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羽ばたき飛行機製作工房

小型羽ばたき機(オーニソプター、Ornithopter、Flapping Wing)専門の研究開発サイトです

サーボダイレクトドライブ型羽ばたき機の開発

2015-06-07 10:00:00 | 製作記事(羽ばたき機)

試してみたいとかねがね思っていたサーボダイレクトドライブ型羽ばたきメカにトライしてみました。

この方式は、海外でいくつかの前例があります。

S-1 Robotic Bird

eMotionButterflies

とくに、当ブログの3月の記事でも紹介したFESTO社のeMotionButterfliesは、羽ばたき機構だけでなく群れを組んでの自律飛行などさまざまな新機軸を盛り込んでおり、目をみはらされます。

今回はコンセプト実証ということで、試作対象を羽ばたき機構のみにしぼりました。その代り当工房の流儀に従い、上記の先輩機達に比べ大幅な軽量化をはかりました(飛行重量9グラム)。

実は最初の試作で使ったサーボがアンダーパワーだったので、よりトルクの大きいサーボに換装して飛べるようになりました。飛行テストの映像は追い追いアップします。

キーとなる制御システムはmbedを利用して開発。使用しているのは高性能の32ビットマイコンARM Cortex M0シリーズです。開発にあたっては、筆者が所属しているFablab北加賀屋の電子工作上級者のみなさんに大変お世話になりました。

コンセプトの有効性が実証できたので、これからさまざまなデザインに応用していきたいと思っています。

機体スペック
全幅                 550mm
全長                 200mm
飛行重量              9.2g
(70mAhLi-po電池含む)

  製作年月   2015年5月


久しぶりの新作羽ばたき機

2015-03-25 00:00:00 | 製作記事(羽ばたき機)

来月の講演会に向けた久しぶりの新作機。機構的には2年前のFlying Crawler(フライング・クローラ)と同系で、左右の4連動翼を独立して制御できるツインモータ仕様ですが、プロポーションを変更、サイズもかなり拡大しています。例によって、3Dプリントパーツとカーボンロッドを組み合わせてフレームを構成。機体の脇に見えるのは先日新調したDSM2送信機(技適取得済)。

講演会当日は会場内でデモ飛行も行う予定です。お楽しみに。

機体スペック
全幅                 900mm
全長                 800mm
飛行重量              30.0g
(100mAhLi-po電池含む)

  製作年月   2015年3月


Flying Fish続報

2014-12-16 23:05:25 | 製作記事(羽ばたき機)

新作Flying Fishについての続報です。命名の由来は、水の中を素早く泳ぐ魚のように、ほとんどピッチングもなくまっしぐらに空中を突き進む様子から。あと、サカナのホネにも似てるかも。Sky・・・とつけたいところでしたが、そこは大人の事情ということで。

機体構造は、同形の羽ばたき翼ユニット4組を縦に連結。それぞれのユニットにモーターをひとつずつ備える贅沢な仕様です。当初、各モータを独立に制御できる4チャンネルの回路を搭載していましたが、テストの結果が期待したほどでなかったため変更。1番3番、2番4番を組にした2チャンネルに改めました。これでなぜ方向制御を行えるかというと、羽ばたき翼の構成が左右非対称であることに秘密があります。左の翼が大きい1番3番のサイクルを上げると右旋回、右の翼が大きい2番4番を上げると左旋回という仕組み。両方均等に上げれば直進上昇、下げれば下降です。

近いうちに、屋外か体育館など広いスペースで、本格的な飛行テストを行ってみる予定です。


新作多葉機 Flying Fish

2014-12-14 14:37:46 | 製作記事(羽ばたき機)

久しぶりに多葉機の作例。命名は「Flying Fish」。

当工房ではこれまでにも結構な種類の多葉羽ばたき機を製作してきています。古くはスカイフィッシュあたりから始まり、最近ではQuad X-WingFlying MobileFlying Crawlerなど(最後の機体はめざましテレビにも出演しました)。

今回の新作は、外観はこれら先代に似通っていますが、駆動機構を一ひねりした新種となっています。どこがどう新しいかは、以下の動画で確認してみてください:

テストフライトしてみてのインプレッションとしては、さすが4発機!だけあってパワーは十分だが直進番長で小回りが利かない(旋回半径が大きい)ので、狭い室内の飛行には向かない感じ。左右非対称の主翼形状を調整することで、どこまで改善が図れるか、今後の課題です。

諸元:
全長: 550mm
全幅: 350mm
飛行重量: 20.5グラム


主翼幅1.5メートルの無尾翼羽ばたき機

2014-10-26 21:50:50 | 製作記事(羽ばたき機)

主翼幅2メートルの大型機に続き、多少小型化しましたが主翼幅1.5メートルの機体を製作しました。

主翼スパーの剛性をあえて下げてみたところ、脈動するような不思議な羽ばたき方をしながら飛行する機体が出来上がりました。

前作同様、効果的な操向システムはまだ模索中です。本機ではサイドスラスターを搭載していますが、旋回半径は大きく、フライトには広い空間が必要です。

テストフライトの模様はこちらの動画をご覧ください:

機体スペック
全幅           1500mm
全長             315mm
飛行重量          17.0g

製作年月 2014年10月

 


主翼幅2メートルの大型羽ばたき機を試作

2014-09-28 23:00:00 | 製作記事(羽ばたき機)

主翼幅1メートルのQuetzalcoatlusがうまく行ったので、調子に乗って一気に2倍サイズの機体を製作してみました。

主翼幅はちょうど2メートル、これまでに製作した機体の中では文句なしに最大サイズです。飛行重量は22.5グラムと、主翼幅1メートルの弟分のちょうど倍ですので、翼面荷重は逆に半分になる計算です。室内での飛行テストでは思いのほか良く飛んでくれました。

モーターは7ミリ径、電池は130mAhを搭載。操舵用の3.3グラムサーボは全くトルク不足で効かないので、別な操舵方法を検討する必要がありそうです。

飛行テストの様子はこちら:

機体スペック
全幅           2000mm
全長             360mm
飛行重量          22.5g

製作年月 2014年9月


新作羽ばたき飛行機Quetzalシリーズ

2014-09-20 12:00:00 | 製作記事(羽ばたき機)

この秋参加を予定している各種イベント向けに、新しい羽ばたき飛行機Quetzalシリーズを開発しました。まずはプロトタイプ2種を製作。大きい方は翼長1メートルの電動ラジコン機、小さいのは翼長44センチのゴム動力機です。両方とも、史上最大の飛行生物Quetzalcoatlusをモチーフにしています。また各部に3Dプリントパーツを使用しています。ゴム動力版はキット化してワークショップで使用する予定。

機体スペック(電動版)
全幅             1000mm
全長               530mm
飛行重量            11.3g

製作年月 2014年9月

機体スペック(ゴム動力版)
全幅                  440mm
全長                  350mm
飛行重量                 2.9g

製作年月 2014年9月

2014/09/21update:
電動版の飛行テストの様子をYoutubeにアップしました→ http://youtu.be/ECHt2ikmkBU


スマートフォンで操縦する羽ばたき機の技術情報

2013-10-27 08:00:00 | 製作記事(羽ばたき機)

来週のMaker Faire Tokyo 2013に、「スマートフォンで操縦する羽ばたき機」を出品予定ですが、事前に技術情報の概要を公開します。

機体: 8月の記事で紹介した、アクロバット飛行のできる2枚翼羽ばたき機Megabat3Dを使用。製作当初に搭載していた2.4GHz受信機を下記のBluetooth受信機に入れ替えました。

送受信システム: いつもお世話になっているIndoor airplane worldのtokoさんこと田中光一さんが開発されたBluetooth受信機およびAndroidアプリを使用しています。

Bluetooth受信機 BT3HS(下の画像の右側)

サイズ:W13.3mmxD11,2mmxH2.5mm
単体重量:0.37g
電源電圧:リチウムポリマ電池1セル専用(3.7V)
ラダー出力;連続1A(最大1.8A)
スロットル出力:連続1A(最大4A)
エレベータ出力:サーボ仕様

ラダー出力にHブリッジICを使用、ラダーにモータが使える高性能バージョン。今回出展する機体には使用していませんが、エレベータ用のサーボ出力も装備。
上記画像のように、市販のBluetooth USBアアプタと組み合わせて使用します。組み上げた様子は下の画像参照:

機体に組み込んだところ:

田中さんが運営するIndoor airplane world e-shopで購入できます。Bluetooth USBアアプタは各自調達してくださいとのことです。

Bluetoothコントロールアプリ BTインドアプレーン・コントローラー

PlayストアからAndroid端末にインストールして使用します(無料)。開発者田中さんによりこまめな改良・機能強化アップデートが続けられていて、現在バージョン1.2.4。内蔵Bluetoothバージョン3.0以上の端末を使用してくださいとのことです。

操作画面:

設定画面:

スロットル/ラダー/エレベータの3チャンネル仕様。ラダー/エレベータはアクチュエータ/モータ/サーボのいずれにも対応し、リバース設定も可能。船/自動車用にスロットルの前後進モード、戦車等向けの左右2モータミキシングモードも可能という大サービスぶりです。このほど公開された最新バージョンでは、スロットル固定やラダートリム機能も追加され、さらに使いやすくなりました。

実物はぜひMaker Faire会場でご覧ください!

2013/10/27追記:
田中さんから、コントローラーアプリをアップデートしたとの連絡をいただきましたので、さっそくインストールして動作確認のうえ、記事内容を更新しました。


3Dプリント羽ばたき機Meganeuropsis3D図面作成進行中

2013-09-15 12:00:00 | 製作記事(羽ばたき機)

先月の記事で紹介し、その後も各地でデモ飛行したり、ネットにアップした動画が人気になっている3Dプリント羽ばたき機Meganeuropsis3Dは、パーツのCADデータをネットで公開して、世界中の愛好者に組み立てて飛ばしてもらうことをめざしています。

CADデータ公開に先立って、各パーツがどのように組み合わされるかを示す組立図を作成中です。3Dプリントパーツの大部分が使用される機首部分の図面がほぼできあがりましたので、サンプルイメージを公開します。

パーツのCADデータ同様、組立図の作成にもAutodeskのフリーCADソフト 123D Designを使用しています。図面は、パーツのCADデータと共に123D Designフォーマット、およびSTLフォーマット等で公開する予定です。完成をお楽しみに!