カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

カナダの医療制度

2023年09月06日 08時00分00秒 | カナダ
チャイブ(Allium schoenoprasum)の終わった花とタネ(黒いつぶつぶ)
2023.06.27撮影

(今日掲載の画像も、記事の内容に全く関係ありません。昨今成っているタネと、その前に咲いていた花をお見せします。)

カナダは、国民医療保険制度で、保険でカバーされない医療行為・医療サービス・薬剤もあるとは言え、基本的に医療費はタダです。

ここで「国民」と言いましたが、保険には、カナダ国籍の人とカナダの永住者(=カナダへの移民)は、公的医療保険に加入する義務があります。

学生や、一定の条件を満たしている人も、加入することができますが、どこまで恩恵があるのか、わたしはその身になったことがないので、知りません。

カナダは、アメリカのような自治権の強い州(State)の集まった連邦制ではありませんが、カナダの州(Province)もある程度の自治権があります。医療制度は州の管轄で、国から補助を受けます。その補助以上に必要な資源は、州自体が確保しなくてはなりません。

チャイブ(Allium schoenoprasum)の花
2023.05.20撮影

医療保険制度は州の経営するものなので、保険料も、受けられるサービスも、州によって異なります。

わたしの住むブリティッシュ・コロンビア州(BC州)では、2020年1月1日をもって、保険料が廃止されました。その前は、月にいくらだったかなあ・・・覚えていない。のんきですけど。

処方箋で薬剤を求める場合、患者は、薬剤師さんの手数料と薬剤の費用を支払います。何らかの病気や怪我で入院中には、その時の治療に必要な薬は、常日頃から飲んでいる薬も加え、タダで出してくれます。

また、多くの人が、州の保険の上に、私設の保険にも入っていて、薬剤費は、そちらから支払われます。よって、お薬を求めても、自費は数ドル、ということになります。

でも、経済的にゆとりのない人は、私設の保険に入れず、薬代が結果的に高くなり、そうすると、処方された薬をそもそも買わない、ということが起こります。すると、必要であるから処方された薬を飲まないで過ごすことになるのです。

この事情を解消するために、もう何年も、薬をタダにすることが議論されています。ただ、現在でも、低所得の人には、生活上の保護だけでなく、医療上の補助も出ます。

カナダでは、所得税は「高い」ですが、その代わりに、かなりの社会保障が約束されているわけです。

シューベルト・アリアム(Allium schubertiii)のまだ青いタネ
2022.08.11撮影(たまたま、今年のがないので、去年の画像です)

それで、わたしの今回の救急病院行きも、タダ(救急病院へ行く - カラスといちごとクロッカスと)。とにかく、何でも、病院へ行くと、タダです。

家庭医に会いに行っても、タダ。カナダでは、特定の家庭医を持つことが奨励されていて、そのような家庭医がいるからこそ、病院との提携ができるわけです。また、専門医は、家庭医の紹介なしでは、受診することができません。

健康保険証は、運転免許証を持っている人は、運転免許カードの裏に合体してもらうことができます。健康保険番号と運転免許番号(それに、納税者番号も)は、全く異なる番号です。合体がイヤな人は、保険証は、別のカードのままです。運転免許を持っていない人は、保険証のカードを持つことになります。

多くの人が、運転免許証も保険証も常に携行していて、写真付きの身分証明書として使えます。

なお、死亡時に献体したい人は、その旨が免許証に書かれています。

シューベルト・アリアム(Allium schubertiii)の花とツボミ
2022.06.18撮影(たまたま、今年のがないので、去年の画像です)

カナダの病院は、完全看護制度。通常は、4人部屋。2人部屋、1人部屋に入るには、料金が発生します。でも、入院の理由が何であれ、即、退院させられます。

わたしが股関節の置換手術を受けたときでも、受付を済ませてから退院するまで、36時間ぐらい(「時間」です、「日」ではなく)。たまたま担当外科医の朝一番の手術が当たり、次の日の夕方にはもう家に帰っていました。その代わり、家でどのように術後を過ごすか、は、手術前にセミナーなどで丁寧に指導されました。

腕を折って(注意散漫だからなあ)、金属のプレートを入れる手術したときも、その日のうちに家に帰った。

出産でも、その日のうちか、次の日ですよ〜〜、よっぽど問題があったときでない限りは。(別の話題ですが、カナダでは、出産前後には、男女とも休暇が取れます。職場によっては、有給です。また、無給の場合は、カナダ政府から補助が受けられます。)

わたしが一番長く入院したのは、肺炎をこじらせたときだ。あれが5日ぐらい??

なお、わたしは、股関節の置換手術を受けて、よみがえりました。子どものころから痛みがあって、日本で整形外科を、数度、受診しましたが、「問題ない」ということで何の治療も受けられず、大人になりました。

でも、痛みで歩けない、というところまで急激に悪化し、カナダで家庭医に相談したところ、外科医にすぐに紹介され、受診ができ、手術を受けることになりました。専門医は、普通は、何ヶ月も待たないといけないのですが、わたしの場合は痛みが激しかったので、救急に準じる、という扱いだったのでしょう。

診断は、年齢のせいでもない、過度な運動によるものでもない、怪我のせいでもない、よって、遺伝ではないのだがたまたまそのような形の骨で生まれてきたのだろう、とのことでした。ずう〜っと痛かったでしょう、と言ってくれて、ほっとしました。

ほんと、あの先生は、神様でした。


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救急病院へ行く

2023年09月04日 08時00分00秒 | わたし
イヌバラ(Rosa canina)の実(ローズヒップ)
2023.07.04撮影

(今日掲載の画像は、記事の内容に全く関係ありません。昨今、わたしの庭に成っている実と、その前に咲いていた花をお見せします。)

わたしは、ちょうど4年ほど前に、人口股関節置換術を受けていて、それ以来、右側の腰が弱めです。それで、こけると、どうしてもそちら側にこけてしまう。

手術してから2年して、やっと庭仕事ができるようになり、脚立にも登るようになりました。そして、この脚立から、何回落ちたことか、右側を下にして。そして、その後、どれだけ痛みに苦しんだか。

今回落下する時(また、落っこちた - カラスといちごとクロッカスと絶対に腰を下にして着地してはいけない、と思い、何かをつかもうとしたのですが、それがかなわず、そのまま、両足を真下にしてが〜〜んとコンクリートの上に落ちてしまいました。キウイのツルが弾けたときの反動と、全体重(大した重さじゃないが)と、3段目から落ちるときの重力と、が、面積としては小さいかかとにだけかかってしまったのです。勢いで、尻もちをつきました。

茫然としたわ。また、落っこちた。

そこに、何分、固まって座っていたのか知らないけど、このままではいけないと思い、その場はそのままにして、痛みをこらえながら、とにかく家に入りました。即、冷やすべき?

イヌバラ(Rosa canina)の花(白花)
2021.06.04撮影

家に入ると、痛みはますます増すばかり。痛みで歩けない。

救急に行くべきか考えたけど、車庫に家の鍵を置いたままなのに気づき、そのままでは用心が悪いから出かけられない。その鍵は、家の裏口のドアも開ける。自分で取りに行くのは、到底、ムリ。

つれあいはシアトルに所用で行っていていなかったので、お隣に電話かけるも、留守、そのお隣も、留守。力も尽きて、そのまま横たわっていたら、つれあいから電話が入り、何をしているんだ、すぐにタクシーで救急に行け、と。

で、わたしが、いや、鍵が車庫に置いたままで、ふにゃらふにゃら、とごねていると、分かった、分かった、帰るのは今晩遅くなるから、明日の朝、救急に行こう、ということで、朝、救急に乗りつけました。

コボウズオトギリ(Hypericum androsaemum)の若い実
2023.07.04撮影

救急入口で車を止め、つれあいが車椅子を取りに行き、わたしを車から降ろして椅子に乗せ、窓口へ行きました。なぜか職員が窓口に5人ぐらいたむろしていましたが、それぞれ役職はあるのかもしれません、患者にはわからないだけで。

病院や医院での受付は、健康保険証を見せるだけ。わたしは、この病院では、前に人口股関節の手術を受けたので、受付は初めての人より簡略化されていたのでしょう。

つれあい(白人)がいっしょだとみんな愛想がいいのよね。つれあいが「みんな優しいね〜〜、親切だね〜〜」って、「優しい人ばかりで良かったね〜〜」って。

あんなあ、あんたさんがいるから、みんな、あんななのよ、黄色いわたしだけだったら、みんながみんな、あそこまで愛想よくないわ、と思ったが、とにかく痛みで疲労困憊。思っただけで、何も言わなかった。

コボウズオトギリ(Hypericum androsaemum)の花とツボミ
2023.06.13撮影

つれあいが救急入口からよそへ車を移動させている間に、わたしはベッドをあてがわれ、医者が来て、その後、レントゲン写真を撮り、連れ返されて、わたしは疲れて眠ってしまいました。レントゲン写真には異常が見えない。

その次に、CTスキャンに送られ、それも異常が見えない。車椅子に乗せられてスキャンから帰ってくると、ベッドが取り上げられていた。そのころになると、つれあいは行かなくてはならないところがあり、後で迎えにくるから、と一旦退出。

看護師さんが出てきて、「おや? ひとりなの?」と言う。「そう、つれあいは用があるので帰ったけど、後で迎えにくる」と言うと、その看護師さんはわたしに向かって、「医師が言うには、あなたは、骨にも組織にも全く異常がない、もう帰りなさい、ただし、あなたが帰る前にあなたが歩けることを確認しよう」と言ったんだよ。

おいおい、痛くて歩けないからここ来たんだよ。異常が見つけられない、は検査には出てこない、だから、いいとしても、この状態で歩け、って?????????????

「あなたの体に悪いところは何もない、帰れ」と譲らないので、歩けないところを、ムリに数歩歩いて、「歩ける」ところを見せるしかなかった。これ、虐待じゃない?

せめて、つれあいと約束した正面出入り口の待合室(こちらは、ゆったりとしていて、いいソファが使われていて、救急の待合室のように混雑していない)まで車椅子で送ってもらえないか、と言うと、拒否された。エレベーターはどこ、と聞くと、あっち、で終わり。

エレベーターまで、泣く泣く、そろ〜りそろ〜り、いた〜いいた〜い、と移動しているとき、白人女性が空の車椅子を移動させていたが、一瞥もくれなかった。次にアジア人男性が同じく空の車椅子を移動させているのが見えたが、この人は、こちらが頼む前に、すっ飛んできて、乗せてくれた。ありがと、ありがと、ありがと・・・

スズラン(Convallaria majalis)のひとつ残った実(花びらがまだついている)
2023.08.02撮影

結局、骨や組織に異常がない、と分かっただけで、そして、それは良かったんだけど、痛みについては、鎮痛剤を飲め、というだけで、回復を早める指導はなかった。救急には、合計7時間ほどいました(つれあいが迎えにきてくれるまで、さらに1時間)。

友だちが、「結局、打ち身でしょう」と言う。なるほど、医者よりいいことを言ってくれる。打撲傷、全治2週間? 3週間?

落っこちたのが前の日曜日の夕方、救急に行ったのが月曜日、それから3日ほど、体がショック状態でソファの上でうつらうつらしていました(ブログ記事は、それより前に、予約投稿にしてあった)。

その後、目は覚めましたが、とにかく、足の裏が痛いので、歩けない。それで、脚に車輪のついた椅子(机に向かって使うような椅子)に乗って、人口股関節の手術をしたときに買った杖で壁を押して、椅子を動かして、移動しています。

這えるところは這っていますよ〜〜、その方が素早く移動できるので。

スズラン(Convallaria majalis)の花
2021.05.17撮影

病院からの請求はいくらだったでしょう。

カナダは公費医療制で、特定のものは除き、個人に医療費はかかりません。よって、0(ゼロ)です。

このことについては、次回。


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また、落っこちた

2023年09月01日 09時00分00秒 | わたし
2023.07.04撮影

コロナの「明けた」去年の10月から、日本とバンクーバーを行ったり来たりしていて、日本の実家では、せっせと、食料品の買い出し、炊事、掃除、片付け、庭仕事、をし(長女としての務めであ〜〜る)、バンクーバーでは、ぼ〜〜〜としています。最低限のことはしようとしているのですが、元気があまり出ません。

庭も、道から見える北側は、どうしても見苦しものは切り取りましたが、塀に囲まれた南側は、ジャングル状態。特に、キウイが、上に、下に、とツルを豪快に伸ばしています。

冒頭画像では、キウイのツルが、車庫の屋根よりも上まで出ているのが、白っぽい空を背景に見えます。空がこんな色なのは、この日は、内陸の山火事の煙がバンクーバーまで来ていたのかな? 山火事は数ヶ月続いています。


うちでは、キウイを、車庫の一方の面にそって棚を作り、そこからさらに、車庫の2面に反時計回りにツルを這わせています。画像に見えているのは、その棚のある北面です。

車庫の南面は、路地に面していて、少ないながらも人も車も通るし、また、ゴミやリサイクルの回収はこちらに大きなトラックが来ます。ですから、キウイのツルを自由にさせておくわけにはいきません。

キウイのツルの剪定は、ですから、南面を年に何度もします。ところが、南面をすると気分的に疲れて(ナマケ者の気性がよく現れている)、西面も北面もおろそかにしがち・・・

2022.10.19撮影

こんなキウイが、年によりますが、数百(200〜400)も取れるんですよ。剪定はしなくても実は美味しく実るんだとは思うんです。

でも、とにかく、庭中がキウイのツルだらけになる。ツルは何にでもからんでいき、からまれた植物が弱る。よって、キウイは、剪定するしかない。それに、キウイはいくら剪定しても元気なんです。それが、キウイが「雑草」呼ばわりされる所以です。

それで、気分的には渋々ながら、先々週もキウイを数日間続けて剪定しました。地面からは切りたいところが届かないので、次のような、愛用の脚立を使いました。

南面はできているので、西面を南からそろそろと北へ向けて。そして、西面から北面への角を曲がったところで、巨大なツル(複数)にスピードを阻まれました。そこで、作業のリズムがガクッと崩れた。


2022.10.19撮影

わたしは、子どものときから、あわて者、おっちょこちょい、注意散漫、で普通に歩いていても、ぼてっ、とこけるんですよ。学校でバスケットボールなぞもやりましたが、転んだ回数は何回? リレーのアンカーで、クラスの期待を一身に受けて、どてっ、とやったこともある。当然、うちのクラスの負けね。

まあ、そういう人間が、上の画像に見える脚立に登っていたわけです。本当は、2段目までしか登っちゃいけないんですよね、「安全のしおり」によると。そんなら、なぜ3段目を作ってあるのか??(開きを固定するためですよね〜〜)

もうひとつ言うが、わたしは、怖いものなし。よく言えば、楽観的、悪く言えば、判断力に欠ける。

あはは、やっぱりね、3段目に上がっていたんですよ。

2023.07.04撮影

その格闘していた巨大なツル(複数)ですが、ほぼ全部切り取り、あと数本、というところで、特に太いツルをつかみました。根本を切りたいのですが、そこが他のツルにかぶさって見えなかったので、ツルを少しずつ切りました。そして、最後に残った部分を引っ張りました。

なぜそういうやり方に出たか、というと、このように巨大なツル(=茎)は、大抵、自身の重みで、幹についた根本のところでほぼ折れているからです。それを当てにして、引っ張りました。

でも、落っこちてはいけないので、少しずつ引く力を増しながら、引いたり緩めたりしていました。そして、まだまだ何回も引っ張らなくてはならないであろうと思ったのに、急に軽くなった。

その時の引っ張る勢いが強すぎたんでしょう、ツルの幹にまだくっついていたらしいところが、引っ張った力で弾け、その反動が思わず大きく、わたしは、あっという間に、バランスを崩し、落下。

それが、10日ほど前の日曜日でした。

つづく


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