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島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

これでは中国も途上国も納得するわけがない

2009-12-17 22:57:25 | 地球温暖化
 写真は11月5日から「社会実験」として開通した山形市中心街の自転車レーンと車道の模様であるが、ご覧のとおり自転車レーンには自転車の姿はごく僅かで、車道には途切れのない車列が数珠つなぎの状態である。
 地球温暖化対策のためのCOP15コペンハーゲン会議は先進諸国と途上国(二酸化炭素の最大の排出国の中国も途上国の一員を自称している)とのせめぎ合いのため膠着状態にあるが、途上国側は先進諸国の温室効果ガスの削減目標をアタマから信用していないようだ。
 とりわけ日本の25%削減の“公約”については途上国側だけでなく、この小生も信頼に値するものではないと確信している。
 その何よりの根拠がこの写真である。
 地球温暖化対策のための京都会議以降10年以上も「地球環境の危機」が叫ばれ、現実に異常気象の頻発などになって目の前に現れていながら、多くの日本人は「地球温暖化なんぞどこ吹く風」とばかりにクルマを不要不急でも乗り回している姿がまさにこの写真に表れているのである。
 民主党政権はようやっとガソリン税などの暫定税率の撤廃は無理と判断したようだが、その理由も地球温暖化対策のためではなく、税収の確保というお粗末な理由によるものである。しかもCOP15コペンハーゲン会議のさ中だというのにである。
 写真の自転車レーンの設置の動機も似たようなもので、自転車利用推進こそが地球温暖化抑制策の象徴として自転車レーンが設置されたわけではなく、歩道を走る自転車を危険視する「自転車悪玉論」が主たる動機のようだからである。
 これでは自転車レーンを走る自転車の姿が増えるわけがない。
高校生以外の一般成人の間でも自転車の利用が激増し、クルマの姿が大幅に減った様子を世界に示さない限り途上国は納得しないであろう。レジ袋を減らしたくらいでは途上国には「先進国の二酸化炭素削減努力」が見えないのである。

 ◆過去の記事をも併せて閲覧くだされたし!

冬眠して中国に「友愛」を示そう

2009-12-11 20:30:32 | 地球温暖化
 地球温暖化対策のためのCOP15コペンハーゲン会議はまるで途上国の二酸化炭素排出量増加の是認を求めるための国際会議と化しているようだ。
 一部の海洋小国を除いてほとんどの途上国は二酸化炭素の排出削減の義務化に同意しないばかりでなく、逆に国民を豊かにするために経済躍進は必要なため二酸化炭素排出量増加は不可避であり、先進諸国こそ更なる大幅な削減が必要だと主張している。
 むろん、中国がその主張の急先鋒で、途上国代表を自負する以上に大国意識丸出しの態度そのものであり、怖さすら感じる。
 もし、民主党政権の高速道路無料化政策のことを中国代表団の認識の中に入ったら、それこそ「日本の二酸化炭素25%削減目標はいいかげん」と格好の攻撃材料にされてもおかしくない。
 このままでは日本国民も欧米先進諸国民も冬眠の約束でもしない限り中国を納得させることは不可能みたいなものである。でも、いかに寒い冬でも人間の肉体は寝てばかりいたら健康をそこなう。
 その代わりクルマ、とりわけ不要不急のマイカーくらいは冬眠させることはできそうである。ましてや高速道路なんぞ冬季も無料で走らせる必要はない。
 無料はむろん、千円乗り放題も撤廃するばかりではなく、道路整備の目的税である暫定税率を脱マイカーのための公共交通整備への目的転換を図るべきである。
 むろん高速道路無料化撤回だけで二酸化炭素を25%削減させることはできないが、そのくらいの「努力」を世界に示さない限り中国や途上国をわずかなりとも納得させることは到底不可能であろう。
 

暫定税率撤廃で二酸化炭素25%削減!?

2009-12-08 07:55:49 | 地球温暖化
 普天間基地問題をめぐりいよいよ社民党党首が「重大決意」を表明した。
 鳩山首相が辺野古移転の日米合意を容認したら連立離脱もありえるとのことである。
 社民党は旧日本社会党の後身であり、実質的には党名を変えたに過ぎない、歴然たるシャカイ主義政党である。旧社会党が米軍基地に強く反対するのは、はいかなる米軍基地も社会主義諸国に敵対するからというのがホンネであり、沖縄県民にとって重大な迷惑施設だから反対というのは表向きであった。
 ただし旧社会党は共産党独裁国家を「社会主義国家」と誤認していた。(むしろ北欧諸国の方が社会主義の理想にかなっている。)いずれにせよ旧社会党の後身である社民党が強硬に沖縄県内での基地移転に反対するのは当然であろう。
 でも、民主党も別の意味でのシャカイ主義政党である。
 ただし、漢字を当てはめれば「車会主義」政党となる。
 つまり「クルマ社会を支える」政党である。
 それを如実に表しているのが衆議院選挙前に掲げたマニフェストの中で公約とした「高速道路の原則無料化」と「暫定税率の撤廃」である。
 マイカー族に奉仕する政策を公約の目玉にしながら、一方で1990年比で2020年までに二酸化炭素を25%削減することを世界に示したが、そんな奇術のようなことが可能なのだろうか。
 それをいわゆるエコカーの普及や環境技術の推進により達成したいらしいが、甘い甘い。電気自動車とてここしばらくは火力発電からの電力供給により走行することになるのだから、火力発電所から排出される二酸化炭素の量は格段に増加することは間違いないし、脱火力にしても、日本の国土は太陽光パネルや風力発電機で覆いつくされることになろう。
 そんな「反牧歌的」な景観は望みたくもない。
 民主党が夢見る近未来の日本の景観は太陽光パネルだらけの間を縫うように走る複数車線の高速道路を埋め尽くす電気自動車の車列の姿なのかもしれない。
ああ、こんなにマイカー族に甘ちゃんで地球温暖化抑制を探るCOPコペンハーゲン会議に臨んでも途上国を説得できるわけがない。

 ◆ イラストと写真の組合せは「鳩」と「山」のつもり お粗末様!

高速道路の無料化問題を考える ⑤

2009-09-25 23:37:25 | 地球温暖化
 鳩山首相が国連において二酸化炭素を2020年までに90年比で25%の削減を宣言した。
 でも、この鳩山民主党政権は同時に高速道路の無料化をも公約しているから25%削減はきわめて困難になるのではないか。
 民主党や高速道路の無料化を提言したシンクタンク氏はこれによりむしろ二酸化炭素の排出は低減するなどと論じている。
 論拠としては、無料化により高速道路、とりわけ従来は利用度がきわめて少なかった地方の高速道路の利用者が増えれば狭くて他の道路との交差が多い一般道路の渋滞が減少するから二酸化炭素の排出が低減するのだという。
 だが渋滞だけが二酸化炭素の大量排出を招くわけではない。
 低速よりも高速の方がよほど二酸化炭素を多く排出するし、高速道路を利用すれば、当然距離も格段に伸びるし、結局は走行時間も増えてしまう。
 しかも、高速道路内だけを走行するクルマは存在しえない。必ずや外部から高速道路に進入し、また高速道路から外部の一般道路へと退出して目的地へと向かう。
 高速道路料金が高額なうちは遠距離走行を控えていたクルマも現在のような1000円乗り放題や無料化により遠距離走行がやりやすくなり、結局は走行距離も走行時間も格段に伸びることとなろう。
 こうして地域外から進入するクルマが多くなり、今まで渋滞が少なかった地方の一般道路でも渋滞が多くなる可能性がかなり高くなるであろう。
 鳩山政権が本気で二酸化炭素排出を25%削減する気なら、高速道路の無料化政策を撤回すべきであろう。高速道路の無料化政策は二酸化炭素大幅削減を本気で考えていない証しでもあるからである。
 クルマ社会に対する大幅な見直しとその実施こそが二酸化炭素大幅削減の最も効果的施策なのである。このことを抜きにして「地球温暖化防止」なんぞは「夢のまた夢」でしかない。

高速低料金・無料化にNGOが反対声明

2009-08-08 17:11:06 | 地球温暖化
 「気候ネットワーク」など環境関係のNGO数団体が政府の高速道路の千円乗り放題や民主党の高速無料化などの公約に対して共同で声明を出した。

       NGO共同声明
 高速道路無料化・自動車関連諸税の暫定税率廃止に、反対します
~ 高速道路無料化・割引は撤回し、暫定税率は炭素税などにシフトを ~

 以上が声明文の見出しだが、内容は下記URLにより見られます。
  http://www.kikonet.org/iken/kokunai/2009-08-05.html

また、当ブログの過去の記事もご覧くだされたし。
http://blog.goo.ne.jp/ezoben-k/d/20090328

 ※写真は関連HPより

宇宙は怒っている

2009-07-22 22:10:45 | 地球温暖化
 衆議院はついに解散され、各党とも総選挙の態勢に突入した。
 前回の記事では民主党の高速道路の原則無料化のことで論評したが、高速道路の土日等の1000円乗り放題の施策に踏み切ったのはむろん政府与党である。
 1000円と無料では当然ドライバーにとっては無料の方を歓迎するだろうが、いずれにしても「二酸化炭素大量排出促進インフラ」とでも申すべき高速道路に大量のクルマを呼び込む施策は明らかに京都議定書と洞爺湖サミットの精神に反する施策であることには変わりがない。
 今日は日本国中が「皆既日食」で涌き返っていたが、どうも私には「怪奇日食」に思えてならない。これからの気候の状態は今まで以上に「怪奇」的になるのではないか。
 インドのヒンズー教徒たちは皆既日食を「不幸の前兆」と見做しているようだが、それを単なる迷信とばかり蔑んではいられない。
 宇宙は人類を、また地球温暖化対策を国際政治の上でのパフォーマンスとしか考えずに目先の利害(景気回復)だけしか頭にない日本人に対して憤っているのではないか。

次期政権は「地球温暖化推進党」?!

2009-07-18 22:39:11 | 地球温暖化
衆議院の解散を直前にして自民党は混迷の度を深め、民主党の政権奪取はかなり現実的になっていると言えよう。
 だが、民主党の次の「公約」だけは絶対に受け入れることはできない。
 それは、高速道路の無料化と暫定税率の撤廃である。
 民主党が言うには、料金所の撤廃により料金所前後の渋滞は大幅に緩和されるし、狭くて信号や交差点の多い一般道路をのろのろ走るよりは高速道路をスムーズに走れるようになれば(でも1000円の料金でも既にかなりの渋滞が発生している)、二酸化炭素の排出はかなり低減できるらしい。
 だが、それは詭弁というものであろう。
 いくら一般道路ではのろのろ走行でも、それだけ走行距離は短いのだが、いかに高速道路をスムーズに走って(必ずしもその保証はなさそうだ)も、高速走行と長距離走行が相俟って一台あたりの二酸化炭素排出はかなりの増加になるはずである。
 しかも、高速料金が高額であるために遠距離走行を控えていた人も無料化により遠方までクルマででかけるようになれば、高速道路に出入りする車輌は激増し、出発地点の地域の道路と目的地点の道路のクルマの台数は増え、やはり渋滞が予想され、それだけ二酸化炭素の排出も増えることが予想される。
 民主党よ、昨年の洞爺湖サミットがやはり自民党の福田政権下で開催されたとは言え、地球温暖化対策が主要議題であり、京都議定書の精神に基づいて日本がそのために主導的役割を担うことを世界に約束したことを忘れないでほしい。
 その日本が率先して京都議定書を反故にするような政策を公言するようでは、中国やインドなどの発展途上諸国が温室ガスの大幅削減を受容するはずがない。
 京都の地盤を傾かせるようなことは絶対にあってはならない。
 また、暫定税率も撤廃すべきではない。
 今まで道路(主として車道)建設に投入されてきたものの、クルマの増え過ぎによる諸弊害の除去のために振り向ける必要が増している。
 例えば、公共交通網の充実、高齢者等の交通弱者の足の確保、歩道・自転車道の整備、地球温暖化対策、大気汚染・騒音対策並びに交通被害者救援、複数車線道路の車線削減とその部分の緑化、中心市街地の再興支援等々、予算は幾らでも必要である。

市民証は「エコ市民証」に

2009-06-03 00:08:18 | 地球温暖化
 前回の記事では運転免許証やパスポートのように顔写真つきのものが諸手続きで本人確認のために窓口で提示を求められる傾向が強まっていることを述べた。
 運転免許証などを持たない高齢者等がそのためにわざわざ自動車教習所に通い出すようなことは無理であろうから、代わりの物を公的機関が発給することが望まれることをも述べた。
 しかし、それでも高齢者が印鑑登録や銀行でローン等を組むようなことはめったにないだろうから、日常的に使用できる本人確認証にすべきである。
 つまり、自動車運転ができない代わりに日常生活が少しでも便利になるようの提示により色んな特典が得られるカードにすれはよい。例えば、そのカード(むろん顔写真つき)映画や観劇、タクシー乗車や新幹線乗車などで料金が割り引かれるような仕組みである。
 山形市でも住民基本台帳に登録されていることを証する「住基カード」が希望する市民に発給しているが、ほとんどの市民には利用する機会が稀なために交付を希望する市民は少ない。また、希望者には顔写真も挿入できるらしいが、それでも利用する機会が少ないことには変わりがない。
 だから、クルマを運転しないことによる地球温暖化抑制貢献ということで、運転免許証非所持者に恩典を与え、彼らが積極的に外出することによる経済効果をも狙うようにすれば、一石二鳥となるのではないか。
 エコカー購入への金銭支援よりもはるかに地球環境保護に結びつくはずである。

なんでもない景色のようだが・・・

2009-05-03 22:57:03 | 地球温暖化
 手前に市街地、前方に残雪が目立つ山並み。
 これは山形市街を前景にした奥羽山脈の雁戸山の風景である。
 おお、いかにも山形らしい景観である。 
 雁戸山とは申しても山形以外の人間にはあまり聞きなれない山の名前だろうが、これも蔵王連峰の一部を成しており、いわば北蔵王に属する。
 この稜線を右手に辿って行けば、名号峰、そしてカルデラ湖たる御釜を見下ろす馬の背や最高峰の熊野岳に至るのだが、山形の市街地からは熊野岳の姿を目にすることはできない。
 それにしても昨日、今日と山形市の最高気温は20度を超え、とりわけ昨日は26度で夏日を記録したほどだから、まあ5月初旬としてはかなりの高温である。
 でも、雁戸山(1484m)の山頂付近の残雪は例年になく多いように思える。
 それもそのはず、先々週は連日最高気温が平年をかなり下回っており、家の中ではコタツが欠かせなかった記憶がある。
 つまり、その頃は山にはかなりの積雪があったから、昨日、今日のような高温の日にまで残雪を見せているのであろう。
 一見、なんでもないような景色で、さすがに山形は自然景観が優れていると賞賛されるようであるが、これこそ気候変動の激しさを象徴する景観なのである。
 連休に入り、ETC塔載により1000円で高速道路乗り放題のクルマが高速路線に殺到し“低速道路”と化しているが、渋滞もまた二酸化炭素の大量排出を招くのだから、ETC取り付け料金の補助と高速料金の一律1000円の施策はまさしく典型的な地球温暖化推進施策と申すことができよう。