花浄土鹿児島

鹿児島の花や風景、祭りなどを巡るブログです。
(季節の花、吹上浜、桜島、霧島など)

大正噴火から110年 桜島の今 2024/01/12(鹿児島)

2024-01-12 18:44:42 | 桜島
1月12日(金)桜島撮影のため、かごしま健康の森公園へ出かけました。

6時57分 雲の多い朝 鹿児島市の最低気温は8.0度


日の出は7時18分、雲が次第に増えて遠い団地の街灯などが瞬いて見える不思議な朝でした。

朝日が桜島の南側斜面に顔を出すのは7時33分頃、南岳山頂火口から緩やかに薄煙が出ています。

7時38分 朝日は雲の帯に隠されている


雲が次々にやって来て、朝日の位置がわからないほどで残念。

8時15分 雲の隙間から光が差し込む


雲がまばらになったので待つうちに、天使の梯子とも呼ばれる光の帯が差し込んできれいでした。

今日1月12日は桜島の日、大正3年(1914年)に大噴火が起こり、流れ出した溶岩が海峡を埋め尽くし桜島は大隅半島と陸続きになりました。

2023年10月12日 鴨池港の新造船と桜島


昨年10月の国体期間中に何度も噴煙を上げましたが、その後はおとなしく今年に入ってからの噴火は1回だけです。

最近の桜島の噴火回数について簡単なグラフを作りました。

2001年以降の年間噴火回数 噴火口は南岳山頂火口と昭和火口


2006年の昭和火口活動再開後は噴火回数が増加し1000回を超える年もあり、2011年には霧島連山の新燃岳でも大きな噴火が発生しました。

昭和火口の活動が低下した2016年からは噴火回数が減少しています。昨年は昭和火口でも40回の噴火が観測されたものの活動は一時的でした。

2010年12月5日 昭和火口夜間撮影


昭和火口の噴火規模は小さいものでしたが、周回道路から比較的近い山腹に火口があり、多くの人が夜間撮影に集まりました。

2013年12月 桜島の昭和火口


夜間撮影の一コマで、緩やかに白煙を上げていました。

1982~2000年の噴火回数


気象台から発表されている噴火回数記録です。判りやすい火山活動の指標ですが、火山灰や火山ガスなど噴出物のデータもあるようです。

今朝の地元紙には大正噴火レベルのマグマが溜まり、大規模噴火が起こると風向き次第で鹿児島市の降灰が1mを超えると書かれていました。

大規模噴火はかなり長い時間スケールで起きるものですが、近い内なのかだいぶ先なのか気になります。

昭和時代の桜島南岳山頂火口の噴火 撮影は二科会会員の住高秀氏


桜島の西側から撮影された夜の噴火です。太い火柱が上がり噴石が中腹にまで飛散する大きな噴火です。

昭和火口では桜島全体に噴石を飛散させるような大規模噴火は発生していないようです。

2024年初日の出


能登半島地震がまさか元日に起こるとは予想もつかないことでしたが、桜島は観測体制が整備されており大規模噴火の前兆は必ずつかめると思います。

これまでも噴火災害により桜島を離れ遠くの地へ移住した人々が多くありました。長期にわたる広域避難計画などが現実味を帯びる日もありそうです。

鹿児島のシンボルとして時々煙を上げる程度なら良いですが、想像を超える大噴火がないことを願うしかありません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国体を歓迎 桜島この一年 2023/12/12(鹿児島)

2023-12-12 20:41:51 | 桜島
12月12日(火)曇り空で気温は高め、今年の桜島を振り返ってみました。

12月10日(日)6時47分 朝の桜島


鹿児島市郊外、かごしま健康の森公園からの桜島です。桜島から薄煙が北に流れています。

7時20分 朝日は南岳斜面に顔を出した


この時期は霧島市福山町側から写す夕陽のダイヤモンド桜島が人気で、中茶屋公園では駐車場に入れないほどだと聞きます。

私は健康の森公園からの朝日撮影が好きで11月は何度も通いましたが、ウォーキングついでにスマホを向ける人を見かける程度です。

今年の桜島爆発回数 鹿児島地方気象台の資料を引用


鹿児島と言えば桜島、鹿児島市街地から海を隔てて目の前にそびえる火山です。

今年の爆発回数は12月11日までに89回、火口の内訳は南岳山頂火口が85回、昭和火口は4回だけでした。

10月の爆発は33回で、その殆どが「かごしま国体」の期間中で、県外からのお客さんを驚かせました。

2008~2023年 桜島の爆発回数


昭和火口が活動を再開した2008年から今年12月11日までの爆発回数です。

2017年までの活動は殆どが昭和火口によるものでしたが、2018年以降は活動の中心は南岳火口に移っています。

今年になって昭和火口で爆発が発生し、再び昭和火口からの爆発が増えるかと思われましたが6~7月の一時的な現象でした。

1955年からの年別爆発回数


観測データが発表されている1955(昭和30)年以降の年間爆発回数です。

昭和火口の活動再開で爆発回数が極端に増えて2011年では996回となっています。

2010年12月5日 桜島昭和火口の爆発(小規模)


巨大花火のような激しさに引き付けられ、フェリーに乗って夜間撮影に度々通いました。

昼間の爆発などはいつでも写せると思い、あまり撮影していないのは残念です。

2015/02/13撮影 黒神地区から見た昭和火口と南岳火口


昭和火口は桜島の南東斜面にあり爆発の様子が見えやすく、南岳火口は山頂部にあるため大きな噴火がないと写しにくいものです。

南岳火口と昭和火口  2010/01/26 第十管区海上保安本部撮影 


出典は海上保安庁ページです。昭和火口が活動再開から3年目で、南岳山頂火口がスリバチとすれば、昭和火口は小さな茶碗程度に見えます。

昭和火口は斜面に開口しているので小規模爆発でも目に付きやすく、夜は特に派手に写ります。火口から3km地点辺りでは危険性を感じることはありませんでした。

爆発回数と降灰量(火山灰)


鹿児島地方気象台で観測された年ごとの降灰量です。

期間中最大の1985(昭和60)年には年間で15,968gを観測しています。

爆発回数の多かった2011(平成23)年は桜島の南東斜面にある昭和火口の活動によるものですが、降灰量は多くありません。

昭和火口の爆発の殆どは小規模なもので、噴煙量も南岳火口によるものと比べるとかなり少ないものでした。

月ごとの降灰量を比較


夏場は東寄りの風に乗って、気象台のある鹿児島市側に火山灰が多く降ります。

冬場は北西の季節風が吹きやすく風下の垂水市、鹿屋市では連日の降灰に悩まされます。

火山活動は活動周期が長く、地下深くにはすでに大正噴火レベルに近いマグマが蓄積されているようです。

この先も長く付き合う桜島、ほどほどの活動で鹿児島のシンボルとして愛される日々が続いてほしいものです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いきなり震度2 やっぱり桜島 2023/07/26(鹿児島)

2023-07-26 16:54:15 | 桜島
7月26日(水)11時前、いきなり縦揺れ(震度2)がありました。

気象庁の地震情報 震源の×印は桜島


地震と言うよりは大きな車が家に突き当たったような、ほんの短い揺れでした。鹿児島で地震があると、まず気になるのは桜島です。

すぐに2階から桜島の方向を見ますが噴煙は見えず、テレビの地震情報もなかなか出ません。

震度は2でしたが、気になったのは震源が桜島だったこと。桜島の噴火では、風向き次第で火山灰被害が懸念されます。

<桜島に関する気象庁の情報>

火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第77号
令和5年7月26日12時10分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 7月23日頃から、桜島島内の南西側を震源とする火山性地震が増加しています。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、23日頃から、桜島島内の南西側を震源とする火山性地震が増加しています。
本日(26日)10時54分頃には、桜島島内の南西側を震源とする最大震度2(マグニチュード2.6:速報値)の地震が発生しました。
 
 桜島島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、特段の変化は認められません。
 
 今後の火山活動に関する情報に注意してください。

 桜島島内の南西側で発生した火山性地震の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
             火山性地震
   7月23日       14回
     24日       43回
     25日       52回
     26日11時まで  45回

今朝の桜島 2023/07/26 5時44分 かごしま健康の森公園から


今朝は薄い噴煙が出続けて視界が悪く、鹿児島市郊外団地もかすんでいました。

2021年からの噴火回数(2023/07/25まで) 気象台データを基に作成


2023年の噴火回数 火口別の回数


2022年後半からやや噴火回数が増えていますが、活動が激しかった頃の5分の1程度にとどまっています。

昭和火口が2023年2月から活動を再開し、活動の中心は南岳山頂火口から昭和火口に移っています。

7月26日 7時46分 鹿児島市都市農業センターのヒマワリ


震源が桜島だったことで今後の噴火活動活発化が懸念され、梅雨明けの青空に桜島の噴煙が広がりそうです。

鹿児島は身近に豊かな自然に恵まれていますが、台風、大雨、火山と自然災害にも悩まされてきました。

やっぱりあの時の地震が引き金で火山灰まみれになったと嘆くのか・・・ごく小さな地震で何事もなく忘れてしまうのか・・・暑さが増す中で気になります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

昭和火口 穏やかな日が続くのか 2023/03/20(鹿児島)

2023-03-20 21:41:06 | 桜島
2月8日に桜島の昭和火口が噴火しました。
2018年4月2日以来およそ5年ぶりの噴火でしたが、今後の活動はどうなるのでしょうか。

6時13分 今朝の桜島 2023/03/20 鹿児島市緑ヶ丘町から撮影


緑ヶ丘町から南東方向に見える桜島南岳まで、直線距離でおよそ13kmです。

昭和火口は桜島の東側(裏側斜面)にあるため、ここからは見えません。

6時33分 桜島(南岳山頂火口)から噴煙が上がる 


6時34分 噴煙先端は雲に隠れる 噴煙高度は火口上1000m


気象庁の噴火に関する観測報
火  山:桜島
日  時:2023年03月20日06時31分(192131UTC) 第1報
現  象:噴火
有色噴煙:火口上1000m(海抜6800FT)
白色噴煙:
流  向:北西
---
火口:南岳山頂火口
噴煙量:中量

6時56分 桜島西側斜面に流れる薄い噴煙


南岳山頂火口の小規模噴火で、火山灰が降る地域に少し影響が出る程度でした。

3月6日には噴煙高度が最高2700mに達する昭和火口の噴火が1時間ほど継続しましたが、南岳山頂火口も含めて桜島の活動は穏やかです。

桜島の噴火回数


昭和火口の噴火割合


鹿児島地方気象台ページ、桜島の月別の噴火回数(2023年3月13日現在)をもとに作成したものです。

昭和火口が活動を再開した2006年以降しばらくは活動は穏やかでしたが、2009年以降は活発化しています。

2006/07/30 活動再開後 ハート形の桜島昭和火口


まだこのころは遠慮がちに小さな火口が見える程度でした。山体斜面に火口があるため、噴石が飛散しやすく大きな花火を見るような感じでした。

2015/01/23 右は南岳山頂火口の噴煙


夜間撮影に度々通いましたが、期待するほどの大きな活動に巡り合うことは少ないものでした。

爆発している時間は長くても2分間程度、真夜中の眠気に負けて撮影タイミングを逃すこともありました。

打上花火と一緒で火柱が上がる前にシャッターを押さないと、消えかかる火の粉が降るだけの気の抜けた画像になります。

2015/01/23 夜の昭和火口 派手に見えるが小規模の活動


今回も数年後には活動が激しくなるのか気になりますが、今のところ前回のように多くのカメラマンが集まるほどのことはなさそうです。

桜島の地下には大正噴火前に匹敵する大量のマグマが蓄積されているそうです。鹿児島県民としては観光資源程度の活動にとどまることを願っています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日は山の日 登山禁止の桜島 2022/08/11(鹿児島)

2022-08-11 18:03:53 | 桜島
8月11日(木)今日は「山の日」祝日です。

山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝するという趣旨で2016年から祝日となりました。

8月11日は「八」の字が山の形にみえるため「8」、木が立ち並ぶイメージから「11」と、山を連想させます。

お盆前の8月12日は日航機の墜落事故があり、祝日にはふさわしくないとされました。2020年と2021年はオリンピック関連で日付が移動したこともあり、私にはなじみの薄い祝日です。

2013年7月 鹿児島港から 桜島フェリー


現在の桜島は火を噴く危険な山、登山とは無縁な存在で山というよりは独立した島のように感じます。火口から2km以内は立ち入り禁止です。

昭和30年に登山者が噴火に遭遇し死者1名が出たことで、以降は登山禁止となっています。それまでは日常的に登山する山であり、私の母は昭和初期に高等女学校行事で登っています。

ネット検索では当時の桜島登山だけでなく、わりと最近桜島に登った話題なども見つかります。

桜島の位置関係


桜島と鹿児島市街地は海を隔てているため、だいぶ離れている気がしますが地図で見るとかなり近いのです。面積約80km²、周囲約52km。

北側の鹿児島湾(錦江湾)全体が大規模な陥没地の姶良カルデラです。約26,000年前に、カルデラの南端に桜島が誕生しました。

気象庁 桜島の噴火警戒レベルから 警戒範囲図(一部を引用)


先月7月24日夜には噴火警戒レベルが5に引き上げられ、火口から3km以内の桜島南部の有村町全域と古里町の一部に避難指示が出されました。

その後大きな噴火はなく7月27日夜には警戒レベルが3に引き下げられ、避難指示も解除されました。

この時だけは大きく注目されましたが、今年の桜島の活動は全般に穏やかです。8月11日昼までの爆発回数はわずか29回です。

2011年の活動は殆どが昭和火口で、年間爆発回数は996回。1955年の観測開始以降では最多となりました。

2014年2月 吉野公園から見た桜島


桜島斜面に少し突き出た小山は大正大噴火で山体中腹火口となった、標高565mの引ノ平(ひきのひら)です。

引ノ平の少し下に湯之平(ゆのひら)展望所(373m)があり、一般の人が最も火口に近づける場所です。

画像左側の北岳が1,117m、日常的に噴火している右側の南岳は1,040mです。

2013年7月 桜島の黒神地区から 噴煙を上げる昭和火口


このころは南岳山頂火口の南東側斜面にある昭和火口の活動が活発で、夜間撮影に度々通いました。

2013年7月 垂水市海潟から


冬場には風下となることが多く、こちらからの撮影回数は少なめでした。画像中ほどの国道横に有村溶岩展望所があります。

2013年6月 鹿児島市都市農業センター 展望台から


ここからは東南東方向に桜島が見えます。右側は鹿屋市の高隈山系です。

2013年12月 桜島の南側 有村溶岩展望所から


ここからは昭和火口は直接見えず、夜間撮影ではあまり利用しませんでした。冬場は火口の風下で火山灰に見舞われることが多い場所です。

2013年12月 桜島昭和火口 桜島東側の黒神地区から


夜間の長時間露光撮影です。昭和火口から緩やかに白煙が出続けていました。

2013年7月 黒神川横の監視カメラ


すぐ横に車1台が止められるスペースがあり、何度か利用しました。監視カメラのガラス面を洗う洗浄水が夜間でも突然噴射され、驚かされるものでした。

2013年7月 黒神川横の退避所


桜島の道路沿いなどにこのような退避施設が設置されています。高い位置から飛んでくるので、大きな噴石だと突き抜けそうで怖いです。

2010年11月 昭和火口の噴火 露光時間30秒程度


噴火活動としてはごく小さなものですが、長時間露光のため派手目に写っています。斜面の見えやすいところから噴出するので撮影には好都合でした。

2021年4月 桜島の北 姶良市加治木町黒川岬から


桜島を北側から見ると印象がかなり違ってきます。傾斜の緩やかな富士山型で、鹿児島市街地側から見る台形型とはかなり異なった表情です。

昭和40年代頃までは北側斜面にジグザクに登山道のようなものが見えていました。

2021年12月 鹿児島市城山展望台から


県外の方にとって桜島と言えば、城山(107m)からの風景が一番イメージしやすいのではないでしょうか。

今年もコロナ禍が続き、団体観光客の姿が消えて3年目の夏です。来年の夏はもう少し観光客が戻るのでしょうか。

暑い中で過ぎし日を振り返りました。拙いブログを最後まで読んでいただきありがとうございました。まだ暑さが続きそうです。皆様ご自愛ください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

桜島 突然の警戒レベル5 2022/07/25(鹿児島)

2022-07-25 14:48:37 | 桜島
7月24日(日)20時5分頃桜島が爆発。大きな噴石が火口から2.5kmまで飛び、警戒レベルが5(避難指示)に引き上げられました。

7月25日 NHK朝のニュース


昨夜(7月24日)20時25分頃、桜島の噴火速報が出てビックリ。雲が多く噴石の飛散状況は不明瞭でしたが、大きな噴石が火口から2.5kmまで飛んだと発表されました。

21時過ぎに警戒レベルが5に引き上げられ、桜島南部の鹿児島市有村町の全域と古里町の一部の33世帯51人に避難指示が出されました。

大正噴火のような大きな活動の兆しはない


今回の噴火は日常的なもので、特に大きなものではありません。噴石が火口から2.5km飛んだことが、警戒レベルの引き上げにつながったものと思われます。

今年は昨日までの噴火回数がわずか23回でここ数年でも特に少ない状況でした。地下のマグマが大正噴火レベル近くまで蓄積されつつあると言われながら、この静かさは不気味なものだと思っていました。

桜島での警戒レベル5は初めて


2020年6月4日の噴火では大きな噴石が火口から3kmほど飛んでいたことが後日の現地調査で判明しました。本来であれば警戒レベル5相当の危険な現象を見落としたことで、気象台に大きな批判が向けられました。

2020年6月8日 気象庁資料


警戒レベル4 2015年8月


2015年8月15日、お盆に前触れもなく山体の膨張を示す急激な地殻変動が観測されました。警戒レベルが4(避難準備)に引き上げられ緊張が走りましたが、大きな噴火はなくやがて3(入山規制)に引き下げられました。

桜島は噴火活動が活発なため日常的に警戒レベル3が継続しています。火口から2km以内は立ち入り禁止、一般の人が行けるのは湯之平展望台(標高373m)までです。

7月25日 NHK 桜島噴火情報(画面左側)


火山灰の飛来は日常生活に影響が大きいので、NHKテレビ画面に噴火情報が表示されるように設定しています。

垂水市海潟側から見た桜島 2013年7月


南側から見た桜島です。鹿児島市街地は画面外の左側です。この画面に写っている有村展望台から古里温泉付近は火口から3km圏内のため、この区間の国道224号は通行止めになっています。

桜島フェリーは緊急避難に利用されるため年間を通じて24時間運航されており、今回も通常運航が続いています。

昭和火口の中規模噴火 現在は昭和火口からの噴火なし


気象用語の噴火とは、火口から溶岩が流出する、もしくは火口の外へ火山灰等の固形物を放出する現象のこととされています。

爆発音、地震や空気振動を伴う噴火、噴石の飛散を伴う噴火は統計上は爆発とされます。日常用語としては噴火と爆発の使い分けはされていません。

最近では昭和火口の噴火はない


一時期は殆どの噴火活動は昭和火口で起こっていましたが、ここ数年昭和火口での噴火活動は観測されていません。

桜島の噴火回数


昭和火口の活動が激しい頃と比べると噴火回数は極端に減っています。

今度も2015年夏のように大きな影響なく活動が収まってくれると良いのですが、桜島の山体膨張は解消されていません。当分は避難・警戒が続きそうです。

27日夜 警戒レベル引き下げ

桜島では7月24日夜の爆発的噴火で噴石が火口から2.5キロまで飛び、噴火警戒レベルが5の「避難」に引き上げられました。

その後の3日間で大きな噴石が2キロを超えて飛ぶ噴火は観測されず、気象庁は27日夜、警戒レベルを3の「入山規制」に引き下げました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カメラ散歩 姶良カルデラ展望台 2022/02/07(鹿児島)

2022-02-08 21:28:53 | 桜島
2月7日(月)吉野公園の次は北側の寺山公園へ向かいました。

緑の額縁に入ったような桜島 以下の画像は2月7日に撮影


県道215号吉野公園線を北側に向かうと、上之原(かんのはい)バス停の20mほど先で、右手の林の中から桜島が見えます。危険防止の柵は、管理する人がいなくなったのか朽ち始めていました。

150mほど上に行くと左手(西側)に原五社神社がある


上之原振興会の集会所、上之原ゲートボール場もあり、標高は305mです。

桜島が良く見えるこの辺りは、桜島の安永噴火(1779年)で桜島黒神地区から逃れてきた人たちが開拓したところです。

道路右手から見える桜島と鹿児島湾(錦江湾)


寺山公園展望台まで行かずとも道路から桜島の眺望が良い場所ですが、姶良市霧島市方面は見えません。

寺山展望台からの桜島


寺山展望台は標高約423m、吉野公園展望台は標高234m、鹿児島市の城山展望台は標高107mです。

桜島の標高は北岳が1117m、中岳が1060m、噴煙を上げる南岳は1040m、湯之平展望所の標高は373mです。

同じく姶良市方面 右奥は霧島連山の韓国岳(1700m)


曇り空で視界も悪く、韓国岳は見えても積雪の様子までは判りませんでした。

桜島・錦江湾ジオパークの案内板


錦江湾(鹿児島湾)北部は直径約20kmの姶良カルデラです。寺山は姶良カルデラ外輪山の一部です。約3万年前の姶良カルデラの巨大噴火の3千年ほど後に桜島が誕生したと言われています。

現在の桜島の噴火規模の100万倍もの巨大噴火で、薩摩半島・大隅半島全体に約60mの厚さに火山灰(火砕流堆積物)が積もり、シラス台地になったと書かれています。

大量のマグマが噴出したことで地面が落ち込み巨大な穴(姶良カルデラ)になり、海水が入り今のような海(湾)が出現。姶良カルデラは桜島へのマグマ供給源とされています。

あまりにもスケールが桁外れで壮大すぎます。ここから見渡すと地形的には納得できますが、現実に置き換えると空恐ろしいことです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

桜島が爆発 噴煙高度3400m 2022/01/28(鹿児島)

2022-01-29 17:12:58 | 桜島
1月28日(金)久しぶりに桜島が爆発し、噴煙は火口上3400mに達しました。

1月27日 鹿児島市北部の高台 吉野公園から


1月28日 気象庁発表 噴火に関する火山観測報(第2報)


昼間の爆発で噴煙高度が3000mを超えたのは久しぶりでした。桜島の西側斜面にある横山観測点では33.4Paの空気振動が観測されました。

噴煙量は多量で、大隅半島側の鹿屋市輝北町などに火山灰が降りました。ツイッターに桜島の噴火画像などが多く投稿されていました。

2019/11/08 17時32分に撮影 鹿児島市都市農業センターから 


2019年、131回目の爆発です。17時24分に南岳山頂火口で爆発、噴煙は火口上5500mに達する大きなものでした。

爆発から8分ほど過ぎて噴煙柱が傾き、噴煙は風に乗って北側に流され始めています。

2013/07/18 火山灰が付いたフロントガラス


桜島内では火山灰の粒が大きめで車のフロントガラスに付着すると大変です。雨に混じって降ってくるとワイパーが追い付きません。降灰がひどい区間でウィンドウォッシャー液を使い切ると走れなくなります。

2018/06/01 自宅の車庫屋根にこびり着いた火山灰


一般の砂ぼこりよりも粒子が大きい場合もあり、少々の雨では流されずこびりつきます。風が強くなると飛散し洗濯物を汚します。車に大量に付くと洗車も大変です。

ここ数年は桜島の活動が穏やかで、市街地が火山灰に覆われることは殆どありません。夏場の噴火では火山灰が鹿児島市街地にも飛んで来るので厄介です。

2013/08/18 西側の郡山方面に流れる火山灰の帯


自宅の上を火山灰の帯が雲のようになって流れています。風の状態によってはかなり遠くまで火山灰が飛んで行きます。

上空の風向きは地上部と違う場合もあり、鹿児島独特の天気予報「桜島上空の風向き」が桜島周辺市民の関心事です。洗濯物に火山灰が付くと大変です。

2022/01/06 鴨池港からの桜島


鹿児島市の鴨池港と対岸の垂水港を結ぶ鴨池・垂水フェリーです。通称は垂水フェリー、桜島フェリーよりも船体が一回り大きめで、こちらは24時間運航ではありません。

2021/12/14 城山展望台からの桜島


団体観光客の姿が消えて久しい城山展望台です。一頃は声高な中国語が飛び交って、目をつぶると中国にいるような感じがしました。

2015/02/13 昭和火口から飛び出す小さな噴石


桜島の活動は現在南岳山頂火口に移っています。昭和火口の活動が盛んな頃は夜間撮影によく通いました。

昭和火口は桜島の南東側斜面にあり、ごく小さな活動も良く観察できて撮影は変化に富んでいました。昭和火口が再び活動することがあるか判りませんが、実に貴重な撮影機会でした。

2015/02/09 垂水市側からの桜島 昭和火口からの噴煙


1月28日夜には5回目の爆発が観測されましたが、まだおとなしい状態です。コロナ禍が続く中、桜島にはこの先も穏やかであってほしいものです。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1月12日は桜島の日 大正大噴火 2022/01/12(鹿児島)

2022-01-12 18:51:59 | 桜島
1月12日(水)冬型の気圧配置で、鹿児島はこの時季らしい寒さです。

大正3年(1914年)1月12日に桜島の大噴火が始まりました。東西の山腹にできた小火口列から溶岩が流れ出し、西側集落と烏島が埋没しました。

2022/01/06 垂水フェリーと桜島 鴨池港から


南東側へ流れ出した溶岩は幅約360メートル、水深約75mの瀬戸海峡を埋めて、1月末に桜島は大隅半島と陸続きになりました。

2015/02/09 赤水展望広場 叫びの肖像


大正3年1月12日夕方には鹿児島湾内を震源とする大きな地震が発生し、鹿児島市街地でも石塀の倒壊などで死者29名の大きな被害が出ています。マグニチュード7、震度は5強から6程度と推定されています。

1988年(昭和63年)桜島の大きな噴火 撮影は住高秀氏 


大正大噴火以降では1946年(昭和21年)に桜島南岳の南東側斜面の昭和火口の活動が活発になり、黒神、有村方面へ溶岩が流出しています。

1955~ 2006年は南岳山頂火口活動期で、爆発による空気振動で鹿児島市でも窓ガラスの破損、小さな噴石で車の損傷被害が出ました。

古里地区のホテルロビーに大きな噴石が落下し、地下室まで達する被害もあり、有村地区では一部住民が対岸の鹿児島市に移住しています。

火山灰がひどい区間では、昼間でも車のライトを点灯しました。雨に火山灰が混じるとワイパーが追い付かず、前が見えないほどでしたが、最近ではそのようなことはありません。

2015/02/09 こちらも埋没鳥居 垂水市牛根麓(稲荷大明神)


1955年(昭和30年)10月に南岳山頂火口で大きな爆発があり、死者1名、負傷者11名。これ以降、南岳山頂付近は立ち入り禁止となっています。

2012/01/24 昭和火口の小規模な噴火


桜島の噴火活動は南岳山頂火口によるものでしたが、2006年6月4日に昭和噴火の火口跡付近において小規模な噴火が発生し、昭和火口の活動が再開しました。

2013/04/17 桜島有村展望台 昭和火口からの噴煙


昭和火口の噴火活動は小規模ながらも爆発回数が多く、何回となく夜間撮影に出かけました。

2015/01/23 道の駅たるみず湯っ足り館からの桜島


2018年5月以降は昭和火口での噴火は観測されず、南岳火口の活動は一時的に激しいこともありましたが、全般には穏やかな状態が続いています。

2013/08/18 桜島から雲のように流れてくる火山灰


大正大噴火の前は、桜島は死んだような火山だと言われるほど活動休止期が続いていたようです。桜島の活動要因である鹿児島湾地下のマグマ量は、現在では大正大噴火での放出量近くまで蓄積が進んでいると言われています。

2017/05/13 鹿児島市小山田町古園集落 苔絵による桜島


大正大噴火規模の噴火は必ず起こるものと警戒が続けられ、毎年この時期には国や県、市、自衛隊など関係機関による市民参加の防災訓練が実施されています。

2021/04/05 姶良市加治木町の黒川岬から


鹿児島のシンボル桜島も、日常的に大量の火山灰を降らせ始めると憎たらしくなり、愛憎半ばの存在だと思い知らされることでしょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久しぶり 吉野公園からの桜島 2021/12/20(鹿児島)

2021-12-21 18:47:34 | 桜島
12月20日(月)年末の穏やかな冬の一日、吉野公園へ向かいました。

慌ただしい中での惨事 20日フジテレビ めざまし8


12月17日に大阪で放火事件が発生、多くの方が犠牲になりました。翌18日には歌手の神田沙也加さんが35歳で急死、突然の出来事に深い悲しみを覚えます。

海外ではオミクロン株が流行 20日朝のNHKニュース


オミクロン株は日本入国者の一部にも感染が確認されていますが、海外では急速に感染が拡大しています。日本だけがこの先何事もなく過ぎるとは思えません。

家にじっとしていても気分が晴れませんので、寒くもないことから吉野公園へ出かけました。

吉野公園 変わらぬ姿の桜島 以下の画像は12月20日に撮影


入口の両脇にはすでに門松が立っていました。惜しいことに今も花時計は故障したままです。修理が難しければ撤去して花壇のリフォームが望まれます。

山茶花が目につく


花の少ない時期で、広い花壇に植えられたハボタンはまだ生育途上でした。

園内あちこちで管理作業 右は鹿児島県のPRキャラ「ぐりぶー」


風がなく日差しが柔らかい日で、厚着では歩き回るうちには少し汗ばみそうなほどでした。

なごみの庭 左は河津桜 下は梅 来月下旬には咲き始める


婚礼写真の前撮りらしき人たちがやって来ました。写真屋さん、付き添いの美容師さんなど8名ほど。邪魔しないよう、桜島の見える展望台に移動しました。

北東側に霧島連山が見える 左奥から韓国岳、新燃岳、中岳、高千穂峰


画像奥の左下は姶良市。右側は霧島市です。最高峰の韓国岳(1700m)の斜面が一部白くなっているようですが、視界は今ひとつでした。

2011年の新燃岳大噴火以降は一帯の火山活動が活発になり、えびの高原硫黄山の噴火もあり、一部で道路の通行止め、登山道の閉鎖が続いています。

標高234mの吉野公園展望台から 桜島の西斜面 かなり裾野が長い


桜島の標高は北岳が1,117m、南岳は1,040m。湯之平展望所(373m)は桜島で一般の人が行ける最高地点で、南岳火口の縁から直線で2.8kmほど。爆発があるとかなり怖い近さです。

そこよりも少し高く、南岳火口に近い小山が、引ノ平(ひきのひら565m)です。引ノ平から西側の海岸線までは、かなりの距離があることが判ります。

大正噴火では桜島の東西山腹火口から溶岩が流出、東側では集落を飲み込み海峡を埋めて大隅半島に達し、桜島は半島の一部となりました。

西側では引ノ平付近の複数火口から溶岩が流出、集落を埋めて海岸に達しました。グーグルマップで見ると、引ノ平から海岸まで直線で5kmほどあります。

桜島と鹿児島港の距離は2km程度


桜島港と鹿児島港の間は、狭いところでは2km程度です。鹿児島港からはだいぶ離れて見えますが、吉野台地から見るとかなり近いことが判ります。

大正噴火と同規模の大きな噴火活動が起きると、かなり大きな影響が鹿児島市街地に及びそうに思えます。

桜島の大正噴火などについては、「NHKそなえる防災ページ」に判りやすい詳細な解説があります。興味のある方はこちらからご覧ください。


グランドゴルフを楽しむ人たち 吉野公園 運動芝生広場


今年は噴火活動が穏やかで、鹿児島市街地側に火山灰が降って来た日はわずかでした。鹿児島県の一大シンボルであり、鹿児島市民にとっては愛憎半ばする存在でもある桜島。時には防災意識を呼び起こすことも必要です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花浄土/鹿児島

鹿児島の花や風景、祭りなどを巡るブログです。