カラスといちごとクロッカスと

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個人の目をとおしてお届けします。

ムスカリ、いろいろ

2023年04月11日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2023.04.06撮影(Muscari latifolium ‘Grape Ice’)

これは、「幅広の葉のムスカリ」の園芸種で ‘Grape Ice’「グレープ・アイス」というものです。「アイス」というのは、上部の花の白さに言及しているものと思われます。

この園芸種は、わたしは去年の秋に庭に導入したばかりなので、これからどのように花開していってくれるか、わかりません。今のところ、花の色が3段になっていますが、最終的には、2段になるようです。

以下のサイトで、大きい画像の下に小さい画像が並んでいます。それを順番にクリックしてくだされば、花の変遷がわかります。


もうひとつ、2色に分かれるムスカリをご紹介します。これは、珍しく花が黄色いです。うちに前はあったのですが、この種はなくしてしまいました。また手に入れたいと思っています。

Muscari macrocarpum
撮影者:Agnieszka Kwiecień, Nova
撮影日:2019.04.14
オリジナルからの改変、なし

この黄色と紫っぽい色のムスカリは、Muscari macrocarpum「大きい果実のムスカリ」です。でも、ここで言う「大きい果実」というのは、このムスカリの球根(実際に大きい)に言及しているようです。

「大きい果実のムスカリ」の花は、「アルメニアのムスカリ」などのように、ふくらんでいません。花の形としては地味なのですが、変わった色の組み合わせが見る目を楽しませてくれます。

花はバナナのような匂いがするそうですが、わたしは気づきませんでした。

2022.09.29撮影(Muscari

上の画像は、去年の9月末のものです。9月にムスカリの芽が出て、葉っぱが伸びてきた時には、心配しました。なぜなら、バンクーバーは全体的に見て「暖かい」あるいは「寒くない」とは言っても、一冬に数回は雪が積もるし、積もると数日間積もっていることがあるし、マイナス7度〜10度とかいうこともあります。

そんな日が続くと、こんなに早々と出てきた球根植物の葉っぱはどうなるのか?? 雪が降るたびにサザンカのツボミをなくしているわたしは、本当にヒヤヒヤしていました。

でも、なんのその、元気にツボミが出ていました。わたしが帰国して、家を留守にしている間に。

2023.04.03撮影(Muscari armeniacum

これは、ご近所のムスカリなんですが、ムスカリ(上のは、「アルメニアのムスカリ」)がこんなに密集して花を咲かせていれば、見事ですね。わたしもそれを目指しています。

もう1枚画像をお見せしたいですが、それには、小さい軟体の生物ちゃんが写っています。実家の庭の、ムスカリの花を登っていくところを撮影しました。今日の記事の最後に載せますので、苦手な方は、最後を見るのをどうか端折ってください。

その「問題」画像掲載の前に、「あなたの庭にお勧めのムスカリ9選」という記事をご紹介します。英文ですが、画像が美しいので、よろしければどうぞ。


そのリストには、次のものが挙がっています。

M. というのは、Muscari の省略です。学名を記す時には、属名はこのようによく省略されます。

これらはみんな以前は Muscari に分類され、また、一般には「ムスカリ」と認識されているのですが、すでに、別の属に再分類されたものがあります。それを示しておきます。

どんどん学名が再編成されていくので、素人はつらいです。

1. M. armeniacum
2. M. aucheri
3. M. azureum … Pseudomuscari azureum
4. M. botryoides
5. M. comosum … Leopoldia comosa
6. M. latifolium
7. M. macrocarpum
8. M. plumosum … Leopoldia plumosum
9. M. paradoxum … Bellevallia paradoxa

では、ムスカリの花穂をよじ登る、かわいい模様と「ツノ」まで写っている軟体ちゃんをどうぞ。

2023.03.23撮影(Muscari armeniacum)

食「害」があるのはわかっているんですが、わたし自身は、花を愛でるこちらの都合と、生活しているあちらの都合を両立させたいと思っています。


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ムスカリの青

2023年04月10日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2022.04.11撮影(Muscari armeniacum

和名 ムスカリ(学名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ムスカリ属(Muscari
英名 Grape hyacinth「グレープ・ヒアシンス」(ブドウのようなヒアシンス)

英名の「ブドウのようなヒアシンス」という名前は、花房の形から、妙を得ている、と思います。ブドウの房がひっくり返った形ですけど。

学名の Muscari というのは、ギリシャ語の muschos という語から来ています。そのギリシャ語の語は、英語の musk に当たり、それは、日本語では「麝香(じゃこう)」。ジャコウジカから「採れる」香料ですが、そのことについては、以下の記事をご参照ください。

麝香

花のムスカリが、この香料の麝香の匂いがする、ということなのですが、みなさんは、いかがでしょう。ムスカリって匂いますか?? 草丈の低い植物なので、匂うには、よほどかがみ込むか、あるいは、切り花にしないといけないか、と思いますけど。

2023.04.03撮影(Muscari armeniacum

ムスカリの原産地は、
・ヨーロッパ(北ヨーロッパと東ヨーロッパを除く)
・北アフリカ
・アジア(北アジアと東アジアを除く)
という広い地域ですが、

現在は、その上、
・北ヨーロッパ
・アメリカ合衆国
でも野生化しています。

日本では、庭植えの春咲き球根としておなじみだと思います。3月に帰国していた時、実家の庭でも、よそのおうちのお庭でも見ることができました。

2022.04.03撮影(Muscari armeniacum

ここまでのムスカリの画像はみんな、Muscari armeniacum「アルメニアのムスカリ」です。原産地がアルメニアを含む地域であるので、「アルメニアの」という種小名がついています。

ムスカリ属の花は、この種に限らず、花びら(正確には、花弁ともガクとも区別できない「花被片」)6枚が融合し、開花すると、開口部をおちょぼ口のようにとがらせて開けます。そして、その口の部分が、花の他の部分とは異なる色であることがあります。例えば、直前の画像の場合は、青地に、白。

ムスカリの花の色は、一般的に、薄い水色〜濃い青。これらの色のは普通に見かけますよね? でも、ほとんど黒に近いのとか、また、先天的に色素の欠ける白っぽいのとか、もあるそうです。

「アルメニアのムスカリ」の原種の花の色は、紫か青ですが、園芸種には、白の(冒頭の画像の背景、中ごろ)とピンクの(うちにはありません)もあります。

2022.04.11撮影(Muscari latifolium

ムスカリは、種によっては、上部の花と下部の花とが異なる色と形であるものがあります。その例は、上の画像の Muscari latifolium「幅広の葉のムスカリ」です。名称通り、本当に葉が幅広なのか。次の画像をご覧ください。

2022.03.24撮影(Muscari latifolium

まだツボミの時の画像です。2枚見える葉は、確かに幅広ですね。これを、「アルメニアのムスカリ」だけがしっかりと写っている2番めの画像とお比べください。葉の幅の違いがわかります。

念のために、花茎がまだ低い時の画像も。

2022.03.24撮影(Muscari latifolium)

「幅広の葉のムスカリ」のように、花茎の上下で色と形の異なる花を持つムスカリは、タネを生成するのは、下部の花だけだそうです。

ムスカリ、明日に続きます。

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ビフォリア、2枚葉の

2023年02月23日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2014.03.24撮影

今日は、キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ属(Scilla)の4日目、最終日です。

今日ご紹介したい Scilla bifolia をどう呼ぼうか、と迷って、種小名の bifolia から「ビフォリア」を検索してみました。すると、薬用育毛剤が出てきたんです。考えましたが、まあ、いいか、と思い、他にいい考えが出てこないので、暫定的な名前ですが、ビフォリアと呼ぶことにします。

学名 Scilla bifolia「2枚葉のツルボ」
英名 Alpine squill「高山スクウィル」
英名 Two-leaf squill「2枚葉のスクウィル」
和名 ビフォリア(種小名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ属(Scilla

英名の Alpine squill というのは、「アルプスのスクウィル」という意味ではなく、「高山スクウィル」という意味です。英語の Alpine は、一般に「高山の」という意味です。このツルボ属の花は、原産地ではやや標高のあるところで育ちます。

2014.03.24撮影

bifolia「ビオフォリア」というのは、bi-「2つの」、folia「葉の」という意味です。そして、解説などを読んでみると、2枚の葉が出る、3枚出るのは珍しい、と書いてあります。

そうか、と思って観察してみると、上の画像では、大体2枚のようですけど、次の画像ではどうでしょうか、、、複数の球根がかぶさり合って植わっているかもしれないので、庭では早急な結論は出ないかな、と思いました。

他のツルボ属の花も、2枚葉があるのに、なぜこの種を特に取り上げて「2枚葉」と呼ぶのだろう、、、

2021.03.07撮影

この上の画像では、ツボミの形をご覧ください。ブドウひっくり返り型です。青紫の色に赤みがかかっています。

この赤みがどこから来るか、というと、もう一度冒頭の画像をご覧ください。「花びら(ガク)」(「ガク」とつけ加える、とお思いになったでしょ?)の1枚、1枚、に、赤っぽい縦線が入っています。この線のために、ツボミの印象が赤いのです。

2021.03.09撮影

花の咲いたのをご覧ください。

昨日のシベリカに比べると、決定的な違いがあります。それは、上を向いて咲いていること。それと、メシベの子房の色が異なります。ビフォリアの子房は、花に合わせた、紫色です(最初の画像もご参照ください)。また、花茎が赤っぽいです(これは、次の画像でも見ることができます)。

2021.03.20撮影

これ見てくださいよ〜〜。これ、お隣の芝生に引っ越して行った、うちのビフォリア。これは、2年前の画像です。

4、5年前、あれ? あれは何? お隣の芝生に花が。お隣が芝生に何か植え込むわけないのになあ、と思って目を凝らすと、、、

おや、うちの子じゃない、こらこら、勝手に出て行っちゃいけませんよ、お隣は、あんたたちのこと嫌いなんだからね。と言いきかせようと思っても、全く聞いてくれず、その後も、どんどん家出して行きました。

最初のうちは連れ戻していたんですが(お隣の地所へは、うちから伸びたものを切りに行ったり、落ちて行ったものを拾いに行っていいことになっている)、それでは芝生がボコボコになりすぎるので、すぐにあきらめました。

すると、わたしの寛容さをいいことに、あちらでは大繁殖。今のところ、お隣から文句は出ていないので、そのままにしています。多分、花が咲いているのさえ知らないんだと思います。

2022.03.24撮影

見てくださ〜〜い、花を拡大しました。

「花びら」の、目がぱっちりと開いたような咲き方、きれいな色の宝石みたいな子房(メシベのタネのなるところ)、それを取り囲むオシベの先の、色のコーデ抜群のヤクの色。

2022.03.24撮影

これは、ビフォリアを真上から撮影したものです。画像の向きで上の方の花、特に、右上の方の花は、オシベの先のヤクを落としているので、開いて日数の経った花です。まもなく、子房が果実になります。

この画像で左手に見える葉っぱは、ヘレボルス・アルグティフォリウス(Helleborus argutifolius)です。細い茎は、ハゴロモジャスミン(Jasminum polyanthum)。他に、少なくとも、2種のグランドカバー、ヒメツルニチニチソウ(Vinca minor)とクルマバソウ(Galium odoratum)の葉っぱが見えています。


こんなところを棲家とさせられていては、やっぱり新天地へ子どもたちを送り出したくもなりますよね。

画像中、向こう側で白っぽく見えるところが、お隣の光の当たる芝地です。

隣の芝生は、うん、明るい。

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シベリカ、青い傘

2023年02月22日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2006.03.27撮影

2日前から、春咲きのツルボ属(Scilla)の花をご紹介しています。今日の花は、名前を短くすると、シベリカです。

学名 Scilla siberica「シベリアのツルボ」
英名 Siberian squill「シベリアのスクウィル」
和名 シベリカ(学名の種小名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ属(Scilla

原産地は、種小名 siberica から分かるとおり、シベリアです、と言いたいのですが、南西ロシアからトルコにかけてです。

「花びら(ガク)」には、プシュキニア(Scilla mischtschenkoana)と同じく、青い縦線が入ります。でも、特徴は、独特の青さに加え、傘がさされたような形でうつむいて咲くこと。ほんとうに愛らしいです。

プシュキニアとチオノドクサのオシベは黄色いですが、シベリカのオシベは青いです。上の画像の真ん中にある花で、その青さを見ることができます。

2022.03.29撮影

シベリカは、ツボミも、プシュキニアとチオノドクサと異なります。プシュキニアとチオノドクサのツボミは、花茎に連なって固まって出てきます。ブドウの粒が、軸に逆さまにブラさがっているみたいな感じ・・・無粋な言い方で申し訳ございません。

でも、シベリカのツボミは、1つが、たまに2つ、多くても3つ、がポツンと、ぷくんと、出てきます。上の画像をご覧ください。これもかわゆいです。そして、かなり色が濃いですね。

2014.03.24撮影

また、シベリカの葉っぱは、2〜4枚です。それもこの画像でうかがえます。2枚、とはっきり見えるのは、2番目の画像です。

この上の画像でシベリカの足元に出ている葉っぱは、Papaver cambricum というケシの花の一種。この花についても、いずれの日にか。

2022.04.06撮影

上の写真は、シベリカを上から写したものです。以下の2つの点についてご観察ください。

まず、花茎です。土から出たところは緑色で、花に近づくにつれて紫色っぽくなっています。その紫色の部分が花につながる手前でクキッと「折れて」います。これが、花が下向きにつくメカニズムだったんですね。

それと、花の色が「花びら」の位置によって微妙に変わっています。これが、シベリカ独特のなんとも言えぬ花色の雰囲気を演出しているのだと思います。

2022.04.06撮影

花は、古くなってくると、やや横向きにはなってきますが、それでも、まだうつむいています。上の画像では、花が横向きなので、メシベの子房(花の中央の膨らんだところ)まで見えます。

この子房が成熟すると、次のような果実になります。この中に小さな種子が入っています。

Siberian squill (Scilla siberica) pods in a Minneapolis yard
撮影者: Erutuon
撮影日:2010.04.27
オリジナルからの改変、なし

ところで、うちの庭では、チオノドクサはどんどん増えるんです。でも、シベリカはどんどん減っていく。「育て方」の指南書には、増やすの簡単、と書いてあるけれど。そして、アメリカなどでは、侵入植物として嫌われているところもあるけれど。

以下の記事は、アメリカ、ミネソタ州の「環境・自然資源基金」みたいなところが出しているサイトの記事です。そこには、シベリカについて、「根絶せよ」と大文字で、かつ、感嘆符付きで表示されています。そして、「庭づくりをするみなさん、どうか、どうか、お願いですから、この植物を植えるのをやめてください。」とも書いてある。

ただし、研究者が書いたであろうと推測される記事に対して失礼になるかも、だがなあ、なんで「悪者植物」なのか、どこにも説明がない。

Scilla siberica (Siberian Squil)(英文+画像+地図)

幸い、バンクーバー辺りではそういうふれ込みは聞かないので、わたしは、シベリカを増やすことにしましょう。

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チオノドクサ、雪の輝き

2023年02月21日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2006.03.27撮影

今日も昨日に引き続き、ツルボ属(Scilla)の花をご紹介します。

昨日の花は、白地に青の線が縦に入ったプシュキニア(Puschkinia:学名 Scilla mischtschenkoana)でしたが、今日の花は、青紫地でその真ん中が白く抜かれた花、チオノドクサ(Chionodoxa:学名 Scilla forbesii)です。こちらも、たいへん印象的な花です。そして、それだけでなく、プシュキニア同様、分類の移動により名称も入り組んでいます。

学名 Scilla forbesii「フォーブズのツルボ」
英名 Glory-of-the-snow「雪の輝き、雪の誉」
和名 チオノドクサ(古い学名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ属(Scilla


2006.03.27撮影

学名の種小名は、人の名前から来ていることがあります。-ii がついていたら、まず人名に間違いありません。ですから、Scilla forbesiiforbesii は Forbes から来ていることになります。Forbes「フォーブズ」というのは、英語の名字です。

で、その Forbes さんがどんな人か、と思ったら、困った。植物関係の Forbes さんは、英語版のWikipediaに挙がっているだけでも、6人はいる。Scilla forbesii の Forbes はどの人よ、と思いましがた、追求するのはやめました。なぜなら、Wiktionary(Wikipediaに付随する辞書)にさえ、「何人かいるうちのだれでも」みたいな書き方だったので。

わたしは、今まで、Scilla forbesii を「スキッラ・フォルベスィイ」と読んでいましたが、forbesii が英語の Forbes「フォーブズ」から来た、とわかった今、そう読むわけには行かなくなった、汗。英語の発音に従って読まねばならぬ。「スキッラ・フォーブズィイ」。ううむ、今さら言いにくい。でも、この花が「フォーブズ」さんに献名されている以上、それは尊重したい。

昨日、Scilla mischtschenkoana のことを、便宜上、古い学名から取ってプシュキニア(Puschkinia)と呼びました。今日は、同じく、便宜上、Scilla forbesii のことを、チオノドクサ(Chionodoxa)と呼びます。英語圏での通称と考えてくださってもいいです。

2022.03.23撮影

上の画像は、チオノドクサのツボミです。先がとんがってきます。「花びら(実は、ガク)」の根元に近い方には、白いパッチが現れています。

「花びら」、実は、ガク、という植物、多いですね・・・

次の画像では、ツボミと花の、異なる段階の様子をご覧になってください。とんがる前のツボミは、画像のちょうど真ん中あたりに見えます。

画像中、赤い実は、ヒメコウジ(Gaultheria procumbens)の実です。左上方に少し見える赤っぽい花は、ヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)のすでに開いたものです。

2021.03.31撮影

上の画像の位置に、わたしは、チオノドクサを植えたのではないのです。それなのに、咲いている。チオノドクサは、ここだけでなく庭中のどこにでも出てきてくれる。つまり、勝手に増えてくれる。ありがたいことです。

でも、あまりにもどこにでも出てくると、春先に落ち葉を移動させる時とか、夏場にキンポウゲを掘り出したりする時に、つい、乱暴な扱いになってしまいます。ごめんちゃい。

果実は、花茎に並んでつくのですが、その重みで茎が倒れます・・・あいにく、手持ちの写真がありません。

2022.03.24撮影

この上の画像では、「花びら(ガク)」(この但し書きを書くの、もう飽きた)の形状を観察なさってください。先の方の両脇が独特な形にそりかえっていますね?

チオノドクサは、青紫地に、真ん中に白の目抜きの模様がついています。でも、よく見てみると、チオノドクサも、プシュキニアのように、「花びら」の真ん中に縦に青い線が入っています。これは、「花びら」の裏側からも観察できます。次の画像でお確かめください。

2006.03.27撮影

以下も、わたしの植えていないところで花盛りの青春を謳歌しているチオノドクサさんたち。この花がみんなまた果実になって、種を拡散してくれるのよね。実は、何が拡散を媒介しているのか、わたしにはわかりません。鳥? アリ? 風(ってことはないと思う)。

2022.04.06撮影

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プシュキニア、白地に青い線

2023年02月20日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2022.03.29撮影

バンクーバーでは、春先に、ツルボ属(Scilla)の花が各家庭のお庭でたくさん咲きます(ツルボ属には、秋咲きの花もあります)。

Scilla というのは学名ですが、これは、ラテン語に近く読んだら「スキルラ」「スキッラ」「スキラ」、このラテン語を英語読みして、それをさらにカタカナにすれば、「シラー」となります。日本語でも、ツルボ属のことを「シラー属」「スキラ属」と呼ぶこともあります。

今日から4日間(アライグマさんたちの緊急報告で、予定が1日遅れたんですが)、春咲きのシラー属の花を4つご紹介したいと思います。


2022.03.29撮影

今日の花は、名称がたくさんあるのでどう呼ぶか困るんですが、わたしの見かける球根のパッケージには、Puschkinia と書かれていることが多いので、それをカタカナにして、「プシュキニア」と呼ぶことにします。正確な呼び方ではないのですが・・・


プシュキニアは、植物学上の分類が何度も変わったらしく、そのため、シノニム(同じものを指す別の学名)がたくさんあります。ここでは、学名は、そのうちで最も新しいと思われる Scilla mischtschenkoana を採用しておきます。

学名 Scilla mischtschenkoana「ミシュチェンコ・シラー」
和名 プシュキニア(古い学名から)
別名 スキラ・ミシュチェンコアナ(学名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ属(Scilla

この種小名 mischtschenkoana は、外国語の固有名詞から来ています(ラテン語の語には「k」は使いませんから)。最後の ana は、その外国語の名詞をラテン語の形容詞に変える働きのものです。残りの mischtschenko はスラブ系の言語で、「ミシュチェンコ」と読むはずです。

misch「ミシュ」(「ミス」ではなく)
tschen「チェン」
ko「コ」

2006.03.27撮影

プシュキニアの花は、白地に青い線が入っていて、たいへん印象的です。

ツボミは、上の画像のように、一度に固まって出てきます。この段階で、すでに、白地に青い線が入っています。

英語では、この「線が入っている」というのを「ストライプ」を使って表現し、プシュキニアを Striped squill「ストライプの入ったスクウィル」 といいます。英語の squill は、学名の Scilla に当たります。

他の言い方には、White squill「白いスクウィル」というのもあります。これは、他の「スクウィル」が大体は青紫であることによります。この青紫の「スクウィル」は明日からご紹介します。

2021.02.26撮影

春咲きのシラー属(Scilla)の花では、プシュキニアがだいたい一番に咲きます。

スノードロップ(Galanthus nivalis)、スノークロッカス(Crocus chrysanthus)、そして、プシュキニア(Scilla mischtschenkoana)、という順番になります。


2021.03.03撮影

「みんなの趣味の園芸」には、プシュキニアについて以下のように書かれています。

> この類を長く育てるのは難しく、球根は年々小さくなり、いつの間にか消えてしまいます。写真は購入した大きな球根に咲いた花で、長年咲かせられるよう、少し工夫をしようと思います。

うちの場合は、消えてしまうことは今までなかったのですが、確かに、時々球根を足してはきました。きれいな花なので、なくさないようにしたいです。わたしは肥料は全く施しませんが、上の画像のように、冬場は落ち葉を敷き詰めているので、腐葉土になり肥料の役割を果たしてくれていると思います。

2022.02.26撮影

この画像では、太陽光線の角度のためでしょうか、やや赤紫がかって見えます。オシベは、まだ若く、花粉のついた葯(ヤク)が黄色く見えます。

2022.02.27撮影

上の画像では、ちょっと、花の各部分を識別しにくいのですが、この段階では、メシベが受粉していて膨らみかけています。

2021.03.20撮影

こちらの画像では、メシベがふくらんでいるのがはっきり見えます。花の中心にある黄緑色のものです。オシベからはもう葯(ヤク)が落ちてしまって、花糸(カシ)と呼ばれるオシベの「軸」だけが残り、それらが白っぽく見えます。

2022.04.06撮影

わたしの大好きな花ですが、わたしの庭では、今年はまだ咲いていません。

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