AM5:50
今年は例年に比べ寒い冬である。こうなると、世の中で言われている温暖化の懸念が一転し、「今は何万年の周期で繰り返す氷河期の淵にあり、これからは氷河期に向かう」という説が真実味をおびてくる。さてどちらが正しいのか、未来は誰もが予測できない未知数のものなのであろう。年が明けてから毎日のように体を縮めて歩いていると、夏の方がまだましだと思ってしまう。私にとっては寒さに震えて暮らす冬より、汗をダラダラと掻いても夏の方が好ましく思う。秋が深まり落ち葉が散って冬が近づいてくる頃から、自分の中の気持ちがしだいに落ちて行き、何事にも対してもテンションが上がらないように思うのである。それは気温の低下による不活性もあるのだろうが、もうひとつ明るさが関係するのではないだろうかと思っている。
11月に入ると急に夕方が暗くなるのが早くなり、夜の明けるのが遅くなってくる。そして12月22日の冬至、1年で最も昼の時間が短くなる日を迎える。しかし暦の上では夜が明けるのが最も遅いのは1月に入って7日前後である。それは地軸の傾きで、日の入りと日の出の端が、冬至を挟んで約1ケ月ほど離れるからである。(日の入りが最も早くなるのは12月7日前後で東京では午後4時31分。反対に日の出が最も遅いのは1月7日前後で朝6時51分である)
私は朝の6時少し前に家を出る。歳を取って朝起きることが苦にならなくなると、満員電車を避けて電車で新聞が読める時間帯に乗りたいと思うようになった。その時間の出勤だと12月からは暗くなり、年明けは真っ暗で夜中に家を出るような感じである。12月31日から1月13日までの約2週間、東京の日の出はずーっと6時51分で、ピタリと固定して動かない。この期間、私の意識は底を這っているかのように、1年で一番陰鬱な時である。そんな期間が終わりを迎え、1月14日の日の出は6時50分と前日に比べ1分ほど早くなる。それから4日後の1月19日が6時49分、3日後の22日は48分、さらに2日後の24日が47分、26日は46分、27日は45分とその間隔は縮まって行き、やがて1日に何分と言う刻みで夜明けはスピードを増していく。
今日(2月10日)の日の出は6時34分、一番遅かった時と比べてすでに17分早くなった。6時前に家を出る頃、東の空は夜明けが近いことを感じるほどわずかに明るさが出てくる。20分かけて駅に着く頃、東の屋並みは薄ぼんやりと白くなったようである。電車の車窓から時折外に目を向けると、いつの間にか明るさが増し、池袋に着いた時には夜が明けている。駅構内の喫茶店でゆっくりと珈琲を飲みながら新聞を読む。30分ほどで腰を上げ再び山手線に乗り鴬谷まで、8時ごろには会社に着いている。例年に比べれば遅れているのだろうが、会社に隣接する公園には梅のつぼみが膨らんでいた。そのつぼみの大きさが確実に春が近付いていることを感じさせてくれる。やがて3月になり菜の花の黄色と緑が目に入ると、その春も確実なものとして実感できるようになるのである。

AM6:00

AM6:10

池袋AM6:40

AM8:00
1年を通じて四季があるように、自分の中にも一年を通してのサイクルが有る。日ごとに暖かさを増す春は浮き立つ気持ちになり、じめじめした梅雨にはうっとおしい気分が私を包む。逃げ場のない夏の暑さは自分との闘いを感じ、涼しくなる秋はゆとりと癒しの時かもしれない。秋が深まり次第に厚着になってくると、体の動きが鈍くなり、気分は次第に重くなる。年が明けしばらくして、夜明けが早くなったのを知ると、寒く暗い冬が底を打ったことを感じ春を思うのである。枕草子にある「春はあけぼの、やうやう白くなりゆく、・・・・・」は、春はあけぼのの頃が一番良いと言うことらしい。寒さの中にも次第に明るさを取り戻していくあけぼのは、春を予感させ、春を待つ気持ちをいっそう強くするのである。

浜離宮3月

今年は例年に比べ寒い冬である。こうなると、世の中で言われている温暖化の懸念が一転し、「今は何万年の周期で繰り返す氷河期の淵にあり、これからは氷河期に向かう」という説が真実味をおびてくる。さてどちらが正しいのか、未来は誰もが予測できない未知数のものなのであろう。年が明けてから毎日のように体を縮めて歩いていると、夏の方がまだましだと思ってしまう。私にとっては寒さに震えて暮らす冬より、汗をダラダラと掻いても夏の方が好ましく思う。秋が深まり落ち葉が散って冬が近づいてくる頃から、自分の中の気持ちがしだいに落ちて行き、何事にも対してもテンションが上がらないように思うのである。それは気温の低下による不活性もあるのだろうが、もうひとつ明るさが関係するのではないだろうかと思っている。
11月に入ると急に夕方が暗くなるのが早くなり、夜の明けるのが遅くなってくる。そして12月22日の冬至、1年で最も昼の時間が短くなる日を迎える。しかし暦の上では夜が明けるのが最も遅いのは1月に入って7日前後である。それは地軸の傾きで、日の入りと日の出の端が、冬至を挟んで約1ケ月ほど離れるからである。(日の入りが最も早くなるのは12月7日前後で東京では午後4時31分。反対に日の出が最も遅いのは1月7日前後で朝6時51分である)
私は朝の6時少し前に家を出る。歳を取って朝起きることが苦にならなくなると、満員電車を避けて電車で新聞が読める時間帯に乗りたいと思うようになった。その時間の出勤だと12月からは暗くなり、年明けは真っ暗で夜中に家を出るような感じである。12月31日から1月13日までの約2週間、東京の日の出はずーっと6時51分で、ピタリと固定して動かない。この期間、私の意識は底を這っているかのように、1年で一番陰鬱な時である。そんな期間が終わりを迎え、1月14日の日の出は6時50分と前日に比べ1分ほど早くなる。それから4日後の1月19日が6時49分、3日後の22日は48分、さらに2日後の24日が47分、26日は46分、27日は45分とその間隔は縮まって行き、やがて1日に何分と言う刻みで夜明けはスピードを増していく。
今日(2月10日)の日の出は6時34分、一番遅かった時と比べてすでに17分早くなった。6時前に家を出る頃、東の空は夜明けが近いことを感じるほどわずかに明るさが出てくる。20分かけて駅に着く頃、東の屋並みは薄ぼんやりと白くなったようである。電車の車窓から時折外に目を向けると、いつの間にか明るさが増し、池袋に着いた時には夜が明けている。駅構内の喫茶店でゆっくりと珈琲を飲みながら新聞を読む。30分ほどで腰を上げ再び山手線に乗り鴬谷まで、8時ごろには会社に着いている。例年に比べれば遅れているのだろうが、会社に隣接する公園には梅のつぼみが膨らんでいた。そのつぼみの大きさが確実に春が近付いていることを感じさせてくれる。やがて3月になり菜の花の黄色と緑が目に入ると、その春も確実なものとして実感できるようになるのである。

AM6:00

AM6:10

池袋AM6:40

AM8:00
1年を通じて四季があるように、自分の中にも一年を通してのサイクルが有る。日ごとに暖かさを増す春は浮き立つ気持ちになり、じめじめした梅雨にはうっとおしい気分が私を包む。逃げ場のない夏の暑さは自分との闘いを感じ、涼しくなる秋はゆとりと癒しの時かもしれない。秋が深まり次第に厚着になってくると、体の動きが鈍くなり、気分は次第に重くなる。年が明けしばらくして、夜明けが早くなったのを知ると、寒く暗い冬が底を打ったことを感じ春を思うのである。枕草子にある「春はあけぼの、やうやう白くなりゆく、・・・・・」は、春はあけぼのの頃が一番良いと言うことらしい。寒さの中にも次第に明るさを取り戻していくあけぼのは、春を予感させ、春を待つ気持ちをいっそう強くするのである。

浜離宮3月
