僕の消灯時間まで

ブログの引越しをしました。
愛する方々へ、遺書のように。

風鈴

2020-08-16 10:41:00 | 日記
風鈴が好きなのだと思う。

子どもの頃、家族に風鈴をつけたいと言ったら、
「風鈴はうるさいからねぇ。」
と言われたことを覚えている。

風鈴のどこがうるさいのか未だに分からない。
近所迷惑になるほど隣接してれば別だけど、昔はそんなトラブルもあったのだろう。
年寄りは「風鈴は近所迷惑」と口を揃えて言う。

風が強く、うるさいと感じたら外せばいいではないか。

でも、捉え方は様々だから風鈴は大人になってから好きに吊るすことにした。

好きに吊るすと言っても、馬鹿みたいに吊るしてあるのは好きではない。
あれは猟奇的で怖い。

本当に音が気に入ったモノがあれば、ものすごく迷って、想像して、迷って、キーを確認して、想像して、迷って、やめる。

そんなことが多いため、別にコレクションをしてるわけではない。

でも、僕は風鈴が好きなのだと思う。
風が吹いて鈴を鳴らし、涼しさを求めようっていう情緒が好き。
駅の中の催事で、風鈴を見るとワクワクする。
お祭りの時にガラスの風鈴を見かけるとワクワクする。

僕は、ガラスよりも音は金属の方が好きなのである。

南部鉄器の風鈴が本当に綺麗な音だとはずっと思っていた。

それでも、これまでは聴き比べる機会がなかったし、どれも同じかと思っていた。
そこまで積極的に「風鈴を探そう!」という時間を取らなかったからだ。

しかし、大方の予想通り、やっぱり違った。
南部鉄器の風鈴はそれぞれに音程や伸び、その他にも違いが!
なんならシリーズの中の「個体差」でも違った。

低めの音。
やや高めの音。
倍音が出るモノ、出ないモノ。
お年寄りには聞こえないかもしれないモノ。

楽しくて、しばらく悩み、しばらく聴き比べ、自分でも(どうせまた結局は買わないのだ)と思っていた。
思っていたのに、レジに一つ持って行って「これ下さい。」と定型句が元気よく口から飛び出た。
一番、音の澄んでいるモノにした。
それは下から2番目に安いモノだった。
値段ではないのだ。
楽器と同じ。

どこに吊るそうかなぁ。
と考えているところ。

そんなことを考えているところ。
コメント (2)
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