60歳からの眼差し

人生の最終章へ、見る物聞くもの、今何を感じるのか綴って見ようと思う。

高齢者講習

2015年06月26日 08時49分11秒 | Weblog
 70歳を超えての運転免許更新には「高齢者講習終了証明書」が必要である。また75歳からの更新には「高齢者講習」と「講習予備検査」があり、予備検査で記憶力・判断力低くなっていると判定されると、専門医による適性検査を受け、ここで認知症と判断された場合は免除の取り消しになる。
 
 今年3月に運転免許証を紛失し、大宮の運転免許センターに再発行手続きで行った時、「貴方は7月が免許書き換えです。今は更新講習は3ヶ月待ちになっているから、直ぐに予約をしないと間に合わなくなりますよ」と言わた。それであわてて近くの自動車学校に予約を入れたが、やはり3ヶ月待ちで講習を受けたのは先週になってしまった。
 
 さて当日の講習の受講者は9人である。受講者は3人単位に分けられ、私の組は最初に運転診断を受けた。講師が自動車の助手席に乗り、我々は3人は交代で運転し教習コースを回った。S字カーブやクランクの運転など、訓練コースを回ったのは免許取得いらい50年振りである。私の診断結果は、「交差点の手前での徐行や減速のタイミングが遅い。カーブ手前での減速が遅いから少し大回りになる。ハンドルの握りが、内がけになる場合が多い」、という指摘である。
 
 次が視力検査である。まずは前を向いたままでの左右の視野角度、これは165°で50代平均と同じで問題なし。次が通常視力、これも裸眼で1.0は維持しているから問題なし。しかし動体視力と夜間視力は低い数値であった。動体視力は、遠くから近づくように見えるランドルト環(円形の一部が切れている輪)を、どの時点で判別できるかのテスト、夜間視力は明るい画面を見て瞳孔が開いた状態から、一気に暗くしてランドルト環を何秒で識別できるかで検査する。特に夜間視力は劣っていて、平均は24秒で見えるよになるそうだが、私は60秒経過しても識別できなかった。これは明暗に対しての順応が鈍くなっているから、トンネル内走行には注意が必要だと言われた。
 
 最後が運転適正検査で、反応動作、緊張の維持、注意配分などを見る。ゲームセンターにある運転ゲームのような機械で、赤信号や左右に曲がれの標識が出て、その都度ブレーキとハンドルを操作するものである。これは最初の音声説明だけでは操作手順が理解しずらく、戸惑う人が多かった。私はとりあえず「同年代との比較は普通」との判定であったが、これはあくまでもゲームであって、実地運転とは異質で無意味な検査のように思う。
 
 3時間の講習の合間の受講者同士の会話の中から、我々年代の共通する問題が見えてくる。その最大のものが視力である。車に同乗した一人は緑内障で視野が狭くなっていて、来月手術をするという。もう一人は白内障で視野の下半分は霧がかかったように見えるという。他にも動体視力や夜間視力は全員が低い数値だったようである。
 
 次が判断力や適応性が鈍くなっていることである。私と一緒の組で運転した人は、講師が、「次ぎのA1の標識を右に」、「次の交差点を左に」という指示に戸惑い、途中で停止することもあった。これは自分の意思ではなく、人の指示を理解し行動に繋げることが鈍くなっているのであろう。ある女性は、「自分の乗っている車と勝手が違うから、3回縁石に乗り上げてしまった」と言う。これも環境の変化への対応が鈍くなっているのであろう。
 
 NHKの報道で言っていたが、交通事故の総件数が減少する中、65歳以上の高齢ドライバーが起こす事故はここ15年で倍増と、増え続けているという。大きな要因が「実際の運転能力と自己認識のズレ」、加齢とともに視野や動体視力などの認知機能は衰え、標識の見落としや対向車のスピード読み間違えに繋がりやすくなる。と言っていた。
 
 今回の受講で私を含め9人全員に認知機能の多少の衰えは認めざるを得ないだろう。私は今はなるべく車は使わず公共の交通機関を使い、歩くことを心がけている。しかし郊外に住んでいる以上、やはり車がないと不便である。クリーニング屋へ行く時、遠くのホームセンターで買い物をする時、重い荷物は車が楽である。しかし事故を起こした時は自分のことだけでは済まず、人を巻き込んでしまう。人生の晩年で禍根は残したくない。だから「何時まで運転を続けるか?」これが問題である。自分自身に厳格な基準をも置け、ある時点でスッパリやめるしかないだろうと思っている。 

            

                 
 
 

 

箱根駅伝を歩く(9)

2015年06月19日 14時13分04秒 | 散歩(6)

 箱根駅伝のコースを歩いた行程

① 大手町(読売新聞社前)⇒大森海岸(京急)
② 大森海岸⇒鶴見市場(京急)
③ 鶴見市場⇒保土ヶ谷(JR)
④ 保土ヶ谷⇒戸塚(JR)
⑤ 戸塚⇒辻堂(JR)
⑥ 辻堂⇒大磯(JR)
⑦ 大磯⇒国府津(JR)
⑧ 国府津⇒風祭(箱根登山鉄道)
⑨ 風祭⇒小涌谷(箱根登山鉄道)
⑩ 小涌谷⇒芦ノ湖(ゴール) 《予定》

  107kmを10回に分け、沿線の写真を撮りながらぶらぶらと歩くこの企画も、いよいよ終わりに近づいてきた。歩き始めて気づいたことだが、この企画は「今日は何処を歩こう?」と悩まないのが良い。もう一つは歩き終わったとき、芦ノ湖まで歩いたという達成感があるだろうと思うことである。しかし国道を歩くから常に自動車が気になり、沿線に見所がない日はひたすら歩くだけになってしまう。そして行き帰りがしだいに遠くなってきて交通費が掛かる、そんなことが問題でもある。

  今日は箱根登山鉄道の風祭駅から歩き始め、箱根の山登りである。風祭駅から箱根湯本駅まではフラットな道が続くが、湯本の温泉街を通過する辺りから次第に上りになってくる。やがて駅伝の中継で紹介されている函嶺洞門(かんれいどうもん)が見えてくる。ここは道幅が狭く、大型バスがすれ違えないなど支障があったことから、昨年の2月から通行止めになった。したがって今年の箱根駅伝の5区は迂回路を走っため、従来より距離が20m長くなったそうである。

 函嶺洞門を過ぎてから昇りの傾斜が少し増してくる。しかしその昇りも「如何にも坂」という感じではなく、「だらだらとした緩い坂」という表現の方が適切のように思える。自動車で走るならギアは「D」(ドライブ)で、普段より気持ちアクセルを踏み込んで走る感じであろうか。だから歩いていても荒い息にはならず、気がつけば坂だった、そんな感じである。今までTVの中継で見ていると、登り一辺倒の急坂を喘ぎ喘ぎ登っていたように感じていた。しかしそれは中継車の高い位置のカメラアングルからの錯覚もあるのだろう。実際に歩いてみると坂の角度は一定で、道は九十九折になっているから目線が変わり、気分転換も図れる。そうは言ってもやはりフラットな道よりエネルギーを使っているのだから箱根駅伝で最大の難関区間であることは間違いない。
 
 風祭をスタートして箱根湯本、塔ノ沢、大平台、宮ノ下から小涌谷まで、休んだ時間も少なく、予想以上に快適に昇ってきたように思う。小涌谷駅からは鉄道は国道1号線から離れて強羅に向かう。そのため帰りのことを考え今日は小涌谷までとした。いよいよ次回はこの小涌谷からゴールの芦ノ湖まで歩くことになる。今は梅雨の時期、ラストウオーキングは天候が良い日を選ぼう。
 
     
 
                    小田原駅 箱根登山鉄道プラットホーム
 
     
 
                           風祭 鈴広蒲鉾売店前
 
     
 
                     1号線は箱根の山に向かって延びている
 
               
 
                            芦ノ湖まであと19km
 
     
 
                         箱根湯本の駅が見えてくる
 
     
 
                             箱根湯本温泉街
 
     
 
          1号線の両脇はお土産店が並ぶ。中国語韓国語が乱れ飛んでいる
 
              
 
                     標識も英語中国語韓国語と国際的
 
     
 
                         このあたりから穏やかな上りになる
 
     
 
                                 函嶺洞門
 
     
 
                  築80年以上、昨年2月から通行止めになっている
 
     
 
                                   早川
 
     
 
                                   早川
 
     
 
                          この辺りから歩道が無くなる
 
                
 
                   来年の箱根駅伝のこのコースを目指すのだろうか
 
     
 
                          常にすれ違う車が気になる
 
     
 
              道路の反対側のカーブミラーに休憩中の私が写っていた
 
     
 
               
 
                             自転車で登る人
 
     
 
     
 
                   箱根登山鉄道は2度スイッチバックをして登る
 
               
 
     
 
     
 
                       このコース最大のヘアピンカーブ
 
                   
 
                    このトウモロコシのような植物はなんだろう
 
                
 
                              ホタルブクロ?         
 
     
 
                    大涌谷周辺は相変わらず噴火レベルは②のまま
 
          
 
                               宮ノ下
 
     
 
                              冨士屋ホテル前
 
     
 
                                小涌谷踏切
 
     
 
                               小涌谷駅
                ここから登山鉄道は1号線から離れて強羅へ向かう
 
     
 
                                小涌谷駅
 
                             今日はここまで
 
     
 
 
 
 
 
 
 
     

水彩画教室(12)

2015年06月12日 08時54分34秒 | 美術
                スケッチブックの左で色の試し塗り

 このブログに絵の作品をアップするのは7ヶ月ぶりである。その間も水彩画教室には通い続けている。しかし習い始めて3年を経過する頃から、自分なりにマンネリを感じるようになってきた。何がどうということは分からないが、描いた絵を見返しても、下手は下手なりの納得感が得られないのである。ただ描いただけ、自分が求めていた郷愁、憂い、旅情や静寂、そんなものを自分自身が自分の絵から感じないのである。では何をどう変えれば良いのか、それも分からない。そんな話を友人にしたら、「水彩色鉛筆をやめて透明水彩にしてみれば・・」と言われた。行き詰まりを感じていたので、「それも良いかもしれない」そう思って早速世界堂へ行って、絵の具とパレットと筆を買い、翌週の水彩画教室から切り替えることにした。
 
 教室で透明水彩に切り替えてみて、今度は大きな戸惑いが生じることになる。先ず色、色鉛筆は色を塗り重ねていくことで表現できるが、水彩はパレットで色を作ってから描いていく。そしてその色も色鉛筆は24色が基本だが。水彩は混ぜ方によって無限である。だからまづ色の出し方で戸惑ってしまった。それから色の濃淡、色鉛筆では筆圧で加減するが、水彩は水の分量や絵の具の混ぜ方で調整する。そして何より戸惑ったのは、筆が上手くコントロールできないことである。色鉛筆は画用紙に接触しているから横の動きだけをコントロールすれば良いのだが、筆は宙に浮かせて横の動きに加え上下のコントロールが必要になる。
 
 ぎこちない手の動きでは真っ直ぐな線が描けず、どうしても太い線になってしまう。そして出来上がった作品は単調で、どろんとした野暮ったい絵になってしまう。最初に教室に通い始めた時と同じで、再び中学生の絵に舞い戻った感じである。「今までの3年間はなんだったのだろう」、「やはり水彩は止めて色鉛筆に戻ろうか」。そんなことを何度も思いながらも、「別に急ぐ必要もない、ゆっくりやろう」と自分に言い聞かせて続けてみた。そして2ヶ月を過ぎたころから次第に水彩に慣れてきた感じがする。もう少し描けば色の出し方にも、筆使いにもなれてくるかもしれない。そうすれば色鉛筆の時より巾が広がるように思える。
 
                    ・・・・・・・・・・・・・
 
           下から17枚の絵は従来通りの水彩色鉛筆で描いたもの

         

                              秩父

     

                             秩父

     

                         都立狭山公園

     

                            鹿島神宮

     

                            富山

                          ・・・・・・・・

               マンネリを打破しようと思い「道」をテーマに描いてみる

     

                        豊島区高田 急坂

     

                         雑司が谷への道

     

                        国分寺 お鷹の道

     

                          雑木林の道

     

                         旧東海道 杉並木

     
 
                       旧東海道 石畳の道

     

                        国分寺 お鷹の道

     

                       茨城県安食 農道

     

                         横浜市 山下町

     

                       横浜市 寺家ふるさと村

     

                       足利市 鑁阿寺の参道

     

                       高麗市 巾着田の桜並木



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                   ここから透明水彩に切り替え

     

                         箱根 湿生花園

     

                            手賀沼

     

                          房総の海

     

                             房総

                  色や細かな筆使いができず途中ギブアップ

     

                             菖蒲園

                   花の色が単調になり細かな描写ができない

     

                        東大 三四郎池

                 細かく描けなければぼかして描いてみようと思う

     

                          二宮の海岸

              先生に筆先を使って点を打って描くようにアドバイスされる

     

                      小田原市 おしゃれな民家

     

                        相模原市 相模川

     

                         小田原市 早川

     

                       秩父皆野町   ポピー畑

     

                          秩父 長瀞







     

     

天空のポピー

2015年06月05日 08時36分07秒 | 散歩(6)
 先週、秩父郡の皆野町にあるポピー畑を見に行った。近年西武鉄道では「西武線で行く花さんぽ」など、沿線の町とタイアップしての花の企画が増えてきたように思う。今のシーズンは豊島園の「あじさい祭り」、東村山市の「菖蒲祭り」、所沢市の「ゆり園」などをPRしている。3月には秩父郡長瀞町の「ろう梅園」、4月は秩父市の「芝桜」、9月には高麗市の「曼珠沙華」と、一種類の花を大規模に栽培し、その迫力で集客を狙っている。高齢化が進む沿線では、遊園地や野球場、スキースケートなどのレジャーよりは年配者には相応しい企画のよう思える。そして今年からPRし始めたのが皆野町のポピーである。

        

               豊島園 あじさい祭り

        

                 東村山 花菖蒲

        

                  所沢 ゆり園

        

               秩父羊山公園 芝桜

        

                秩父宝登山 ろう梅園

        

                 高麗 曼珠沙華
 
 秩父鉄道の皆野駅に降りて「秩父高原牧場」へのシャトルバス(マイクロバス)に乗る。大型が通れない急勾配の細い山道を、バスは喘ぎながら登って、約25分で丘の上に着いた。バスを降り、丘を見上げると赤いポピーが一面に広がっている。青い空と赤い大地、高原を登っていくと秩父の山々が見えてくる。自然に囲まれた真っ赤なポピー畑、爽快であり圧巻である。パンフレットによると約1500万本のポピーが植えてあり、「天空を彩るポピー」というタイトルが付けてある。都心からも遠く、多くの集客には不向きではあるが、しだいに人気が出てくる企画のように思えた。