電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

空港

2009-12-09 18:04:11 | Weblog
昨日の夜、成田空港にジョニー・デップが『パブリック・エネミーズ』の宣伝キャンペーンのために来日し、1000人ものファンがつめかけたというニュースが流れていました。この空港でのつめかけた大勢のファンの熱狂ぶりをニュースでよく見かけますが、ファンスペースを確保して、その前を歩くスターの姿という絵図らはいったいいつ頃からそうなったんだろうと思います。私の記憶ではたぶん、韓流ブームになってからそれが当たり前の風景になったのかなあと思っているのですが。
少なくとも私がこの業界に入った頃は、ファンからの問い合わせが宣伝部にあってもまず来日の日程なんて教えませんでした。にもかかわらず、空港に行くとファンがいて、その情報収集力には驚かされましたが、今ではインターネットや携帯など、ネットワークが整備された時代では、隠そうに思ってもまずどこからかで知られてしますわけです。なので、今はその来日風景も取材の絵図らとして宣伝側も利用している部分があります。

ジャッキー・チェンがアイドルスターのように人気のあった時代、これは日本にもファンクラブがあり、今でいうファンミをおこなっていたので、情報は筒抜けでした。なのでそのおっかけぶりはすさまじいものでした。レスリー・チャンが『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』で来日した時は確か7~8人だったか。同時に来日していたジョイ・ウォンには、ファンタ系のファンが数人。気軽にサインできたし、こちらも人数が少なかったので許していたような時代でした。
ところがインターネットが普及してくると、香港の芸能ニュースで日本に行ったことや、香港のファンクラブで来日情報が報じられるものですから、空港にファンが集まっていました。それでもニコラス・ツェーたちが『ジェネックス・コップ』で来日した時は3~40人ぐらいだったので、まだこちらもなんとかファンに指示しながら対応できた時代でした。(それでもガードで必死でしたが)
でも今はほとんどそんな対応などできない時代となってしまい、ヨン様ファンが6000人とか、そんなニュースが流れた時、空港での対応は大変だなあ、とガード側の対応をみてしまいます。

時代の移り変わりはこんなところでも見てとれるわけです。



博多ムービーちんちろまい

2009-12-08 23:57:14 | Weblog
たぶんほとんど見ている人はいないかもしれませんが、私が個人で仕事をやり始めてかかわった邦画で、『博多ムービーちんちろまい』という作品がありました。福岡の企業体が出資した映画で、出演者も福岡出身の俳優を集めた映画でした。主演は武田鉄矢で、福岡県庁に勤める観光課の職員が、変な事件に巻き込まれる、ミュージカルあり、家族愛あり、青春あり、そしてアクションありとカルトな映画でした。この映画には千葉真一御大とシンシア・ラスターこと大島由加里さんがアクション・パートで出演しました。このアクションパートでの夢の共演だったのですが、カメラマンがいまいち勝手が違っていたのか、ちょっともったいない絵図らになってました。
映画完成時に大島さんから聞いたのですが、アクションを撮っているときに、カメラの位置が違うと感じていたそうです。やはりアクションを撮るというのは、そのカメラワークがもっとも重要なパーツであることがこの言葉でわかると思います。
ところで最近、「仮面ライダーディケイド」から「仮面ライダーW」を見ていてふと思うのですが、この伝統的なヒーローアクションをより面白くしているのは、そのアクションパートのカメラワークではないかと思います。子供向けですが、監督によってそのカメラのアングルや動かし方が非常に興味深い構図を見せてくれるのです。製作が東映なので、スタッフもすごく映画的な発想、またいろんなアクション映画を見て参考にしているんだろうと感じるのです。
ところで「仮面ライダーW」が最近いちばんハマっている番組で、特撮ヒーローと探偵ストーリーというのがなかなか面白く、主題歌もいいし、映画も早く観に行かなきゃと思っておりますが、なにせ主演がうちで宣伝していた『カフェ代官山』の出演者だったので、取材で立ち会っていたうちのスタッフは、「お~彼がねえ~」と感慨深げに話しているのでした。

三槍拍案驚奇

2009-12-07 18:47:30 | Weblog
この前のNHKスペシャルでとりあげられていたチャン・イーモウの新作『三槍拍案驚奇』ですが、予告を見ると風景の描き方とか、いかにもチャン監督らしい画ですが、コメディっぽい感じなので、お正月映画らしい感じの作品と思われます。予告
主演がスン・ホンレイですが、彼は『初恋のきた道』の先生役で知られ、香港映画の『鉄三角』『セブンソード』とツイ・ハーク作品にも出演しているので、皆さんもご存知の俳優さんの一人となっていると思いますが、昨年はTVシリーズ「潜伏」の大ヒットで中国でも人気スターの一人となっております。

NHKスペシャルの放映後に、取材したディレクターから聞いた話では、本当はジョン・ウーのインタビューも撮りたかったそうなのですが、本人が『レッドクリフ』のアメリカでの宣伝のためにタイミングがあわなかったそうです。個人的には18年前にツイ・ハークから紹介された、香港の映画館チェーンを経営していたビル・コンがこんな凄いプロデューサーになるとは・・・もう少し仲良くしておけばよかった(笑)。そう思っている人が私の周りに何人かいるようですが。
あの『妖獣都市 香港魔界篇』も実はビルがプロデューサーとして関わった作品でもあります。日本は東宝がまだ権利持っているはずなので、DVD出さないかなあ。


明5日(土)公開のアジア作品

2009-12-04 23:30:35 | Weblog
明日5日(土)公開のアジア作品はありません。

日本もいよいよ正月映画の第一弾が登場していきますが、映画会社にとって夏休みと正月の興行はいちばんのかき入れ時です。昔は今みたいなシネコンがなく、チェーンというシステムで公開していたわけですが、なかには正月を越せなくて公開が終わっちゃう不入り作品なんてのもありました。30年も前は、地方は2本だての公開が前提でしたので、配給会社はメインの作品に付けるもう一本がまさにロードショーにおいて不発に終わる作品があったわけです。
私は松竹富士という会社に最初いましたので、松竹の洋画系のチェーンのひとつ、丸の内松竹(現・丸の内ピカデリー2)によく作品を出していましたが、このチェーンは当時2週間で終わる作品が多かったのでした。1984年に入社した時、当時は今みたいに遅くまで仕事をすることなく、6時半にはだいたい仕事を終えて、2週間に1回、丸の内松竹に行っておりました。その時見た映画は『ロマンチック・コメディ』とか『ホリデーロード4000キロ』なんていう作品で、場内はガラガラでしたが、これらの作品をロードショーで見ている人って少なかったのではないかなあ。『ある日どこかで』なんて作品もそうでした。
丸の内松竹という劇場名を聞くと、香港映画ファンなら『燃えよドラゴン』をまず思い浮かべるでしょうが、最初にこの劇場にブッキングされていたというのは正直、興行側も最初はそんなに期待していなかったということになります。当時の関係者から話を聞くと、最初、マスコミの試写はガラガラだったそうです。それが次第に口コミで試写来場者が増え、この映画がヒットするのではと思ったのは、一般の試写会での盛り上がりを見てからだったそうです。結局、公開するや空前の大ヒットし、劇場も丸の内ピカデリーと入れ替わったわけです。
今はシネコンが増えたので、昔みたいな劇場のカラーがなくなってしまい、ターミナルにある劇場もめっきりにぎわいが減りましたが、あの頃の映画館の匂いを思い出します。

2010年1月下旬~2月上旬発売のDVD(レンタル)

2009-12-03 20:18:23 | Weblog
1月下旬から2月上旬発売のアジア作品DVD(レンタル)の一覧です。

中国(香港)作品
1月20日
『倉田保昭の「カンフー大作戦」』
出:倉田保昭、山下タダシ、トニー・プーン
『“酔猿拳”VS“蛇拳”』
出:チャン・ウーロン、ウィルソン・トン
2月12日
『香港テロ対策ユニット CTU』
出:カーメイン・シュー、ソニア・クォック

中国(大陸)作品
1月22日
「創世の龍~李世民 大唐建国記~」6~7
出:シェン・シャオハイ、バオ・グオアン
1月29日
『1978年、冬。』
監:リー・チーシアン
2月3日
「創世の龍~李世民 大唐建国記~」8~10
出:シェン・シャオハイ、バオ・グオアン
2月5日
「書剣恩仇録」1~3
出:チャオ・ジェンユー、アダム・チェン

台湾作品
2月3日
珠玉のアジアン・ライブラリーvol.4
『Tattoo刺青』
監:ゼロ・チョウ
出:レイニー・ヤン、イザベラ・リョン
珠玉のアジアン・ライブラリーvol.5
『練習曲』
監:チェン・ホアイイェン
出:イーストン・トン、Saya
『ビバ!監督人生!!』
監:ニウ・チェンザー
出:ニウ・チェンザー、チャン・チュンニン
「私の億万LOVE ~我的億萬麺包~」1~5
出:ジョセフ・チェン、アリエル・リン
2月5日
「敗犬女王」1~2
出:シェリル・ヤン、イーサン・ルアン
「ANGEL LOVERS~天使の恋人たち」10~12
出:ミンダオ、ビアンカ・バイ

韓国作品
1月20日
「僕にはわからないけど」
出:イ・ミンホ
「家門の栄光」6~7
出:パク・シフ、ユン・ジョンヒ
「龍の涙」43~45
出:キム・ムセン、ユ・ドングン
1月27日
「必殺!最強チル」6~10
出:エリック(神話)、チョン・ノミン
「テロワール」8~10
出:カン・テミン、イ・ウジュ
1月29日
「アヒョン洞の奥様」36~40
出:ワン・ヒジ、キム・ミンソン
2月3日
『超感覚カップル』
監:キム・ヒョンジュ
出:チン・グ、パク・ポヨン
「スタイル」1~4
出:リュ・シウォン、キム・ヘス
「愛があるから」8~14
出:ユン・へヨン、イ・チャンフン
「女人天下」59~66
出:カン・スヨン、チョン・インファ
「ヨメ全盛時代」11~15
出:イ・スギョン、キム・ジフン
「冬鳥」17~21
出:パク・ソニョン、イ・テゴン
「妻の誘惑」16~20
出:チャン・ソヒ、ピョン・ウミン
「ひとまず走れ」1~5
出:キム・ジソク、チョン・ヘジン
「ホ・ギュン-朝鮮王朝を揺るがした男」1~5
出:チェ・ジェソン、チェ・ジョンユン
「家門の栄光」8~10
出:パク・シフ、ユン・ジョンヒ
「龍の涙」46~48
出:キム・ムセン、ユ・ドングン
「シンデレラマン」1~4
クォン・サンウ、ユナ
2月5日
『少年は泣かない』
出:ソン・チャンウィ、イワン
『その男の本198ページ』
出:イ・ドンウク、ユジン
「美賊イルジメ伝」5~8
出:チョン・イル、キム・ミンジョン
「お向かいの彼女」1~6
出:クォン・ソクチャン, ユ・ホジョン
「エデンの東(ノーカット版)」18~23
出:ソン・スンホン、ヨン・ジョンフン
「糟糠(そうこう)の妻クラブ」41~45
出:キム・へソン、オ・ヒョンギョン
「林巨正-快刀イム・コッチョン」1~2
出:チョン・フンチェ、キム・ウォニ
「黄色いハンカチ」7~12
出:チョ・ミンギ、イ・テラン
「三国記-三国時代の英雄たち-」11~15
出:キル・ヨンウ、キム・ガプス
「太宗大王-テジョンテワン- -朝鮮王朝の礎-」1~6
出:イ・ジョンギル、キム・ムセン
「妖婦 張禧嬪(チャン・ヒビン)」27~31
出:チョン・ソンギョン、イム・ホ
「愛しの金枝玉葉」17~25
出:キム・ソンス、イ・テラン
2月10日
「イ・サン」6
出:・ソジン、ハン・ジミン
2月12日
「萬江(マンガン)」16~20
出:イム・ホ、オ・ヨンス
「2004年人間市場~正義のチカラ!チャン・ジョンチャン」1~10
出:キム・サンギョン、パク・チユン
3月5日
「ザ・スリングショット~男の物語」1~6
出:パク・ヨンハ、ギム・ガンウ

シンガポール作品
2月1日
『歌え!パパイヤ』
出演:ミンディー・オン、ヤオ・ヤンヤン

タイ作品
2月3日
珠玉のアジアン・ライブラリーvol.3
『レター僕を忘れないで』
監:パウーン・チャンタラシリ監督
出:エーン・トーンプラソム、アタポーン・ティーマゴーン

そのほかにチャン・ツィイーが殺人鬼を演じた『ホースメン』が2月5日に発売されます。

クリスマスシーズン

2009-12-01 23:08:56 | Weblog
今日は12月1日、映画の日でした。
うちの会社が配給、宣伝しているベルギー映画『ロフト.』もおかげさまでというか、最小の宣伝費で公開したのですが、わりとお客さんがきていて、予想外の状況になっています。ほんと嬉しいかぎりです。自分的にですが、まだまだ宣伝もいろんなやり方があるなあと思っておりますが、同様な形で香港映画とかもできないのかなあと思っております。
そうそう、ここ数日、いくつかの会社の人間と話していたら、新情報である香港映画が買われていたということがわかりました。まだここでは紹介できないのですが、情報解禁ができるようになりましたら、いの一番にお知らせしますね。
さて、12月にはいると、クリスマス用のイルミネーションを思い出します。昨日は日本のニュースでも表参道のイルミネーションが11年ぶりに点灯されたなんて紹介されていましたが、この時期に香港に行ったときのイルミネーションは印象に残ります。セントラル方面のビル群に輝く照明やら、ショウウインドウの飾り付けやら、20年前に見た12月の香港の街の風景は今でも思い出します。
そして映画もクリスマス映画が登場するわけですが、今週はスティーブン・フォン監督の『跳出去』が登場します。ソニー・ピクチャーズ製作なのですが、これは日本に入ってくるのかなあ?まったく情報は入っていませんが、なにせエディソン事件の被害を被った作品なので、どううけとめられるのか。予告を見る限りはちょっとコメディぽいですが。跳出去予告
それから『花木蘭』も今週公開になっていたとはびっくりでした。花木蘭予告
今月は香港で映画を見ようとすると、久々に中華圏映画で粒がそろっているので、かなりの楽しみがありますね。