龍の尾亭<survivalではなくlive>版

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『ジニのパズル』崔実(チェ・シル)が面白い!

2017年03月10日 20時07分31秒 | メディア日記

たまたまだが、今週はYA(ヤングアダルト)ジャンルの本を4冊立て続けに読んだ。
三冊はこの書き込みの前に紹介した『ルミッキ』1・2・3。そして四冊目が

『ジニのパズル』

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%81%AE%E3%83%91%E3%82%BA%E3%83%AB/dp/4062201526

だ。これもたった一人で社会=世界=他者の烈風に晒されつつ、自分が見るべきもの、自分が考えるべきこと、自分がやるべきことについて、感じようとし考えようとすることを止めない少女の話だ。

この作品は紹介文に「第59回群像新人文学賞受賞作」とあるが、『ルミッキ』の作者サラ・シムッカが1981年生まれ、この『ジニのパズル』の作者崔実(チェ・シル)が1985年生まれと、同世代の作家たちだ。

30代の彼女たちの活躍は、私(たち)老齢の者をも勇気づけてくれる。

アメリカオレゴン州、日本、朝鮮半島と三つの場所、文化、政治、3つの言葉(そして沈黙)の中で、主人公が見つけ出し、出会っていく「生」の手触りを、ぜひ味わってみてほしい。

週末読む本に迷ったら選んでいい1冊かと。

『ルミッキ』3巻は、圧倒的なハードボイルド少女小説だ。読むべし!

2017年03月10日 19時51分40秒 | メディア日記
フィンランドの作家サラ・シムッカが書いた三部作。
『ルミッキ』1・2・3

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AD1/dp/4890139613


直ちに本屋さんに直行しよう。
あるいは、ネットブックショップでクリックを推奨。



フィンランドの高校生が主人公のこの小説は、圧倒的なハードボイルド小説だ。
フィンランド語で白雪姫という意味の「ルミッキ」という女子高校生が主人公のハードボイルド小説、というのは奇妙に思えるだろうか。
たしかに、少女は銃も持っていないし、酒もたばこもやらない。探偵社に勤めてもいないし、警察の関係者でもない。そして、武器と言えば「走って逃げること」ぐらいのものだ。

だが、この小説は間違いなく北欧の寒さのように(知らないけど)キリリと身が引き締まるように厳しくも甘い「ハードボイルド」に間違いない。

だまされたと思って読んでください。私の2017年ベスト候補だし、瑕瑾があるとかないとかそういう話をする余裕もなく、人生史上、オールタイムのベスト10に入るかもしれない小説に間違いない。

腰巻き惹句には「メルヘン&サスペンス&ミステリー」とある。
今、ハードボイルドという小説のジャンルは、女子高校生のためにあるのではないか、とそんな気分にさせられてしまう一冊。
週末をこの3冊に捧げて後悔しないことを請け合っておきます。
読む本に困ったら、ではなく、今読むかどうか迷っている本があるなら、それを脇に置いてでも今晩本屋さんに問い合わせる価値のある3冊かと。


ハードボイルド、の面ばかり強調したけれど、青春小説、成長物語、ヤングアダルトのほろ苦い恋愛もの、としても読める。正直、凄いと思う。サラ・シムッカの別作品を検索したくなりました。