アトランタ州の世界的著名人といえば前回紹介したキング牧師とともに何といっても「風と共に去りぬ」のマーガレット・ミッチェル(1900~1949)ですね。彼女が1925年~1932年まで夫とともに過ごした家を訪れました。ここで「風と共に去りぬ」が書かれ現在「マーガレット・ミッチェル・記念館」として公開されています。
「遺言?」
暗殺前日の彼の演説の一部を以下紹介します。
Well, I don’t know what will happen now. We’ve got some difficult days ahead. But it doesn’t matter with me now.
これから何が起きようとしているのか私にはわかりません。私たちの前途に困難な日々が待っています。でも、今となっては、私にはどうでもよいことなのです。
Because I’ve been to the mountaintop. And I don’t mind. Like anybody, I would like to live a long life. Longevity has its place. But I’m not concerned about that now.
なぜなら、私は山の頂上に達したからです。だから私は気にしない。皆さんと同じように、私も長生きがしたいものです。長寿とはよいことです。でも、今となれば私にはどうでもよいことなのです
I may not get there with you. But I want you to know tonight, that we, as a people, will get to the promised land.
私は皆さんと一緒にそこにたどり着けないかもしれない。しかし、今夜、皆さんにわかって欲しい。私たちは、ひとつの民として必ずや約束の地に到達するということを
読んでいただけば、お分かりのように明らかに死を予感していますね。遺言のようにも感じられます。
「女たらし(womanizer)」
今回の旅行前に少し彼について復習的勉強をしました。びっくり仰天しました。それはウィキペディア(日本語版、英語版)の記述でした。以下ウィキペディアからの抜粋。womanizerという英語を始めて知りました。
「 死後に側近などによる証言や、FBI(米国連邦捜査局)の調査による女性関係の醜聞が明らかにされている」「 FBIから執拗な脅迫を受けていたことが分かっている」
脅迫文 「汚らわしい、異常な野獣よ、よく聞け。おまえは録音されている。おまえの浮気行為、乱交ぶりは過去の過去まで録音されている。これはそのほんの見本だ」と始まり、さらに『おまえに残された道は一つだけだ。分かっているだろう』と続き、表舞台から手を引く、または自殺するよう暗に迫っている」
「暗殺?」(私の妄想)
「前日の演説」「女たらし」「FBIの自殺を迫る脅迫」から考えてみて彼の暗殺は彼が自分の名誉を守るための自作自演ではないかと妄想しました。皆さんどう思われますか。
写真は犯人とされた人物の逮捕場面ですがこの人物については?のところがあるようです。
アフリカ系アメリカ人で黒人差別撤廃・公民権運動の指導者でノーベル平和賞受賞者(1964)マルティン・ルーサー・キング牧師(1929~1968)の生地はアトランタでこの地域に彼の功績を称えて「キング牧師国立歴史地区」があります。3代続くキリスト教バプティスト派の牧師の家系に生まれました。写真は祖父の立てた家で12歳になるまでここで暮らしました。
今回のアメリカ旅行帰国後シャーロッツビルでリー将軍の像の撤去問題をめぐって事件が起きました。この事件で私は南北戦争はアメリカでは過去の歴史ではなく現代の問題でしかも非常にセンシティブの事柄であるということを、いまさらながら知ることになりました。多分シャーロッツビルのことがなければこの「ストーンマウンテン・パーク3」は書かれなかったでしょう。以下、帰国後知ったことをいくつか紹介します
まず、このパークの公式のリーフレットにはレリーフについての記載が全くありません。1213頁の大冊lonely planet ”USA”には「ストーンマウンテン・パーク」の記述すらありません。日本のガイドブック「地球の歩き方」は730頁ですがちゃんと記載があります。
このレリーフ工事は1923年に始まり途中中断があり1964年に完成します。この土地の最初の所有者が白人至上主義者のグループでもっとも過激な“K・K・K”のメンバーであったことからもこの工事に”K・K・K”が深く関与していたことは明らかです。
そして現在撤去運動があります。
1963年公民権運動の指導者キング牧師(次回紹介)がかの有名な"I Have a Dream"の演説で"let freedom ring from Stone Mountain“とストーンマウンテンに触れていることから彼の像をここに作るという計画もあります。
さてこの写真ですが、現地の日本人ガイドがわれわれに配ったリーフレット(アクセスジャパン作成)のスクラップです。これは完全に南部側の正当性の主張ですね。奴隷制度について一言もありませんね。この日本人ガイドは変わった人のようで「先の大戦はアメリカの公民権運動までこじ開けた」「日本は白人支配からアジアを開放した」と書かれたリーフレットも配りました。
なおこの日本人ガイドは特定の主義主張を広めるためのボランティア団体のメンバーか、と思い念のため帰国後旅行会社に問い合わせたところ、普通の商取引の契約とのことでした。
近寄ってみると南北戦争(アメリカ語ではThe civil war)時の南部同盟(英語名 Confederate States of America)の英雄たちのレリーフが見えました。左からこの南部同盟の唯一の大統領ジェファーソン・デイビス、ロバート・E・リー総軍、トーマス・ジャクソ将軍のレリーフでした。リー将軍は南軍の総司令官で北軍を大いに苦しめた名将として知られています。