山入っているから、運転手でも後から乗った乗客が見つけても、戻ってくるのは難しいように思ってしまう。現金が無くなったことも悔しいが、銀行カードの停止や再発行、免許証の再交付、考えただけでも気が重くなる。「あの運転手が、10円と言ったからこんなことになったんだ!」、自分の愚かさは棚に上げて運転手の所為にしてまう。どこにもぶつけようの無い怒りが湧き上がり苛立ってくる。仕方なしに東京タクシーセンターに電話して落し物の届出をする。銀行に電話してカードの使用を停止してもらい、インターネットで再発行の手続きをする。会社の近くの交番に行き紛失届けを出す。あとは善意の人に拾われることを期待して待つしかない。
翌日1日待ったが何の連絡も無い。運転免許証が無いと、免許不携帯で罰金になる。出てこないことを前提にすれば再発行してもらうしかないだろう。そう思ってその翌日鴻巣市にある埼玉県の免許センターに行った。往復4時間の時間をかけ、交通費と印紙代で6000円以上になった。ほんの少しの不注意が大きな損害になり、無駄な時間をとられてしまうことになる。しかし考えてみればこれは単なる不注意ではなく、自分が持っている盲点のように思うのである。そして年齢的な問題で今後も避けては通れない現象のように思うのである。歳を取るほどに2つの違う動作を同時にすることが難しくなってくるのだろう。自分の動作に満遍なく意識が働かず、無意識で動作していることが多くなる。だから小銭入れに意識が向かうと、財布のことを忘れてしまう。これからは一つ一つの動作を確実に終え、それから次の動作に入らなくてはいけないのかも知れない。さてこれからはどうしたら良いだろう?
以前は定期券、紙幣用の財布、小銭入れ、カード類と4つに分けていた。しかし分けると管理が難しくなるからと思い、小銭以外は一つにまとめ2つにした。しかし今回のことで反対に失った場合のリスクが大きくなる。ではどうするか? これからは使うシーン別に、そして使う頻度別に分けて携帯しようと考えてみた。しかも全てを身に着けずカバンにも分散しようと思う。一つは小銭と1000円札用の財布を作る。二つ目は高額紙幣とカード類を一緒にしてこれはカバンに入れる。三つ目は定期券を薄い定期入れにして胸のポケットに入れる。このことで一つの動作でなるべく完結させるようにして、しかもリスクを分散させることができるように思う。
歳を取るにしたがって今までに考えなかった新たな問題が発生してくる。これにどう対処していくかは加齢に向かっての大きなテーマなのである。先日本屋でシルバー川柳集というのを見つけ買って見た。その中の句で、物忘れを題にした作品を取り上げてみる。
忘れ物 口で唱えて 取りに行き
万歩計 半分以上は 探し物
改札を 通れずよくみりゃ 診察券
探し物 やっと探して 置き忘れ
立ち上がり 用事忘れて また座る
名が出ない 「あれ」「これ」「それ」で 用を足す
へそくりの 場所を忘れて 妻に聞く
紙とペン 探している間に 句を忘れ、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/f4/840010299fbc08d6388d79a042887595.jpg)
会社に戻ってしばらくし何気なく後ろポケットに手をやる。「あつ、財布が無い」、あわてて背広の全てのポケットを探し、机の周りも探して見てみる。しかし見当たらない。自分の行動を振り返える。タクシーで1000円札を出してから財布には触っていない。「そうだ、タクシーの中だ!」そう気づいた。1000円を出すときには財布は手に持っていたはずである。しかし小銭入れをズボンの右ポケットから取り出し、ジッパーを開くとき両手を使うから、財布はタクシーの座席に置いてしまう。そして降りるときには置いた財布を忘れてしまったのでる。しかしタクシーの会社名も車の色も覚えていない、領収書も貰っていない。
財布には月末の給料後で1ヶ月分の小遣いが丸々入っていた。銀行カード、免許証、家電量販店のポイントカードが4枚、そして会社で精算するために入れていた領収書が3~4枚、スイカの定期券(とチャージ額5000円以上)等々、「ああ~っ」と思わずため息が出てしまう。財布をタクシーに置き忘れたのはこれで2度目である。前回は運転手が気づいてくれ、財布の中に入れていた名刺を見て電話をかけ、わざわざ届けてくれた。しかしそれはたまたま良心的な運転手で運が良かったのである。今回は現金が沢山入っているから、運転手でも後から乗った乗客が見つけても、戻ってくるのは難しいように思ってしまう。現金が無くなったことも悔しいが、銀行カードの停止や再発行、免許証の再交付、考えただけでも気が重くなる。「あの運転手が、10円と言ったからこんなことになったんだ!」、自分の愚かさは棚に上げて運転手の所為にしてまう。どこにもぶつけようの無い怒りが湧き上がり苛立ってくる。仕方なしに東京タクシーセンターに電話して落し物の届出をする。銀行に電話してカードの使用を停止してもらい、インターネットで再発行の手続きをする。会社の近くの交番に行き紛失届けを出す。あとは善意の人に拾われることを期待して待つしかない。
翌日1日待ったが何の連絡も無い。運転免許証が無いと、免許不携帯で罰金になる。出てこないことを前提にすれば再発行してもらうしかないだろう。そう思ってその翌日鴻巣市にある埼玉県の免許センターに行った。往復4時間の時間をかけ、交通費と印紙代で6000円以上になった。ほんの少しの不注意が大きな損害になり、無駄な時間をとられてしまうことになる。しかし考えてみればこれは単なる不注意ではなく、自分が持っている盲点のように思うのである。そして年齢的な問題で今後も避けては通れない現象のように思うのである。歳を取るほどに2つの違う動作を同時にすることが難しくなってくるのだろう。自分の動作に満遍なく意識が働かず、無意識で動作していることが多くなる。だから小銭入れに意識が向かうと、財布のことを忘れてしまう。これからは一つ一つの動作を確実に終え、それから次の動作に入らなくてはいけないのかも知れない。さてこれからはどうしたら良いだろう?
以前は定期券、紙幣用の財布、小銭入れ、カード類と4つに分けていた。しかし分けると管理が難しくなるからと思い、小銭以外は一つにまとめ2つにした。しかし今回のことで反対に失った場合のリスクが大きくなる。ではどうするか? これからは使うシーン別に、そして使う頻度別に分けて携帯しようと考えてみた。しかも全てを身に着けずカバンにも分散しようと思う。一つは小銭と1000円札用の財布を作る。二つ目は高額紙幣とカード類を一緒にしてこれはカバンに入れる。三つ目は定期券を薄い定期入れにして胸のポケットに入れる。このことで一つの動作でなるべく完結させるようにして、しかもリスクを分散させることができるように思う。
歳を取るにしたがって今までに考えなかった新たな問題が発生してくる。これにどう対処していくかは加齢に向かっての大きなテーマなのである。先日本屋でシルバー川柳集というのを見つけ買って見た。その中の句で、物忘れを題にした作品を取り上げてみる。
忘れ物 口で唱えて 取りに行き
万歩計 半分以上は 探し物
改札を 通れずよくみりゃ 診察券
探し物 やっと探して 置き忘れ
立ち上がり 用事忘れて また座る
名が出ない 「あれ」「これ」「それ」で 用を足す
へそくりの 場所を忘れて 妻に聞く
紙とペン 探している間に 句を忘れ、
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