花浄土鹿児島

鹿児島の花や風景、祭りなどを巡るブログです。
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桜島撮影あれこれ-2 2017/05/26 (鹿児島)

2017-05-26 15:40:25 | 桜島
3 昭和火口の噴火撮影


2009年から活動が活発となった昭和火口ですが、活動再開の2006年当時は桜島まで撮影に訪れる人はわずかでした。噴火活動が激しくなり始めた2009年から徐々に撮影者が訪れるようになりました。

デジタル一眼レフの普及に伴いだれでも簡単に夜間撮影ができるようになり、マスコミも無人撮影装置を設置したほか、2010年には県外国外からも大勢の撮影者で島内はにぎわいました。カメラ雑誌や写真コンテスト、新聞・テレビでの報道が撮影熱に拍車をかけたようです。



デジタルカメラの技術進化
フィルム時代は一般的な感度上限は800程度で撮影データも殆ど存在せず、昭和時代に夜間の噴火を記録することは容易ではありませんでした。デジタルカメラは高感度での撮影が可能であり、写した結果がすぐに判る優れもの。初期には高感度や長時間露光はノイズを生じて実用に耐えなかったのですが、技術革新で大伸ばしをしなければ感度3200程度でも実用十分な画質になりました。中判カメラでフィルム撮影する人もいますがごく少数派です。

昭和火口の特徴
火山の斜面に開口した火口であり噴火活動が記録しやすいことです。
噴火に伴う噴石の飛散や火映現象、火山雷などの撮影にも好都合です。
前のページで書いたように南岳火口は山頂から350m程度の深い位置から噴煙を上げます。昭和50年代の活動では1m以上の噴石を有村・古里地区の海岸近くまで飛ばしています。当時は溶岩がせり上がり火口底がかなり上昇していたと思われます。

その点、昭和火口は斜面に開いていますので小規模な噴火活動でも良く見えます。惜しいことは昭和火口は南岳東側斜面にあり、鹿児島市街地からは噴火の様子が殆ど見えないことです。

4 夜間撮影の注意点

天候と撮影ポイントの選定など
風景写真は天候に大きく左右されます。
桜島は標高1,000mクラスの山ですから、山頂や火口が雲に隠れることもあります。雨降りや雨前で山頂が隠れているときは、当然ながら爆発しても良く写りません。一か八かで雲の切れ間を期待するとか、雲に反射する火柱を狙うなど特に目的がある場合は別ですが、撮影はあきらめる方が賢明です。

特に風向きには注意が必要です。
風向きが悪ければ撮影者にもカメラにも車にも容赦なく火山灰が降りかかります。カメラにビニル袋やシートを被せて凌いでも噴煙が続けばいつまでも火山灰に見舞われます。それを覚悟で写すよりも、撮影場所を移動することをお勧めします。

夜間撮影はひたすら待つ時間が長いので、火山灰が降り続くとテンションが下がります。カメラやレンズの故障にもつながります。暗いので気づかないだけで、実際には灰まみれになっていたことが何度もあります。

天候が下り坂に向かうときは上空の風が弱くて、桜島の東側ではどこに移動しても火山灰をかぶることがあります。桜島島内での撮影ですから少々は我慢しましょう。

車内から撮影したいなら早めに出かけて交通に支障のない場所に駐車しましょう。島内での車内撮影ポイントは限定的で、レリーズ延長コードやワイヤレスレリーズがあれば重宝します。

構図とピントの確認
風の強さと向きや噴火の大きさによって撮影構図を変えます。
噴石の飛ぶ方向や火山雷の位置を推定して構図を決めます。月夜には簡単ですが、噴煙が広く漂うときや闇夜では注意が必要です。噴火したけど撮影範囲外だったという失敗も数知れずです。大きな噴火を予想したが小さくて迫力不足になったり、逆に火口をアップで狙っていたら大きな噴火になり画面をはみ出すこともあります。

ピント調整にも注意しましょう。
単焦点レンズでは明るい内に山頂付近にピントを合わせ、ピントリングが動かないようにガムテープで固定するのも効果的です。いくら大きな噴火があってもピンぼけでは完全な失敗作。

私は望遠系のズームレンズを使用していますが、ズームを変えるたびに遠くの灯りや明るい星を探してAFでピントを合わせています。ガムテープで固定した頃もありましたが、ズームを変えると微妙にピントがずれるため、今はその都度ピント調整しています。

結露防止のレンズカバー 右はレリーズ


結露に注意
結露も大敵です。乾燥した真冬でも夜半になると冷え込んでレンズ表面が曇ってきます。いったん結露が始まるといくら拭いてもレンズが曇り続けます。繰り返し拭くしかありません。予防策としてレンズを断熱性の銀色シートの筒で覆ったり、使い捨てカイロを貼り付けることで一定の効果はあります。それでも油断は禁物、時々チェックしましょう。直接レンズ表面を拭くことはタブーです。火山灰対策としても保護フィルターは必要です。

次に続く

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