海外に出かける時その目的地について濃淡はありますがある程度のイメージは持って行きます。そのイメージどおりの時は「やっぱりそうか」と思い、違っていれば「ヘエー ホントー」となり、それが旅行の楽しみの一つでもあります。
イギリスではその二つがはっきりした楽しい旅でした。
まず「やっぱり」の方はやっぱり食べ物でした。まずいです。食べ物のうまい、まずいは個人の好みの問題で個人差がありますが、この国は私のような味痴でもわかる「まずい国」です。特にこの年(1997年)は狂牛病が問題になっていて肉類は七面鳥だけでした。これはまたまずい。皆さんイギリスにお出かけの際は、醤油、マヨネーズ、ドレッシング、味噌などの持参を勧めします。今から135年ほど前に欧米を視察した久米邦武が「諺ニ曰ク、倫敦(ロンドン)ノ食倒レ、巴里(パリ)ノ衣倒レ」(「米欧回覧実記3」岩波文庫 p53)と書いているのは不可解です。
「ヘエー」のほうです。イギリス人は個人主義が徹底して冷たい人だというイメージを待っていました。ところがこれはまったく間違っていました。親切で、暖かい人たちでした。(特に女性)自由時間にロンドンのハイドパークを散歩して方向音痴の私は帰り道がわからなくなって地図を見ながらキョロキョロとしていると30代くらいの女性が寄ってきて何処へ行くのか尋ねてくれました。ホテルの名前を言うと親切に教えてくれました。本当を言うと英語なので半分ぐらいしか分からなかったのですが。私の最大限の英語力で“Thank you very much for your kindness” と言うと、バスに乗り込もうとしていた彼女はこちらを向いてにっこりと微笑んでくれました。旅行中に方向音痴の私はキョロキョロすることが多いのですがこんなことは初めてでした。
イギリスのスコットランド、エディンバラでのことです。1人でお店の準備をしていた50代くらいの女性に両替所を尋ねました。私の唐人ぶりをすばやく察知したのか、お店をそのままにして両替所の所まで手をとるようにして連れて行ってくれました。
イギリスでの現地ガイド(女性)も親切でやさしくてわかりやすい英語での案内でした。なぜか、男性の英語はむずかしかったです。Later(後で)をラターと発音した男性運転手がいました。日本からの留学生に偶然カフェで出会いそのことを話すと、同感との返事でした。
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