島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

自転車レーンはなぜ必要か(21)

2010-11-22 23:21:41 | クルマ社会の問題
 最近、自転車の危険性が声高に論じられるようになっている。
 今日のA新聞によれば、この10年で歩行者との事故3.7倍にまで急上昇しているのだという。死者も695人に及ぶから交通死全体の約14.1%になり、かなり割合が大きい。
 若者などによるスピードの出し過ぎや信号無視などのマナー違反によるものが多いことは確かであろう。
 ところで、自転車が増えたから自転車の事故も急増したように論じる向きも強いが、自転車が増えたとは言え、大都会ならともかく地方社会では成人ならばこ20歳になってからはクルマばかりに乗るようになって、自転車など乗ったことがない、家の自転車も錆び付いて乗れる状態ではなくなっているなどと言う人が圧倒的に多い。
 つまり自転車が増えたとは言っても、高校生などの未成年の所有と使用はかなり増えたものの、成人の場合は微増程度であり、全体数としてもたかが知れている。
 言うまでもないことだが、激増したのはクルマである。
 近年は若者のクルマ離れとか不況の影響とかでクルマの売れ行きは低下しているなどとも言われているが、都市部の空洞化に反比例するかのように都市部での駐車スペースは留まるところを知らない。つまり、駐車場が増えた分だけクルマの利用環境は向上したのであり、それだけクルマの走行距離は伸びているから道路を走るクルマの台数も増えているというべきであろう。
 このクルマの激増により自転車の走行環境は格段に悪化したのである。
 自転車が増えたから自転車とクルマ自転車と歩行者との接触や衝突が多くなったということではなく、クルマが増えすぎたために自転車に係わる事故が増えたのである。
 こうもクルマが多くなっては当然自転車とクルマ自転車と歩行者との接触や衝突の危険性も高くなり、それをできるだけ回避するためにも自転車用のレーンが必要になってくるわけである。
 ◆写真 某小都市の駅前に備え付けられているレンタサイクル。主として観光用だが、利用度は低いようだ。鉄道駅でも駐車スペースはゆったりと設けられているが、自転車置き場は出し入れも億劫になるほどの寿司詰め状態。二段式ラックでは怪我しそうだ。ここにもクルマ優先・自転車冷遇が見られる。ゆったりした公設駐輪場の充実も欲しいものだ。


最新の画像もっと見る